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研究紀要

URL https://sitereports.nabunken.go.jp/105408
引用表記 公益財団法人とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター 2014 『研究紀要』公益財団法人とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター
公益財団法人とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター 2014 『研究紀要』
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ファイル
書名 研究紀要
発行(管理)機関 (公財)とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター - 栃木県
書名かな けんきゅうきよう
副書名 とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター研究紀要
巻次 22
シリーズ名
シリーズ番号
編著者名
編集機関
公益財団法人とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター
発行機関
公益財団法人とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター
発行年月日 20140328
作成機関ID 09000-a
郵便番号 3290418
電話番号 0285448441
住所 栃木県下野市紫474
報告書種別
年報・紀要・研究論集・市史研究等・文化財だより
資料タイプ Research Paper
発掘調査報告 掲載されていない(発掘調査報告書総目録の掲載対象外)
所蔵大学(NCID)
JP番号
他の電子リソース
備考
所収論文
タイトル 栃木県出土早期縄文土器の胎土分析研究における土器型式の認定について
英語タイトル
著者
中村 信博 , NAKAMURA Nobuhiro
ページ範囲 1 - 5
NAID
都道府県 栃木県
時代 縄文
文化財種別 考古資料
遺跡種別 集落
遺物(材質分類) 土器
学問種別 考古学 文化財科学
テーマ 編年 素材分析
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約)  2011年刊行の本紀要第19号において、「栃木県縄紋時代草創期・早期土器の胎土分析(予察)」(小林謙一ほか2011)、翌年には、『国立歴史民俗博物館研究報告第172集』において「栃木県出土縄文早期土器の岩石学的手法による胎土分析」(河西学2012)の二つの論文が発表された。詳細についてはここでは触れないが、前者では、本県における草創期・早期土器の胎土の大局的な傾向が指摘され、さらに後者では花崗岩類主体の胎土の存在が明らかにされた。今後両論文の成果は、該期の基準的なデータとして活用されることが期待されるが、分析資料の土器型式の認定においていくつかの誤認等が認められた。その後、本紀要の編集に関わる塚本師也氏を介して両論文の執筆者間で協議が行われ、筆者が資料を再検討することになり、自身の視点で型式認定を行った。
 対象となるのは、両論文でともに「第3図」として掲載されている破壊資料の16点の土器で、本稿の第1図に転載したものである。検討は、図および河西氏から送付されたカラー写真をもとに行っており、現物を実見したうえでのものではない。扱われている遺跡は、以下の4遺跡である。
・宇都宮青陵高校地内遺跡(宇都宮市) 井草Ⅰ式期の集落。他に、井草Ⅱ式、夏島式、稲荷台式が出土。
・山崎北遺跡(宇都宮市) 夏島式期の集落。他に、少量の井草Ⅰ・Ⅱ式と多量の天矢場式が出土。
・市ノ塚遺跡(真岡市) 稲荷台式期の集落。他に、夏島式、稲荷原式が出土。
・間々田六本木遺跡(小山市) 夏島式期の集落。
 今回の検討を通して感じた問題点二つと、今後の展望を記してまとめとしたい。問題点の一つは、分析資料として適切な土器が選ばれていないという点である。宇都宮青陵高校地内遺跡は、今のところ本県では唯一の井草Ⅰ式期の集落遺跡であり、井草Ⅰ式の胎土分析には格好の資料が出土している。ところが分析資料には、明らかにⅠ式と認定できる口縁部破片が含まれていない。このため、少量出土している井草Ⅱ式と分離することができず、時期を限定できないのが残念である。二つめは、山崎北遺跡や市ノ塚遺跡の土器を井草式としており、型式認定に初歩的なミスが見られる点である。以上のようなことを避けるためにも、分析資料の選別にあたっては、該当する時期の研究者が一度は目を通すようにすることをお勧めしたい。
 一方、今回の河西論文で提唱された花崗岩類主体の胎土は、本県を含む北関東東部の撚糸文系土器群の特徴の一つが明らかにされたものとして、高く評価されるものである。石英や長石の粒を多く含むこの特徴的な胎土は、本県や茨城県の撚糸文土器ではよく目にするものであり、天矢場式に受け継がれる要素として筆者も注目してきたが(中村2002)、今回の河西氏の検討によりそれが科学的に明らかにされたことになる。今後の展望としては、撚糸文系土器群の各個型式について分析を行うことにより、この胎土がいつ成立し、いつ盛行するのか、さらにはその広がり(分布圏)が明らかにされることを期待したい。北関東の撚糸文文化は、石鏃・スクレイパー等の剥片石器や三角錐状石器を一定量保有するなど、石皿・スタンプ形石器主体の南関東とは異なる内容が予測されるが、花崗岩類主体の胎土を追及することにより、それが一層明確化する可能性があるからである。
