災害・防災考古学の方法
Archaeological Method of Disaster Sites and Prevention
斎野 裕彦
( SAINO Hirohiko )
2022年9月の日本災害・防災考古学会の設立をふまえて、災害・防災考古学の方法を提起した。従来の災害考古学と対象は変わらないが、災害痕跡とともに、人類の行動を示す防災痕跡を重視する研究分野である。防災痕跡には、防災遺構と防災行動痕跡があり、特に後者は、突発的で大規模な災害だけでなく、継続的で小規模な災害においても、考古学的に明らかにできることを示し、人類の行動を共通項として現代の防災に大きな貢献が期待されることを指摘した。