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文化財多言語化研究報告 > 4 号 > 多言語化プロジェクトにおける翻訳と編集: ワークフローの運営

多言語化プロジェクトにおける翻訳と編集: ワークフローの運営

リン リッグス ( 有限会社人文社会科学翻訳センター代表 )

Translating and Editing in English Text Production: Managing Work Flow

Lynne E. Riggs ( Center for Intercultural Communication )
リン リッグス 2024 「多言語化プロジェクトにおける翻訳と編集: ワークフローの運営」 『文化財多言語化研究報告』 文化財多言語化研究報告 https://sitereports.nabunken.go.jp/online-library/report/36

はじめに

 この5年間、観光庁・文化庁が、観光地における案内の多言語化を急ピッチで進めていますが、残念なのは、そこに、それより何十年も前から蓄積されてきた和英翻訳や日本紹介の英文出版の経験が生かしきれていないことです。私は20代のときに和英翻訳・英文編集の道に入り、以来70代半ばの現在までこの分野における経験の蓄積と人材の成長を見てきました。こうした経験と知恵が社会にもっと共有されていれば、今の時代に相応しい質の高い「多言語化」が、よりスムーズに行えるはずです。そこで今日は、「発信」プロジェクトを立ち上げる側の方々に理解しておいていただきたいことを、なるべく具体的にお話しして、一緒に考えてみたいと思います。

受信翻訳と発信翻訳

 翻訳には——私の造語ですが——「受信翻訳」と「発信翻訳」があり、両者の置かれた環境は同じではなく、大きく異なることを認識しなくてはなりません。日本語と英語の間の翻訳で言えば、「受信翻訳」は英和翻訳で、明治前後あたりからの長い歴史があります。翻訳には主に学者や作家などの知識人が携わり、欧米の学術・技術、文化を、多くは直訳調の訳文で紹介しました。読みにくい生硬な訳文でも、読者は我慢して読み、辛抱強くその意味を汲み取ろうとしました。翻訳によって、日本語自体も(賢明にも和文脈は保全しつつ)それまでの漢文脈から欧文脈へと変化していきました。「社会」や「自由」といった近代社会に必要な概念装備が翻訳語で急速に整備され、言文一致体も文学作品の翻訳の中から創り上げられていきました。国家的・国民的大事業だったと思います。

 一方、「発信翻訳」である和英翻訳は、日本側が海外に日本の学術や文化を紹介しようというもので、その多くは第二次大戦後から始まり、2010年くらいまでかなり盛んに行われてきました。「受信翻訳」に比べると量は圧倒的に少なく歴史も浅いのですが、そのレガシーはとても豊かで、貴重です。私が日本の和英翻訳会社に就職した1976年はその濫觴期の真っ只中で、とてもexcitingな時期でした。タイプライターと活版印刷の時代で、英文で日本を紹介する本——coffee table booksの豪華版、大学出版会からの学術的な本、ジャパノロジーによる日本文化紹介のシリーズ、日本的なものを海外生活に取り入れるための趣味的な本——等々、実に多彩でした。日本で英文出版をする出版社も活力がありました。日本人編集者と海外の編集者が、日本語と英語という大きく異なる言葉を前にして、文章の書き方、スタイル、内容の扱い方、グラフィック・デザインの技術など、いろいろと開発工夫して、日本の魅力を本というメディアに盛り込もうと苦闘していました。英和翻訳と違い、「定訳」などないに等しい世界ですし、厳密な形式に則った自然な英語でなければ到底受け入れてもらえない厳しい世界ですから、さながら開拓者のような気持ちで、一つ一つノウハウを積み上げ洗練させていきました。

 ところが、2010年頃から本格化してきたインターネット時代を迎えると、情報や知識がどんどんデジタル化される中で、本というメディアの衰退とともに、発信翻訳の職人的な経験とノウハウが、情報洪水の中で、埋没しつつあるような気がします。それは日本にとっても世界にとっても本当に勿体ないことです。すべての伝統的技能同様、私たちも発信翻訳の技能の継承発展に真剣に向き合わなければなりません。幸い、最盛期に育てられた翻訳者、編集者、グラフィック・デザイナーなどがまだ健在で、貴重な経験と知恵を保っています。今日お伝えできるのはそのわずか一部ですが、課題として与えられた和英翻訳のワークフローについてお話ししたいと思います。

発信先の読者を想定する

 まず基本中の基本として、コンテンツの提示方法、つまり情報加工の方針を、発信先の関心と出版標準に合わせなければなりません。情報を提供するとき、とくに学術的コンテンツの場合がそうですが、日本では「教科書型」が多い印象があります。網羅的に、かつ細密に情報提供しようとする傾向があります。日本の読者はそういう形式の情報を受け入れるのに慣れていますが、国際的には日本人向けに書かれた内容をそのまま翻訳するのは、ちょっと無理がある場合が多いのです。とりわけ日本の文化的事象を扱った本の場合がそうです。日本の教育を受けていない外国の読者のために、もっと親切に噛み砕いて、興味を持ってもらえるように伝える必要があります。日本流に言えば、「新書型」にして、と言ったらいいかもしれません。