タイトル 桧の木遺跡出土阿玉台式土器の胎土分析
英語タイトル
著者
河西 学 , KASAI Manabu
松本 建速 , MATSUMOTO Takehaya
市川 慎太郎 , ICHIKAWA Shintaro
中村 利広 , NAKAMURA Toshihiro
小林 謙一 , KOBAYASHI Ken‘ichi
塚本 師也 , TSUKAMOTO Moroya
ページ範囲 7 - 54
NAID
都道府県 栃木県
時代 縄文
文化財種別 考古資料
遺跡種別 集落
遺物(材質分類) 土器
学問種別 考古学 文化財科学
テーマ 素材分析 流通・経済史
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約)  桧の木遺跡出土の阿玉台式土器および同時期あるいはそれ以降の土器の胎土分析をおこなった。蛍光X線分析では、どの土器も安山岩~デイサイト質のSiの値を示し、地元地質との類似性が推定され、またFe、Tiが比較的高濃度であることから、土器に利用された泥質堆積物が狭義の花崗岩由来の可能性が低いことが推定された。これは、地元原料を用いた土器作りを支持する結果である。薄片による岩石鉱物分析では、全ての阿玉台式土器では黒雲母が検出されるが、黒雲母が多く含まれる土器では含砂率と重鉱物の割合が高く岩石では花崗岩類が多い傾向がある。一方、黒雲母が少ない阿玉台式では、含砂率と重鉱物の割合が低く、変質火山岩類や堆積岩が多く含まれる傾向が認められ、考古学的に在地土器が多いとされる大木系土器、加曽利EⅠ式、火炎系もしくは浄法寺類型などの胎土と共通性が認められた。さらにこれら変質火山岩類と堆積岩を伴う黒雲母が少ない阿玉台式土器は、岩石鉱物組成ばかりでなく元素組成のK/Si値の検討などからも地元地質と類似性が認められることから、地元原料と雲母や花崗岩類の混和材を混和しで製作された阿玉台式土器である可能性が推定された。
 この結果を受け今後は、地質条件の異なる他の地点において同様の分析を実施することで阿玉台式土器の混和が地元原料を用いて各地域でおこなわれていたことの普遍性を評価・検討する必要があると考える。阿玉台式土器の混和材である雲母や花崗岩類の由来についても花崗岩類岩体周辺の堆積物との比較により今後さらに検討していきたい。
タイトル 近接する遺跡間における同一年代の縄文土器の比較 栃木県益子町御霊前遺跡と茂木町桧の木遺跡の中期縄文土器を対象として
英語タイトル
著者
塚本 師也 , TSUKAMOTO Moroya
ページ範囲 55 - 68
NAID
都道府県 栃木県
時代 縄文
文化財種別 考古資料
遺跡種別 集落
遺物(材質分類) 土器
学問種別 考古学
テーマ 文化系統
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約)  縄文時代において、近接する遺跡で、全く同じ土器を製作・使用していたのか、遺跡毎に変異があったのかを確かめるために、2つの遺跡の同一年代の土器の比較を試みた。栃木県東部の八溝山地鶏足山塊西麓にあり、約12km離れた益子町御霊前遺跡と茂木町桧の木遺跡の中期中葉の阿玉台Ⅳ式期の土器を分析した。この時期、この地域では、土器の形態・装飾が複雑で、異系統の土器が複数存在するため、土器の差異を把握しやすいと考えたからである。両遺跡の出土土器を分類し、相互に比較したところ、阿玉台Ⅳ式の口縁部形態を持ち、体部を大木式的な沈線文で表現する土器と阿玉台式とは口縁部断面形態が異なる直線的に開く全面縄文施文の土器が、御霊前遺跡には一定量存在するのに対し、桧の木遺跡ではほとんど存在しないことが明らかになった。
タイトル 栃木県足利市樺崎渡戸須恵器窯跡の検討
英語タイトル Study about 7th-Century Kiln Site of Sue Pottary at Kabasaki Watado, Ashikaga City,Tochigi Prefecuture.
著者
内山 敏行 , UCHIYAMA Toshiyuki
ページ範囲 69 - 79
NAID
都道府県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 岐阜県 愛知県 大阪府
時代 古墳 飛鳥白鳳
文化財種別 考古資料
遺跡種別
遺物(材質分類) 土器
学問種別 考古学
テーマ 技法・技術 編年 文化系統
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約) 古墳時代終末期(7世紀前半)の樺崎渡戸窯跡の須恵器を分析する。甕の斜線文、瓶類の形状、燃料選択と自然釉の状況などからみて、畿内や東海に始発する系譜が主体である。群馬系工人は少数で、足利地域と群馬県東部の少し距離を置いた関係を示す。供給先は不詳だが、特定古墳群を中心として集落にも少量供給したと推定した。土師質板状品が仮に塼である場合は、近畿地方の流行を墓に採用していたことになる。
所収遺跡
要約

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