上厚真遺跡
乾 哲也
奈良 智法
厚真川河口から約5.6kmの支流軽舞川との合流点に面した標高約17mの台地上に立地している。調査は、台地縁辺部の標高約13~17mの平坦面から斜面を幅約4m、総延長約37m調査した。遺構・遺物は斜面には少なく、標高約17m付近の平坦面に多く出土する傾向にある。特筆するものとしては、中世アイヌ文化期のⅢB-01とした遺物集中(送り場跡)が挙げられる。この遺構は灰集中・獣骨集中・貝殻集中で構成されており、貝殻集中はウバガイの集中である。本資料は当町で初例となり、厚真川下流域の海岸部に近い生業を知る貴重な手がかりとなった。