 解説文を用意する際、まず外国人が何に興味を持つかを探る必要があります。相手の立場に立って、相手からどのような質問が出てくるだろうか、どういうことがわかりにくいだろうかと想像するのが大切です。誰でも新しい文物に触れるとき、そういう戸惑いの経験があるはずです。ですから賢明で真面目な外国人読者を多く獲得するためには、彼らの気持ちを汲むことがとても大事になってきます。

 もちろん相手を「子供扱い」して、簡単化しすぎるのはよくありませんし、日本を誇るような「上から目線」で語るのも、逆効果になる危険性があります。日本を含め世界中の国々には、それぞれ特徴のある素晴らしい文化が存在するという前提で語るのが基本です。

 情報の加工というのは、少しデリケートな問題で、どの言語に翻訳するかで異なってきます。英語にするのだったら、中国語にするのだったら、韓国語にするのだったら、どういう加工の仕方がふさわしいか、それぞれの文化圏にどうすれば効果的に受け入れられるかは微妙に違ってくるでしょう。たとえば、ある場合には文章の順番を入れ替えることで内容の伝わりやすさがぐんと上がります。日本特有の内容であれば、英語なら英語で、どうやってそれを読者に伝えるかを工夫する必要が出てきます。

発信翻訳は協力関係のたまもの


図1

 [図 1]は、私が携わった奈良の依水園という庭園の案内パンフレットの1頁です。日本語と英語のバイリンガル形式になっています。日本人には、この庭園をいつ誰が作って、茶室の名前は何であるかというような情報提供が欠かせませんが、外国人にとっては、この庭園にはどういう役割があったのかとか、庭石にはどういう石が使われているのかという話のほうが興味深いかもしれません。両方のバランスが求められています。

 このパンフレットはとても上手く作られています。右の頁では、この庭園の遣水について、訪れる人が水の音の違いに注意するよう紹介されています。 それぞれの場所で水の音が違うよ、とアピールしているわけです。日本文化の中でそういう美学があることを、とても興味深く紹介しています。ただ、翻訳するとき、私はこの庭園を実際に見たことがなかったので、写真だけを見て、流れがどこにあるのか、なかなかつかめませんでした。園の方に質問をして、歩く人と水、水と石との位置関係について何度も何度も聞かなければなりませんでした。幸い担当者の方は、面倒がらずに根気よく説明してくださいました。また、編集者とデザイナーとの協力関係がとてもよくて、コミュニケーションを密に取りながら、いろいろ補わないといけないことを理解してもらって、仕上げていきました。こうした良い協力関係こそ、生きた発信翻訳のための大切な土壌になると思っています。

和英翻訳と英和翻訳の違い

 日本では「翻訳」というと、おそらくご自分の経験から、学校での「英和」の学習を連想するかもしれません。日本の英和翻訳は、漢文の読み下しに似て、一種の定式があって、それに即して行われていますね。学校教育の和英翻訳も同じように、日本語を英語に置き換えていく定式的なテクニックが学ばれているのだと想像します。その結果、誰が訳してもさほど代わり映えのしない訳文がずらりと並ぶことになります。学校教育である以上やむを得ないのでしょうが、それは私たちがやろうとしている翻訳とは本質的に違います。日本からの発信翻訳というのは、ただの逐語訳ではとても通用しません。いろんなデリケートな調整が必要な作業になります。ですから、10人翻訳者がいれば10通りの大きく異なる訳文ができます。また翻訳者が作成した英語の文章は、編集者によって大きく修正されることがほとんどです。訳文に翻訳臭があるのは英語圏ではひどく嫌われますので、自然な英語として通用するように調整されます。そうしないと効果的な発信にはとてもならないのです。

 これまで携わってきた観光庁のプロジェクトの場合は、英語ネイティブの執筆者に最初から英語で原稿を書いてもらい、その英文原稿を調整・編集して仕上げるというやり方をしています。いろんな人が協働して情報加工に携わるわけですが、実際にやってみるとかなり難しい面があります。執筆者の日本理解や英語表現力が不足している場合もありますが、最大のネックは、発信母体の「地域」(美術館、観光推進協議会、市、町など)に英語や英語の表記ルールに通じている人が少ないことです。

 私は、翻訳者は言葉の職人の一人だと思っています。どんな注文にも対応できるような職人芸は、場数を踏む中で、いろんな人に直され教えられながら少しずつ身につけていくしかないものです。しかし言葉の世界はあまりにも豊かで深く、どこまでやっても一人で何でも完璧にこなせるというふうにはなりません。常に他の人たちの協力を仰がねばならないのです。そういうわけで、翻訳、とくに発信翻訳はチームプレイになります。何人が関わるかはプロジェクトによって異なりますが、以下、いくつかのワークフローについてご説明したいと思います。

