鍬の機能に関する基礎的研究
樋上 昇
本稿では伊勢湾周辺地域における、弥生~古墳時代の鍬の編年作業をおこなった。さらに、これらの鍬の刃部幅・柄の装着角度を検討した結果、民具学的な機能分化には必ずしも適合しないことがわかった。おそらく弥生時代の鍬は使用者≒製作者の関係にあるため、個人の身体的特徴や作業姿勢の違い(好み)によってバラつきが認められる。半完成品が広域に流通する古墳初頭以降、急速に規格化が進み、その結果、機能による鍬の細分化が成立したものと考えた。ただし、民具学的な器種分化はさらに後のことであり、その萌芽は直柄風呂鍬が出現する古墳後期であると推定した。
NAID :
文化財種別
考古資料
史跡・遺跡種別
遺物(材質分類)
木製品
学問種別
考古学
テーマ
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Created Date :
2021-11-26
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