秋田蘭画における彩色表現の特質 ー佐竹曙山筆「岩に牡丹図」と小田野直武筆「獅子図」の検証からー
Pigments used by Akita-ranga, a School of Western Style PaintingーIn particular, Prussian Blue
勝盛 典子
( Katsumori Noriko )
朽津 信明
( Kuchitsu Nobuaki )
プルシアンブルーの初期使用例である平賀源内 (1728~79)、佐竹曙山 (1748~85)、小田野直武 (1749~80) の画業についての考察を深めるために、2006年から継続的に実施してきた秋田蘭画にかかわる調査結果に基づき、2011年以降の調査対象の作品のうち、佐竹曙山筆「岩に牡丹図」と小田野直武筆「獅子図」の分析調査の結果を検証し、「岩に牡丹図」の考察から、曙山が顔料と染料の両方の性質をもつプルシアンブルーの特質を生かした複雑で多彩な使用法を実践してこの新しい絵具に先駆的に取り組んでいたことを、確認した。また、「獅子図」の分析結果からは少量のプルシアンブルーの使用が推測でき、直武と源内にとって実験的で初期の作品であることを裏付けた。
勝盛典子,朽津信明 2013「秋田蘭画における彩色表現の特質 ー佐竹曙山筆「岩に牡丹図」と小田野直武筆「獅子図」の検証からー」 『神戸市立博物館研究紀要』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/19948
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