桜井古墳と大和王権
大塚 初重
桜井古墳は、東北地方の主要な前方後円(方)墳の中にあっても、築造年代が比較的古い古墳の一例であると推察され、前方後円墳をめぐる東北地方各地での新状況の変化からも東北各地における古墳出現期に前方後方墳が圧倒的に主流だったことが確実になってきている。桜井古墳の存在は、この地域の有力首長が大和王権の前進拠点でもあった東海地方の首長層と、政治的な関係を保っていたと証あであり、原町市一体が政治的な機構に関係し始めた時と考えられる。