本の原稿製作のワークフロー (Workflow 1)


図2

 本の原稿の翻訳・編集・出版までの手順は[図 2]に描かれています。これは、2016年に京都の日文研で行ったシンポジウム「翻訳の再評価:学問を深める原動力」のために作ってもらった図です。真ん中にマネージング・エディター(managing editor) がいますが、この人が組織を回していく中心人物で、どういう人がどういう作業に関わっているかを掌握し、段取りはどうするかなど、運営のすべてを取り仕切る人です。非常に重要なポジションで、基本的にはそのプロジェクトのすべての工程を自分でもこなすことができるだけの実力がある人材が理想です。やろうと思えば自分でもある程度できるかもしれないが、量が多すぎるし、ある役割については自分よりうまくできるエキスパートがいるので、そういう人たちを動員して、自分は運営役に回るわけです。マネージング・エディターが、翻訳者や編集者にうっかり経験が浅い人を使ってしまうと、そのしわ寄せは自分自身に重くのしかかってきます。やはり経験が豊かで信頼できる、いわゆるプロフェッショナルに依頼するのがプロジェクトを成功に導く最大の秘訣です。

 本の翻訳の場合、むろん最初の翻訳原稿の出来不出来が決定的です。しかし翻訳者から上がってくる英語には、本人は気がつかないかもしれませんが、どうしても翻訳臭がまとわりついています。また、英語として十分熟していない表現も多く残っています。エディター(編集者)(注1) に関わってもらうのはそのためです。英文出版では、エディターがかなり深く手を入れて編集するのが一般的です。編集段階が終わってreadableになった原稿は、次に翻訳チェッカーに回されます。チェッカーには英語に堪能な日本人が最適です。英語母語者の翻訳者やエディターは、どんなに日本語に堪能でも、日本語能力では日本語母語者にはとうてい及びません。翻訳チェックで、疑問や、誤訳・訳し漏れ等の指摘、コメント、修正案などいろいろ出てきますので、それらの問題は翻訳者とエディターにフィードバックされて一つ一つ検討され解決されます。そのあと校正(proofreading)の段階に入ります。校正もきわめて大事な関所で、最終工程ですので、どんな小さなミスも見逃さない鋭い細やかな注意力が要求されます。あとは出版前にデザイナー(designer) が必要です。以前は、印刷会社がデザインもやっていましたが、この15年くらいは専門のデザイナーが入ってレイアウトやフォントなどすべてを調整し、写真を組み込み、最終的なページ立てをします。そうしてようやく印刷会社に送られます。印刷会社にデザイナーがいる場合は、デザインと印刷を一緒に依頼することになりますが、日本の伝統的な印刷会社は、概してデザイン——とくに英文デザイン——には弱い印象があります。

 言うまでもなく、もっとも頭を悩ます現実的な問題はコスト、経理関係ですね。どのくらい翻訳者やエディターたちに支払えるか、予算を考えなければいけません。しかしここで最も注意すべきは、なるべく安く済ませようとして、安く済むところに安易に依頼することです。それをすると、まず確実に後悔する結果になると思います。これまで何度か、上がってきた翻訳原稿があまりよくないのでちょっと直してくれと頼まれ、見てみると、直しようがないほどの翻訳で、結局最初から訳し直したという苦い経験があります。

翻訳の正確さを担保する

 翻訳は読みやすさも重要な要素ですが、何を措いても内容が正確に移されていることが第一義です。この翻訳の正確さを担保するにはどうすればいいのでしょうか?翻訳チェッカーだけでは、専門的知識の話になったときに対応できないことが出てきます。マネージング・エディターに、プロジェクト内容についての専門知識があり、かつ英語能力の高い学芸員や大学の先生が就いた場合は理想的ですが、そうでない場合は、別途、翻訳者、エディターの質問に答えてくれる人を確保する必要があると思います。日本語は曖昧なところが多く、日本語の文脈にはすぐには見つけられない意味が潜んでいます。翻訳者とエディターは熟練した人ほど、そうした疑問をいろいろ持ちます。「ここで、『石』と言っているのは複数ですか単数ですか」とか、「『すばらしい』とありますが、どの程度のニュアンスでしょうか」とか、「『加藤家は江戸時代から続いています』というのは、何世紀のことですか」(江戸時代は265年続いたので)とか、そうしたいろんな質問に答えられる人がどうしても必要になります。

