愛媛県内における曲刃鎌の生産とその展開
石貫 弘泰
愛媛県内で出土した曲刃鎌のうち、主に6世紀代の乙技法曲刃鎌を中心に、機能的属性と形態的属性の2つの視点から分類をおこなった。機能的属性からは曲刃鎌製作における規格性の存在を指摘し、形態的属性からは曲刃鎌製作工人集団差を指摘した。この「規格性」と「製作工人集団差」をもとに、愛媛県内における6世紀の曲刃鎌製作は、今治平野を中心に、県内の小地域間で活発な技術的な交流と生産がおこなわれていたと結論づけた。