静岡県下における19世紀鋳造銭貨の遺失経過について
岩名 建太郎
特定地域の貨幣の流通状況を通史的に追跡するために、比較的出土量に恵まれていて、流通が短期間に限定される特長的な貨幣種の事例を集成・分類し、一つの基準、モデルをつくり、他の貨幣種と比較する方法が考えられる。
日本列島のほぼ中部に位置する静岡県(旧遠江・駿河・伊豆3国)内において、近世銭貨の中で最も年代的に新しく、流通期間も比較的短い、19世紀に鋳造された銭貨である天保通寳と文久永寳の出土事例を集成し、特にそれら銭貨埋没時の性格を深く反映させる遺失経過を分析検討し、その外見的特長を把握すると共に、類型設定を試みる。
日本列島のほぼ中部に位置する静岡県(旧遠江・駿河・伊豆3国)内において、近世銭貨の中で最も年代的に新しく、流通期間も比較的短い、19世紀に鋳造された銭貨である天保通寳と文久永寳の出土事例を集成し、特にそれら銭貨埋没時の性格を深く反映させる遺失経過を分析検討し、その外見的特長を把握すると共に、類型設定を試みる。