  このように、翻訳プロジェクトには多くの人たちが関わってきますので、これをコーディネートして、協働的に翻訳を仕上げていけるようにするのは、結構骨が折れる「人間力」が試される仕事です。しかしその骨折りがいあって、よい協力関係をうまく築けると、プロジェクト・メンバー全員に頑張ろうという気持ちが行き渡り、その結果質の高い本が出来上がって、全員がやりがいを感じることができます。

解説文のワークフロー (Workflow 2)


 図3

 本ではなく、たとえば文化財の解説文のような場合は、多分[図3]のようなワークフローになると思います。この場合、マネージング・エディターは、執筆者や翻訳者が作成した原稿をエディターに渡し、よりスムーズに読める文章に編集してもらいます。この段階でファクト・チェックも行われます。エディターがそれを行えば一番効率的ですが、それを可能にするためには、エディターの手元に参考資料が十分に備わっていることが必要です。和英翻訳においては、難しい人名、地名の読み方、年号の確認、専門的な建築用語など、言語・事実関係の問題以外にも、歴史的人物の紹介をどのように行うか、植物の名前の表記に日本語名が必要かどうかなど、実に多くの判断を迫られます。そういうときの原則は、想定読者の立場に立ち、想像力を働かせて判断することです。海外からのほとんどの観光客に日本では常識とされている知識を期待することはできません。「室町時代」はいつの時代か、まずわからないと思ったほうがいいでしょう。

 エディターには全体の英文スタイルを統一する役割が課せられます。たとえば歌舞伎と舞楽と雅楽と能が出てきたときに、その表記をKabuki/Bugaku/Gagaku/Nohにするのか、kabuki/bugaku/gagaku/noのように小文字のイタリック体にするのか、どちらがこのプロジェクトにふさわしいか決める知識と判断力をエディターは持っています。英語では、大文字・小文字・イタリック体などのスタイルにはそれぞれTPOがあって、そぐわないTPOで不適切なスタイルを適用すると、大きな違和感を醸してしまいます。また小見出しも重要で、その巧拙は、解説文の理解しやすさを大きく左右します。句読法(punctuation) が正しくないと文章は誤解されることがあります。翻訳者の一番の責任は日本語原文の内容を正確に伝えることですが、エディターは、このように読者の立場に立って、わかりにくい言い回しや曖昧な表現を直したり、スタイルを整えたりする責任を果たします。

 ドラフト原稿ができたら、マネージング・エディターがそれを確認します。必ずと言っていいほど翻訳者/エディターからの質問がついています。その質問に答えられる監修者、その分野の専門家などに見てもらって、一つ一つ問題を解決していきます。その後、エディター、時には執筆者にまでフィードバックして確認されます。またこの段階でもさらなる推敲が重ねられ、最終原稿として仕上げられます。

 次に、ページ・レイアウトやウェブ上のデザイン、あるいは解説板にするためのグラフィック・デザイン作業に入ります。英文原稿がデザインに流し込まれるときに危険が潜んでいますのでぜひ注意してください。英語の文章は英語のデジタル環境で作成されていますが、そのデータを日本語のデジタル環境で開いて操作しますと、いろいろ不備が出てくる可能性があるのです。この問題が詳しく説明されている記事がありますので、お読みいただけると幸いです。(「英文表記、忘れてはならない“6つのルール”」 )

 デザイン案ができたら、担当者が、英文原稿のデータと比べて問題がないか確認します。日本では英文のデザインにあまり経験がないデザイナーが多いので、「おまかせ」は禁物です。文字化けがないか、段落スタイルは正しいか、右端のハイフネーションは正しいかなど、いろいろ細かなチェック項目があるので、そうした作業に慣れた校正者が必要です。この段階で、再度エディターに対して、「これはテキストが長すぎるので削ってほしい」とか、「70ワードを50ワードにしてほしい」とか、「ここの題名は日本語の題名に合わないので再考してほしい」などの要望が出てくることもあります。エディターは「ではこういうふうにしたらいかがでしょう」と提案します。それをマネージング・エディターが確認して、いいかどうか判断し、駄目だったらもう一回頼む。こうしたやり取りは何回もあり得ることです。前に触れた依水園のパンフレットは、デザイナーと翻訳者の間で5回ぐらいやり取りがあって、やっと皆さんが満足できるものができました。

「全員がプロ」版ワークフロー(Workflow 3)

 これまでお話したワークフローは複雑で、これは大変だと思われるかもしれません。その通り実際大変なのですが、各メンバーが初対面の場合はとくににそうです。それでも全員がプロで、ワークフローはこういうものだと心得ていれば、スムーズに行えるものです。そこがプロのプロたる所以でもあります。そういうプロチームが組めれば、時間もお金も効率的に使えます。プロジェクトの内容に詳しいマネージング・エディター、内容に精通した経験の深い翻訳者/執筆者、日本語をよく理解し英語編集が達者なエディターがチームを組めば、もう半分は成功が約束されたようなものです。ではどうやってこのような人材を見つけるのかについては後で触れたいと思います。

