力石の考古学的検討 ―函南町仁田館遺跡出土「力石」の紹介を兼ねて―
岩本 貴
函南町仁田館遺跡の発掘調査では、力石を建物の基礎材に転用する事例が確認された。これは力石本来のあり方ではないものの興味深い事例のひとつであると言える。
筆者の調べによると、発掘調査等で確認された切付を持つ力石は4例あり、いずれも建物の基礎材に用いていることが確認できた。すなわち、建物の隅柱基礎材とするもの2例、階段親柱の据石とするもの1例、石垣に敷設された階段の基底部石組とするもの1例である。
力石を意図的に転用したかどうかについて積極的な議論ができる段階にないが、全国各地で確認されている力石を考えるにあたり、興味深い情報を含んでいることを提示した。
筆者の調べによると、発掘調査等で確認された切付を持つ力石は4例あり、いずれも建物の基礎材に用いていることが確認できた。すなわち、建物の隅柱基礎材とするもの2例、階段親柱の据石とするもの1例、石垣に敷設された階段の基底部石組とするもの1例である。
力石を意図的に転用したかどうかについて積極的な議論ができる段階にないが、全国各地で確認されている力石を考えるにあたり、興味深い情報を含んでいることを提示した。