新薬師寺に所在する実忠和尚 御歯塔の造立年代について
荒木 徳人
新薬師寺には奈良時代に多くの功績を挙げた僧侶、実忠和尚の歯塔が所在する。この石塔は過去に修復された痕跡があり、造立当初の形は残っていないが、石材や様式など一部、古代石塔の特徴が見られたため、造立年代を推定するため学際的アプローチによる調査を行なった。その結果、文化 13 年、明治 31 年に修復されたことが明らかとなり、平安時代に造立された可能性も示唆することができた。