 この場合は、[図4]のように、これまでのものと似た流れになりますが、ペースが断然違います。実際にこのやり方で、ある大手企業のバイリンガルの季刊PR誌は、約2週間で翻訳・編集・校正のすべてを完成させ、それをもう10年間以上継続しています。


図4

マネージング・エディターの責任

 1)解説文作成前の下準備

 マネージング・エディター(担当者)の仕事を、多言語化プロジェクトを例にしてご説明します。大きく言って、1)解説文作成前の下準備、2)翻訳者/執筆者の選定、3)プロジェクトの運営管理・連絡の3つがあります。1)の「解説文作成前の下準備」というのは、これをきちんとやってもらえれば、翻訳者/執筆者にとってとてもありがたいものです。これがあるとないとでは、後の作業効率に雲泥の差が生じます。翻訳者/執筆者が困るであろうことを先廻りして把握し、処理しやすいように下準備しておく作業です。要は、この文章の内容が多言語化されたときに、はたして海外の読者にとって理解しやすい魅力あるものになるだろうかという視点でテキスト批判を行い、前もって調整しておくことです。

 たとえば、昨日編集した美術館図録の解説文の中には、「戦国の世」、「大和絵風」、「近世的な性格」、「築地塀」、「秋草」、「四君子」のような言葉が出てきました。これらは多分補足説明がないと、外国人読者にはわからないと思います。戦国の世とはいつの時代で何が行われていたのかとか、大和絵風って言われても、大和絵ってそもそも何ですかという質問が当然予想されます。「近世的性格」というのは日本の近世がわかる人だったらいいのですけど、ほとんどの外国人は多分理解できないと思います。「秋草」にしても、日本では大体決まったイメージですが、オーストラリアから来た人にはそのイメージは伝わりません。「四君子」はまったく理解されないでしょうから、補助説明が必要です。解説文作成のプロセスを効率化するために、元の原稿や資料を準備する際、翻訳者/執筆者が必要とする情報をコメントとして付加したり、脚注をつけたり、文中にメモを挿入しておいていただければ、大助かりなのです。それがないと、翻訳者/執筆者は、そのたびごとに仕事の手を止めて、リサーチに多くの労力を割かなければならなくなります。また(名前などの)漢字の特殊な読み方にはふりがなを、分かりにくい言葉や専門的概念等には簡単な説明をつけておいてくだされば、多くの時間と労力が節約できます。ネットに出ているような有名な固有名詞はそんなに手間はかかりませんが、ローカルのもの、有名ではない人物の名前や地名などは、日本語の文章の中では読者が読めても読めなくても構わないという態度が許されても、英文ではそうはいきません。難しい概念などは、参考になるリンクを張るなどして、補足情報を与えてくださると本当にありがたいです。また、とくに美術品・工芸品・建築物等の文化財については、ビジュアル資料があれば、非常に参考になります。

 1970年代、「原稿」は手書きでしたが、現在はほとんどMicrosoft Wordのファイルになります。今の私たち翻訳者・編集者の間では、そのWordファイルの中でコメントし合ったり、編集・修正を履歴変更で見せ合ったりしながら、協働で仕上げていきますので、そのやり方にも慣れていただければと思います。

 次にデザイン関係のことも、最初から考えておくべきです。たとえば依水園のパンフレットでは、最初から英文は何ワードにしてほしいと指定されました。どのようなレイアウト、テキスト・ボックスになっているのか、ウェブ上に出す場合は、どのようなレイアウトとして準備するのか、それらを前もって考えておくと、お互いの効率が上がります。

 さらにスタイルシートも準備していただきたいものの一つです。千曲川をChikumagawa riverにするのか、Chikuma Riverにするのか、また 能をnō、Noh、nohのどのスタイルにするのか——こうした表記、用語、スタイルの統一のための指示がないと、とくに多人数の翻訳者/執筆者が関わるプロジェクトでは混乱が必至となります。後で紹介しますが、観光庁の多言語プロジェクトでは、70ページものスタイルシートを開発して、毎年のプロジェクトごとに、前年の反省点を反映させて改訂しています。小さい組織でもこのようなスタイルシートを持っていれば、どの翻訳/編集の作業を頼むときにも重宝しますし、引き継ぎのときにも次の担当の人に渡すようにすれば継続性が保たれます。

