愛鷹・箱根山麓の旧石器時代14C年代の集成と検討
三好 元樹
14C年代測定法は絶対年代を明らかにする最も一般的な方法といえ、AMS法や年代較正の発達によって、その有効性が高まっている。本論では愛鷹・箱根山麓の旧石器時代14C年代を集成して検討を行った。各層位の年代測定の現状を把握したうえで、測定結果が多いSCⅢ~BBⅠについては想定される14C年代値を示した。BBⅥでは分析機関により測定結果にずれがある可能性が明らかになった。この問題は、これまでなされた、そしてこれからなされる14C年代測定結果の有効性を揺るがす大きな問題であり、原因の解明が急がれる。仮定的ではあるが、SCⅢ~BBⅠについてはCalPal-2007Huluを用いて較正年代を明らかにした。だが、本論で示された較正年代は他地域の編年やATの年代とずれがあることが分かった。