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静岡県埋蔵文化財調査研究所研究紀要

URL https://sitereports.nabunken.go.jp/90640
DOI 2D code
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DOI http://doi.org/10.24484/sitereports.90640
For Citation 財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所 2011 『静岡県埋蔵文化財調査研究所研究紀要』財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所
財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所 2011 『静岡県埋蔵文化財調査研究所研究紀要』
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Title 静岡県埋蔵文化財調査研究所研究紀要
Participation-organizations 静岡県埋蔵文化財センター - 静岡県
Alternative しずおかけんまいぞうぶんかざいちょうさけんきゅうしょ けんきゅうきよう
Subtitle
Volume 17
Series
Series Number
Author
Editorial Organization
財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所
Publisher
財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所
Publish Date 20110131
Publisher ID 22000
ZIP CODE 4228002
TEL 0542624261
Aaddress 静岡市駿河区谷田23-20
Report Type Codes
annual
NII Type Research Paper
Research Report 掲載されていない(発掘調査報告書総目録の掲載対象外)
NCID
JP Number
Other Resource
Remark
Articles
Japanease Title 愛鷹・箱根山麓における後期旧石器時代後半期前葉の石器群 ―編年及び年代の整理―
English Title
Author
中村 雄紀
Pages 1 - 14
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 旧石器
文化財種別 考古資料
遺跡種別
遺物(材質分類) 石器
学問種別 考古学
テーマ 編年
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Abstract 愛鷹・箱根山麓における後期旧石器時代後半期前葉(AT降灰期以降、砂川期以前、愛鷹・箱根第3期に相当)の石器群の変遷を、近年増加が著しい新出資料を組み込んで整理した。当該期の石器群を大別7群に分け、その上で南関東の編年、及び年代測定データとの対応関係を考察した。第Ⅰ黒色帯から第Ⅰスコリア層までが南関東Ⅴ層下部段階からⅤ層上部段階に相当し、休場層直下黒色帯から休場層下位がⅣ層下部段階からⅣ層中部段階に相当するという対応関係が認められ、前者の年代が約30000-28000 cal BPとなる一方、砂川期の年代が23000 cal BP頃で与えられるところから、Ⅳ層下部段階からⅣ層中部段階並行期が相対的に長期間に及んでいた可能性を指摘した。
Japanease Title 静岡県における縄文時代の14C年代の集成と検討
English Title
Author
三好 元樹
Pages 15 - 24
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 縄文
文化財種別 考古資料
遺跡種別
遺物(材質分類) 土器
学問種別 考古学
テーマ 年代特定
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Abstract 時間の長さを明らかにすることは、型式学や層位学では難しく、自然科学分析によって主に行われている。14C年代測定を用いた縄文時代の研究はAMS法の利用により大きく進展しており、特に土器付着炭化物の測定が可能になった点が重要である。土器付着炭化物は土器そのものの年代を示し、土器型式に年代を与える作業に役立つ。本論では、他地域で作られた時間軸を参照しつつ、これまでになされた静岡県の14C年代を概観した。特に他地域で測定が進められていない、早期後葉~前期初頭の土器について詳しく検討した。
また、それぞれの土器型式に与えられた年代をもとにして、遺構出土炭化物の年代を土器型式に対応させていった。土器付着炭化物の測定例は、未だ不十分であり、より多くの分析が行われるのを待って、それぞれの土器型式の年代は更新される必要がある。
Japanease Title 静岡県における有茎尖頭器の利用
English Title
Author
柴田 亮平
三好 元樹
中村 雄紀
Pages 25 - 38
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 縄文
文化財種別 考古資料
遺跡種別
遺物(材質分類) 石器
学問種別 考古学
テーマ 資料集成
