災害時の文化財保護-阪神・淡路大震災からの取組み-
On the Preservation of the Cultural Heritage in Disaster
渡辺 伸行
( WATANABE Nobuyuki )
阪神・淡路大震災のときに始まった文化財保護の取組みを、文化財の種別ごとに紹介する。震災復興事業と共に行われた埋蔵文化財調査、被災建物から歴史資料をレスキューする史料ネット、歴史的建造物保存に携わるヘリテージマネジャー、名勝庭園・天然記念物樹木のヘリテージマネジャー会の設立である。その後の地震・水害被災地の文化財保護、レスキューに阪神・淡路大震災の取組みが継承され、災害時の文化財保護が整備された足跡を辿り、災害時の文化財保護の課題について触れる。