 2)翻訳者/執筆者の選定

 結論から言えば、経験と評判が確かなプロを使うに越したことはありません。たまたま同じ職場に勤めている外国人とか、まだ日本での経験が浅い人とか、「ネイティブ」だからできるだろうなどと考えるのは、危険です。いわゆる「ネイティブ・スピーカー」であっても、英語は話せるかもしれないけれど、出版に堪える英文が書ける人は実は多くないのです。とくに日本や日本語を深く知っており、かつ英語もきちんと書ける人材となると、もっと限られます。さらに翻訳者は、日本語の曖昧なところ、文章の背後にある論理、言葉のニュアンスを嗅ぎ分ける力がなければなりません。それができるようになるには、そもそも向き不向きがありますが、素質があってもある程度の翻訳/執筆経験(5年では足らないかもしれません)が必要ではないでしょうか。海外にいる人でもいいのですが、日本にある程度住み、日本人の生活や文化に直に触れた経験を積んだ人がもっといいのは言うまでもありません。そして、文化財関連の翻訳/執筆には、日本の歴史・文化・社会に明るい人でなければ、とてもその任に堪えられるものではありません。ただ日本のアニメやオタクカルチャーが好きだから日本に来たという人に、すぐに上手な翻訳/執筆を期待することはとうていできません。日本語能力と日本についての知識・洞察の両方が必須です。

 では、翻訳の技倆をどうやって判断するかですが、翻訳者の「検定試験」みたいなものはありません。JLPT試験で点数は高いからいいというわけでもないです。私がお勧めしたいのは、信用ある人からの推薦をもらうか、プロジェクトのための翻訳ができるかどうか、原文(日本語)の一部を翻訳してもらって、自分の目で確かめてから判断することです。いきなりよく知らない翻訳会社に全部依頼するのは賢明な方法ではありません。

 よくない翻訳者に依頼すると、誤訳が多かったり、抜かしたり、自分勝手な解釈を加えたり、とても使い物にならないような惨憺たる結果を招きかねません。このように、翻訳者/執筆者選びは何よりも重要なパートです。そして翻訳者/執筆者に仕事を依頼するとき、担当の方は、どれだけのwork load(仕事量)があるかを正確に知って伝える必要があります。翻訳者/執筆者は、それを聞いて、自分のスケジュールの中でこなせる分量であるかどうかを判断しなければならないからです。

 3)プロジェクトの運営管理・連絡

 マネージング・エディターに責任があるもう一つのことは、スケジュール管理です。翻訳/執筆・編集・校正にそれぞれどれくらいの時間がかかるかを大雑把に見積もることができなければなりません。時々驚くほど短い期間に本を1冊翻訳してほしいという依頼が来ることがありますが、良心的な翻訳者/執筆者であれば確実に断るでしょう。ですから、十分な時間をもらって、先程の複雑な段取りに備えていろいろ考えて置かなければなりません。美術館図録の場合は展覧会に間に合うように、短時間で作成しなければならないことが多いので、周到な下準備が必要です。論文と作品解説は、白黒ページの場合であれば、締切間際になってもいいが、カラーページが先になるケースがあるので、そちらを翻訳者に先にしてもらうなどの配慮をしなければなりません。そして、マネージング・エディターは数多くのファイルの管理と、いつ翻訳者から返ってきて、いつ自分が確認して、いつチェッカーに出すのか、そういうことも考えないといけないですね。たとえば観光庁のプロジェクトでは、翻訳によるのではなくて、執筆者が最初から英語で解説文を起こすという作業をします。それが15のステップを経て、解説文が出来上がります。下準備(勉強)して、取材して、文章を書いて、編集して、校閲して、完成したドラフトを地域とか博物館などに見せて、「違う」とか「こういうふうにしてほしい」と指摘されたところをまたテキストに反映させて、英語をさらに推敲して、等々、何週間も掛かるプロセスになるのです。ですから、あるファイルが今どの工程にあるのか管理するだけでも大変です。

おわりに一言

 最後に、和英翻訳について一つ申し上げたいことがあります。日本はこれから、和英翻訳・多言語化のためのエキスパート人材がますます必要とされてくるのではないかと思います。日本の経済・産業の重心が「ものづくり」からエンターテインメント、観光、文化、サービス業にシフトしていく時代になっていて、そうなるとこれまで日本語で説明してきたことを多言語、とくに英語で紹介しなければならなくなります。来日する外国の人たちに対していろいろ知ってもらう、理解してもらう、動いてもらうために、翻訳・英文校閲のための人材育成はとても大切な課題になるはずです。

 日本の英語教育では、コミュニケーション能力が強調されてはいますが、和英翻訳に通ずるような教育にはなっていないのではないでしょうか。日本の大学においても実際の翻訳を教えているところはほとんどないと思います。もっとも、和英翻訳が1年か2年勉強したからといって簡単にマスターできるようなものではないのは自分の経験からもわかります。日本語と英語の両方を深く理解して、その「変換操作」ができるためには、基礎知識の上に長年の実地の翻訳経験を積む必要があります。例外的に能力の高い人は10–15年で上手になりますが、私の場合は20年以上かかりました。ですから30年以上の翻訳経験というのは、多分一番信用できる能力保証になるでしょう。

