祭祀考古学の基礎的研究再論-古墳時代に於ける祭祀考古学研究の関連諸学援用について-
SHINOHARA Yuichi
( 篠原 祐一 )
遺跡・遺物の解釈に、根拠のない「祭祀」の文字が横行している。一部の考古学研究者は、物証史学という呪言を唱えながら、それを放棄して祭祀の言葉に鎚っているかの様でもある。そして、呪言を唱える人々が去ったあとには、祭記考古学への言われない揶揄の声だけが残されている。何故、祭祀や信仰というだけで考古学を忘れてしまうのであろうか。
本論は、前段として祭祀遺物の石製模造品を「遺物」として分析するところから始まっている。そのため、本論だけに目をとおされた場合、誤解を生ずる可能性がある。あくまでも、考古学的方法論に立脚した上で、解釈に関連諸学を援用すべしが趣旨である。本論の目的は、使用頻度の高い民俗学と上代文学の例を提示し、祭祀考古学の基礎的研究を再確認するものである。
本論は、前段として祭祀遺物の石製模造品を「遺物」として分析するところから始まっている。そのため、本論だけに目をとおされた場合、誤解を生ずる可能性がある。あくまでも、考古学的方法論に立脚した上で、解釈に関連諸学を援用すべしが趣旨である。本論の目的は、使用頻度の高い民俗学と上代文学の例を提示し、祭祀考古学の基礎的研究を再確認するものである。