沖縄県うるま市沿岸に設置された護岸の銃座 の調査
Survey of Rifle Pits constructed along the coast of Uruma City, Okinawa Prefecture
横 尾 昌 樹
( YOKOO Masaki )
仲 田 眞一郎
( NAKADA Shinichiro )
本稿は、沖縄県うるま市具志川地域の沿岸に位置する太平洋戦争期の遺跡である護岸の銃座の調査成果をまとめたものである。調査では、考古学的調査手法により遺構調査を実施し、銃座の形態的特徴及び遺跡全域における銃座の設置箇所の傾向が明らかとなった。また護岸の後方に掩体壕を掘ったという情報が得られていたため、試掘調査を実施した結果、銃座に伴って地中を円形に掘った掩体壕を検出することができた。さらに銃座が形成された当時の状況を把握するために地域住民への聞き取り調査を実施し、地域における戦争への動員について整理することができた。両調査手法によって得られた情報を整合し、戦時中の時間的推移を整理することができ、戦前から戦後にかけてこの地域で起きていた出来事が明らかとなった。