 今の情報時代には外国語をマスターするペースは早まると思いますが、経験の浅い翻訳者はやはり未熟ですから、彼らにチャンスを与え、経験者と組んでもらってスキルを覚えてもらい成長できるようにしていくプログラムが必要だと痛感しています。また日本人で和英翻訳事情に通じた人材を各組織で工夫して育てていくということも大切ですね。

 今盛んに期待されているChatGPT、DeepLなどのAI翻訳は、あくまでも補助的なツールにすぎません。やはり機械ですから、「意味」を汲み取って翻訳しているわけではないので、型にはまった文章ならうまく翻訳できますが、複雑なことを述べた文章や、読む人の心に触れる文章というのは最初から無理な注文になります。(何度か試してみてそう確信しました。)それよりも貴重な人材を、時間をかけて育てていくほうが、日本社会の文化度をますます高めることにつながると思います。機械的にやろうとせずに、翻訳を自分たちの創造の芽にしつつ、自分たちが大事にしている文化を世界によりよく理解をしてもらえるように、ご尽力いただければと願っています。

* * *

Q&Aからの抜粋

Q1:

私は美術館に勤務しているので、博物館と少し状況が違うかもしれないんですが、今先生のお話を聞いて、外国人の方がそもそも違うというところに興味を持っています。つまり、日本人が欲しがる解説と多分違うっていうところが、すごく面白いところで気になったんですが、でもそこで私たち日本人が、外国の方がどういうところを面白いって思うかを想像するのが結構難しいなと思ったんですね。そういうところはどういうふうに考えたらいいのかとか、もしくはそこは外国人の方に実際に聞いたほうがいいのかとか、何かその点についてアドバイスいただけますか。

A1:

外国人が何を面白いと思うのかを想像するのはとても大事ですけど、美術館でしたらアンケート調査ができるんですよね、見に来る方々に。時々でもいいので調査をして、この絵は何が一番面白かったかとか、この仏像でどういうところに惹かれたのかとか、調査をやっていただくと、自分たちにも発見があると思います。観光庁が翻訳によるのではなく、ライターによる英語から起こすことにしたのは、まさに外国人の視点を生かそうと思ったからです。外国人がそのサイトを見て、何を面白がるかをそのライターが代弁するのです。自分が一番興味を持ったところ、たとえばお寺に行ってどういうところが面白かったのか——木組みがすごく面白かったとか、あるいは建物と庭園の配置が面白かったとか、日本人とはちょっと違うところを見るはずで、それを代行するわけですね。私はたとえば先程お話した依水園の場合でも、元々日本庭園が大好きでよく庭園に行くんですが、やはり外国人の目でその魅力を見ていると思います。だから翻訳者は、日本人が書いた記事でも、そういうところにも配慮して翻訳してくれるはずですけどね。翻訳者とエディターは、ですね。

Q2:

翻訳者とか編集者とかはだいたい想像がつくんですけれども、まだあまりデザインというところを考えてなかったのですが、そういうことができる方というのは、どういうところにいらっしゃるものなんでしょう。

A2:

「デザイン会社」というのがあります。大きいところは多くが日本向けの出版を専門としていますが、英文関係のグラフィック・デザイン会社は、大体、以前英文出版社で経験を積んだスタッフを中心にやっている小さな会社です。1970年代から日本で英文の本を専門に出した出版社は4つありました(Kodansha International, Tuttle, Weatherhill, University of Tokyo Press)。そういうところでは、英文レイアウトやタイポグラフィを身に着けたプロのデザイナーが、今若い世代のデザイナーを育てています。私が知っている範囲では、博物館・美術館、大きな企業や広告会社は、そういうデザイン専門の会社を使っています。そしてそのデザイン会社は、プロの翻訳者やエディターのネットワークを持っているようです。

 ある程度英文レイアウト・英文デザインに慣れているデザイン会社に、翻訳と校閲とデザインと校正の全部を一括して委託することは可能です。ただそれはコスト的に少し高くなるかもしれません。小さなデザイン会社もフリーランスのデザイナーも日本中に存在していて、その中には英文を扱う技術を持つ方もおられます。ただその方たちは、東京に集中しているため、地方では、いても見つけにくいかもしれませんね。

Q3:

中部地方の県におりますので・・・。あまり聞いたことがなかったものですから。

A3:

きっと日本中にデザイナーがいると思います。見つけにくいのは確かです。やっぱりネットワークが大事ですね。皆さんにも関わると思うんですけど、どうやって自分が必要とするプロフェッショナルな人材を確保できるのか、やはりこういう翻訳とか発信とか関わったことある方や使える人を見つけるネットワークを作る必要があるかと思います。畳屋さんとか表具店、大工さんを見つけるのは比較的簡単ですね。同じように、多言語発信に必要な「職人」がどこにいるのかわかるようにすることが必要です。何十年もこの職業に携わってきた中で、いろいろなデザイナーに出会っていますが、やはりいろんな人がいて、一人は和歌山県の山奥に住んでいるし、もう一人は東京の一流会社から瀬戸内海の島に移って仕事を続けています。