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Abstract 有茎尖頭器は縄文時代草創期前半の特徴的な石器であるが、県内では近年の大規模工事に伴う発掘調査の結果、資料数が大幅に増加している。そのため、本論では静岡県内から出土した有茎尖頭器の集成をおこなった。集成の結果、511点の有茎尖頭器が出土しており、その大半が東部地域に集中すること、旧石器時代遺跡の密集地域であった磐田原台地では出土例に乏しいことがわかった。また、石器群として出土する例に乏しく、大半が散在的な出土の様相を見せることを再確認した。東部地域ではホルンフェルス(頁岩)と安山岩が利用石材の約8割を占め、近傍の石材に依存していることが分かった。その一方で、残りの2割には青森県深浦八森山産の黒曜石など遠隔地の石材が少数含まれていることが明らかとなり、縄文時代草創期の地域・社会関係を明らかにする上での課題が浮かんできた。
Japanease Title 東海地方の鉄器の出現
English Title
Author
杉山 和德
Pages 39 - 52
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 弥生
文化財種別 考古資料
遺跡種別
遺物(材質分類) 金属器
学問種別 考古学
テーマ 文化系統 資料集成
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Abstract 弥生時代における東海地方の鉄器化の実態に迫るため、出土鉄器の集成をおこない、各器種の様相を把握した。東海地方における鉄器の出現は弥生時代中期にまで遡るが、多岐に渡る器種が一定量認められ始めるのは、弥生時代後期からとなる。愛知県豊田市の南山畑遺跡で検出された鍛冶遺構の存在や、従来「不明鉄器」とされてきたものの用途を積極的に評価することで、弥生時代終末期には、鉄板鏨切りによる小型鉄器の製作や、鉄器の再加工による転用といった簡易な鉄器製作・鉄加工は既におこなわれ始めていた可能性を考えた。
Japanease Title 遠江・駿河の頸部を呑み込む矢柄をもつ鉄鏃の意義 ―無茎式・短茎式鉄鏃との比較を通じて―
English Title
Author
大谷 宏治
Pages 53 - 64
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 古墳
文化財種別 考古資料
遺跡種別 古墳 横穴
遺物(材質分類) 金属器
学問種別 考古学
テーマ 文化系統
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Abstract 古墳時代後期以降、西日本では弥生時代から継続的に用いられた無頸式鉄鏃(無茎式・短茎式を総称)が衰退し、鉄鏃組成から減少・欠落する。一方で、遠江・信濃以東の東日本では古墳時代後期以降も継続的に用いられるとともに、無頸式鉄鏃を模倣したと考えられる頸部を呑み込む矢柄をもつ鉄鏃(『頸部被鉄鏃』)が存在する。この「頸部被覆鉄鏃」は無頸式との副葬数、副葬状況などの比較から無頸式と同様の機能を有していたと考えた。このことから、東日本では無茎式の代用として、頸部被覆鉄鏃を無茎式として機能させていたと想定した。さらに、頸部被覆式鉄鏃の創出は消費者(使用者)側が古墳時代後期・終末期における無頸式鉄鏃の生産・流通数の減少を補うため、外見上工夫し、平根式鉄鏃を無頸式鉄鏃に見立てることで伝統的な祭祀に必要であった「無頸式鉄鏃」を意図的に創出したと考えた。
Japanease Title 神力坊と三巻上人の経筒 ―西日本の廻国経筒2―
English Title
Author
足立 順二
Pages 65 - 77
NAID
Prefecture Miyagi Prefecture Ibaraki Prefecture Kumamoto Prefecture Kagoshima Prefecture
Age 近世(細分不明)
文化財種別 考古資料
遺跡種別 社寺
遺物(材質分類) 金属器
学問種別 考古学
テーマ 文化系統
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Abstract 今回は九州地方の廻国聖と経筒を取り上げる。その一人は薩摩の修験井尻神力坊で、戦国時代の廻国聖では、もっとも履歴のわかる人物である。この人物にかかわる弘治元年銘の経筒が茨城県と鹿児島県から出土している。この経筒と出土地の分析を行い、さらに同時代史料から、神力坊が単なる廻国納経の修験者ではなく、戦国大名島津氏の使者として大友氏に島津氏の口上を伝えるなど、大きな役割を担っていたことを指摘した。
人吉市南町からは、骨塔と呼ばれる石造物から、六角宝幢式経筒が発見された。骨塔は、人吉藩主相良長毎の供養のために、犬童玄俊なる人物が造立したものであった。玄俊はそれ以前に相良長毎の供養のために、廻国納経の旅をつづけ、遠く奥州松島の地にも供養碑を建てている。南町から出土した廻国経筒には、駿河三巻上人銘が彫られていたが、この上人号についても、勅許による僧号ではないかと考えた。この経筒は、人の歯を納めるために再利用した例でもあった。
ほかに九州地方の廻国聖についてもふれ、彦山や黒髪山などの修験者が、少なからずみられたことも指摘した。
Japanease Title 三島ヶ嶽経塚小考 ―富士山本宮浅間大社所蔵写真資料から―
English Title
Author
勝又 直人
Pages 79 - 92
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 鎌倉
文化財種別 考古資料
遺跡種別 祭祀
遺物(材質分類)
学問種別 考古学
テーマ 資料紹介
