白頭山ミレニアム噴火が古代日本の歴史に与えた影響
The Impact of Baitoushan Millennium Eruption on Ancient Japanese History
谷口 宏充
( TANIGUCHI Hiromitsu )
中国と北朝鮮の国境に位置する白頭山では、9世紀中葉から10世紀の946年~947年にかけて断続的に巨大噴火(ミレニアム噴火)が発生した。このミレニアム噴火が周辺にある日本、中国東北部や朝鮮の歴史に対してどのような影響を与えたのか、主として古文書をもとに検討を試みた。その結果、これらの周辺地域の歴史に対しては以下の二点で大きな影響が推定された。平安時代初期から中期にかけての主として京都における自然界での異変(陽や月の色、雷のような大音)や人間界での異変(咳逆病・眼病などの疫病や飢饉など)の発生は多量の火山灰の降下で説明される。その結果として生まれた混乱状況を打破しようとした京都祇園祭はミレニアム噴火によると言っても言い過ぎではないであろう。さらに、同じころ満州や朝鮮北部ではミレニアム噴火によって多くの集落が消滅している。この被災地域に住んでいた女真族は生活を続けることが出来なくなり、他地域への侵攻を取らざるをえなくなった。そうして生まれたのが、1019年3月に九州を襲った「刀伊の入寇」である。
NAID :
時代
平安
文化財種別
史跡・遺跡種別
遺物(材質分類)
他の電子リソース :
総覧登録日 :
2024-09-22
wikipedia 出典テンプレート :
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