Q4:

中部地方の県の観光客向けの新しい小さい施設なんですけど、今回の先生のお話を伺っていて、立ち上げのときに翻訳の作業をして苦労したことをあれこれ思い出しました。いろいろあったんですけど、ちょっとこちらの施設はライトな軽い感じの施設っていうことで、音声ガイドにも力を入れているんですが、今回の研修とひょっとしたら目的が違うかもしれないんですが、音声ガイドの多言語化にあたって注意することとか、やり方の流れとかっていうのは、今お伺いした文章として見せる場合と似たような部分もあるのか、違うから気をつけた方がいいことがあるかっていうのをお伺いできればと思います。

A4:

ありますね。観光庁のプロジェクトにも、オーディオガイド(音声ガイド)の分野が入っていまして、そのプロジェクトのスタイルマニュアルに、少し役に立つ情報があるかと思います(2022版のp. 17参照、https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/content/001473801.pdf)。音声ガイドの場合は耳からの情報ですので、あまり馴染みのない言葉をたくさん入れると聞いている人がわからなくなるので、とくに専門的な日本の歴史の複雑な話は、わかりやすく聞けるように分量を調整することとか、録音する時にそのナレーションを読む方に、読み方を指定することも大事ですね。日本語の変な発音にならないように、たとえば日本語の地名とか名前がちゃんと正しく発音できるようにすべきです。それと、出来上がったものを外国人が自然に聞けるかどうか一回テストすることも大事ですね。


 また、オーディオガイドだからといって、口語的なくだけた表現にするのは避けるべきですし、主観的な表現も避けたほうがいいですね。目の前に見ているものの説明になるような、客観的な情報提供に徹するのがいいと思います。

Q5:

当館はなかなか予算が足りなくてチェックしきれなくて、英語ならまだ職員でもできるけど、もう中国語・韓国語ってなると業者さんにお任せみたいになっちゃったなと思いました。

A5:

そのネットワークを作るのもお勧めしますね。そちらの周りの地域に誰かボランティアでもいいから自分たちのやろうとしていることを支えてくれる方を見つけて、ネットワークを作ると心強くなります。たとえば地域にはきっと中国人の方が住んでいらっしゃるでしょうし、韓国人も住んでらっしゃるでしょうから、そういう方々にアピールして、こういうものを作ろうとしているんだけど、より良くするためにはフィードバックをいただけないかとか。とにかく私も長年ネットワーク作りに努めてきまして、SWETの会っていうのがあるんですけど、SWETというのはSociety of Writers, Editors, and Translators のことです。多くのメンバーは日本で翻訳したり、編集したり、日本について執筆したりしている人たちで外国人が多いけど、日本人もいます。そのネットワークは、誰がどういう仕事をしているかを知るための組織で、全部ボランティアで、互いに情報交換したり、仕事を手伝い合ったり、そういうことをやっています。1980年に創立された会ですので、もう43年目になります。ベテランもいますし、ウェブ・SNSメデイアに慣れた若い世代もいます。ネットワーキングは長年やっていると非常に役に立ちます。


(注1)「編集者」は日本の出版界ではいくつかのタイプがあるようですが、英語圏で「エディター」が行う作業はかなり違いますので、ここでは「エディター」を使います。


リン・E・リッグス

東京在住の翻訳者・校閲者。武智学氏とともに設立した翻訳会社、人文社会科学翻訳センター(CIC)にて主にノンフィクション作品を翻訳。(主要翻訳業績については、www.cichonyaku.com を参照。)2023年からセンター代表。2019年度から観光庁の「地域観光資源の多言語解説整備支援事業https://www.mlit.go.jp/kankocho/jirei_shien/tagengo_eng.html」において解説文スタイルチェック・チームを組んで、事業のQCに携わる。1997年から2009年まで、上智大学のMonumenta Nipponicaのマネージング・エディターを務める。2000年より2015年まで、国際基督教大学で日英翻訳の授業を担当。SWET (Society of Writers, Editors, and Translators. https://www.swet.jp/) の設立メンバーとして、2004年から2012年までSWET News Letterの編集、2014年から現在まで、同会のWeb版会誌の監修に携わる。

この報告に含まれている図2, 3, 4はStuart Ayre(https://www.stuart-ayre.com/)によるものです。

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NAID :
都道府県 : 東京都
時代 :
文化財種別 :
史跡・遺跡種別 :
遺物(材質分類) :
学問種別 :
テーマ : 事業報告
キーワード : 和英翻訳 英文校閲 解説文作成 発信翻訳 受信翻訳
データ権利者 : リン・リッグス
総覧登録日 : 2024-03-26
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