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Abstract 三島ヶ嶽経塚は昭和5年(1930)に富士山頂で発見された。出土遺物として経巻が納入された経筒や経軸・水瓶・土器等、また埋納施設として木槨が発見されている。その規模や文献等から久安5(1149)の末代による一切経埋納の遺物や、末代以降の埋経と考えられている。平成20年度に実施された富士山世界文化遺産登録推進事業にかかり、富士宮市教育委員会が富士山本宮浅間大社において昭和5~6年の三島ヶ嶽経塚に関する報告で使用された写真の一部や未発表写真を確認した。名称不詳経典の写真について観察した結果、『大慈恩寺三藏法師傳』・『大方等大集経』の一部であると推定された。また既に確認されていた『佛本行集経』・『南海歸寄内法傳』の存在も勘案すれば、当該経典群は末代の埋納した一切経である可能性を補強する。今後、出土遺物や写真の所在確認・検討により三島ヶ嶽経塚の再評価がなされるものと期待される。
Japanease Title 静岡県下における19世紀鋳造銭貨の遺失経過について
English Title
Author
岩名 建太郎
Pages 93 - 100
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 江戸
文化財種別 考古資料
遺跡種別
遺物(材質分類) 金属器
学問種別 考古学
テーマ 資料集成
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wikipedia 出典テンプレート : {{Citation|first=建太郎|last=岩名|contribution=静岡県下における19世紀鋳造銭貨の遺失経過について|title=静岡県埋蔵文化財調査研究所研究紀要|date=2011-01-31|url=https://sitereports.nabunken.go.jp/90640|location=静岡市駿河区谷田23-20|ncid=AN10278361|doi=10.24484/sitereports.90640|volume=17}} 閉じる
Abstract 特定地域の貨幣の流通状況を通史的に追跡するために、比較的出土量に恵まれていて、流通が短期間に限定される特長的な貨幣種の事例を集成・分類し、一つの基準、モデルをつくり、他の貨幣種と比較する方法が考えられる。
日本列島のほぼ中部に位置する静岡県(旧遠江・駿河・伊豆3国)内において、近世銭貨の中で最も年代的に新しく、流通期間も比較的短い、19世紀に鋳造された銭貨である天保通寳と文久永寳の出土事例を集成し、特にそれら銭貨埋没時の性格を深く反映させる遺失経過を分析検討し、その外見的特長を把握すると共に、類型設定を試みる。
Japanease Title 力石の考古学的検討 ―函南町仁田館遺跡出土「力石」の紹介を兼ねて―
English Title
Author
岩本 貴
Pages 101 - 110
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 江戸
文化財種別 考古資料
遺跡種別
遺物(材質分類) 石製品
学問種別 考古学
テーマ 文化系統
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Abstract 函南町仁田館遺跡の発掘調査では、力石を建物の基礎材に転用する事例が確認された。これは力石本来のあり方ではないものの興味深い事例のひとつであると言える。
筆者の調べによると、発掘調査等で確認された切付を持つ力石は4例あり、いずれも建物の基礎材に用いていることが確認できた。すなわち、建物の隅柱基礎材とするもの2例、階段親柱の据石とするもの1例、石垣に敷設された階段の基底部石組とするもの1例である。
力石を意図的に転用したかどうかについて積極的な議論ができる段階にないが、全国各地で確認されている力石を考えるにあたり、興味深い情報を含んでいることを提示した。
Japanease Title 藤枝市寺家前遺跡から出土した柄付き鉄製鎌について
English Title
Author
中川 律子
Pages 111 - 116
NAID
Prefecture Shizuoka Prefecture
Age 弥生
文化財種別 考古資料
遺跡種別 田畑
遺物(材質分類) 木製品 金属器
学問種別 考古学
テーマ 資料紹介
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wikipedia 出典テンプレート : {{Citation|first=律子|last=中川|contribution=藤枝市寺家前遺跡から出土した柄付き鉄製鎌について|title=静岡県埋蔵文化財調査研究所研究紀要|date=2011-01-31|url=https://sitereports.nabunken.go.jp/90640|location=静岡市駿河区谷田23-20|ncid=AN10278361|doi=10.24484/sitereports.90640|volume=17}} 閉じる
Abstract 静岡県中部の藤枝市、志太平野の北東部に所在する寺家前遺跡では弥生時代後期の集落跡と水田跡が見つかっている。山裾には竪穴住居があり、更に南側の低地部には水田跡が広がっている。水田は地形を上手く利用しながら、杭列・矢板を伴う大畔で区画され、更にその中には小さく区画された畔の跡が見つかっている。その杭列を伴う畔のひとつSK-6の南側から、柄に装着された鉄製の鎌が出土した。共伴する周辺の土器などから鎌は弥生時代後期のものである可能性が高まった。柄と刃が一体になって出土した弥生時代の鎌はこれまでに類例がなかった。新たな資料の発見により、鎌刃の装着方法や角度、鎌柄の構造などが徐々に解明されてくるであろう。
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