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伝法東平第1号墳

URL https://sitereports.nabunken.go.jp/71155
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DOI http://doi.org/10.24484/sitereports.71155
引用表記 富士市教育委員会(富士市市民部文化振興課) 2018 『富士市埋蔵文化財調査報告64:伝法東平第1号墳』富士市教育委員会
富士市教育委員会(富士市市民部文化振興課) 2018 『伝法東平第1号墳』富士市埋蔵文化財調査報告64
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書名 伝法東平第1号墳
発行(管理)機関 富士市 - 静岡県
有償頒布・配布ページ https://www.city.fuji.shizuoka.jp/kyouiku/c0403/fmervo000000aysq.html
※ 有償頒布・配布していない場合もあります
書名かな でんぼう ひがしだいらだい1ごうふん
副書名
巻次
シリーズ名 富士市埋蔵文化財調査報告
シリーズ番号 64
編著者名
編集機関
富士市教育委員会(富士市市民部文化振興課)
発行機関
富士市教育委員会
発行年月日 20180323
作成機関ID 222101
郵便番号 4178601
電話番号 0545552875
住所 静岡県富士市永田町1丁目100番地
報告書種別
埋蔵文化財(遺跡等)-発掘調査・分布調査・資料調査等
資料タイプ Research Paper
発掘調査報告 掲載されている(発掘調査報告書総目録の掲載対象)
所蔵大学(NCID)
JP番号
他の電子リソース
備考
所収論文
タイトル 日本列島における丁字形利器について
英語タイトル
著者
佐藤 祐樹 , SATO Yuki
ページ範囲 53 - 62
NAID
都道府県 宮城県 静岡県 兵庫県
時代 古墳 飛鳥白鳳 奈良
文化財種別 史跡 考古資料
史跡・遺跡種別 古墳
遺物(材質分類) 石製品 土器 金属器
学問種別 考古学
テーマ 技法・技術 編年 資料紹介 資料集成
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引用表記
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抄録(内容要約) 東平1 号墳を特徴付ける遺物のひとつに丁字形利器がある。しかし、その特異な形態の一方で、用途や系譜、年代など不明な点が多い。東平1 号墳において丁字形利器が出土した当時は、隣市である沼津市宮原2 号墳においても出土例が認められていたがその後、資料の増加はあまりなく、現在、列島内で4 例が認められるのみである。本稿では、丁字形利器の類例を報告し、用途や系譜などを考察する基礎としたい。
タイトル 丁字形利器とその系譜
英語タイトル
著者
鈴木 一有 , SUZUKI Kazunao
ページ範囲 63 - 78
NAID
都道府県 宮城県 群馬県 静岡県 奈良県 島根県 アジア州(日本除く)
時代 古墳 飛鳥白鳳
文化財種別 史跡 考古資料 有形文化財
史跡・遺跡種別 官衙 城館 製鉄 その他の生産遺跡 古墳 祭祀
遺物(材質分類) 金属器
学問種別 考古学
テーマ 技法・技術 編年 文化系統 資料紹介 資料集成 制度・政治 宗教 軍事
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引用表記
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抄録(内容要約) 東平1 号墳は静岡県富士市に築かれた直径13 mの円墳であり、無袖横穴式石室の床面から鉄刀、鉄鏃、刀子、馬具、須恵器とともに、丁字形利器が出土した。丁字形利器は、その特異な形状から古くから注目を集めていたが、類例が極めて少ないことから、現時点に至るまで明確な位置づけがなされているとはいいがたい。本稿では、この特異な利器の系譜を東北アジア地域に求め、その出現過程について考究するとともに、関連が想定できる資料を取り上げて、その分布と性格にかかわる展望を示したい。
タイトル 東平1号墳副葬馬具と大刀の特徴からみた被葬者像
英語タイトル
著者
大谷 宏治 , OYA Hiroshi
ページ範囲 79 - 100
NAID
都道府県 青森県 岩手県 宮城県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 神奈川県 山梨県 長野県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 兵庫県 奈良県 鳥取県 島根県 広島県 山口県 福岡県 宮崎県 アジア州(日本除く)
時代 古墳 飛鳥白鳳
文化財種別 史跡 考古資料 有形文化財
史跡・遺跡種別 古墳 横穴
遺物(材質分類) 金属器
学問種別 考古学
テーマ 技法・技術 編年 文化系統 資料集成 制度・政治 流通・経済史
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引用表記
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抄録(内容要約) 東平1 号墳の副葬品のうち、大刀では象嵌装鍔付大刀2 点(30・31)、鉄製鍔付大刀1 点(32)のほか、鉄製無象嵌円頭大刀柄頭1 点(32e)、足金物2 点(33・34)、象嵌装責金具2 点(31d・31e)、大刀に伴う金具(35)が出土している。刀身から大刀は3 点副葬されているが、円頭柄頭等刀装具がどの大刀に装着されるのか(拵え)については後述する。馬具では
轡2 組-鉄製横長心葉形鏡板付轡1 組(130)、金銅製帯状吊金具付大型矩形立聞環状鏡板付轡1 組(131)-、銅製壺鐙1 組(132・133)、金銅製(無文)棘付花弁形杏葉2 点(136・137)、金銅製帯金具・飾金具(半球形5 点以上、断面コ字形隅切方形金具4 点、断面コ字形半円形切込入方形金具1 点、断面板状円形金具8 点、138 ~ 162)、鉸具2 点(134・135)、鉄製ロ字形金具(帯留金具か)大2 小3 点(163~ 167)がある。鞍に伴う海金具や磯金具、鞖金具は出土していないため、鞍については金具を伴わない木製品であったか鞍そのものが副葬されなかった可能性が高い。ここでは、副葬された馬具・大刀から東平1 号墳の被葬者像を明らかにしたい。
タイトル 東平1号墳出土鉄鏃の評価と意義
英語タイトル
著者
藤村 翔 , FUJIMURA Sho
ページ範囲 101 - 112
NAID
都道府県 山梨県 静岡県
時代 古墳 飛鳥白鳳
文化財種別 史跡 考古資料 有形文化財
史跡・遺跡種別 古墳
遺物(材質分類) 金属器
学問種別 考古学
テーマ 技法・技術 編年 文化系統 資料集成 制度・政治 流通・経済史 軍事
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約) 駿河東部地域の後・終末期古墳出土鉄鏃については、長三角形式や五角形式、三角形式に代表されるようなヴァリエーション豊かな平根系鉄鏃が目立つこと(井鍋2003、長谷川2003、藤村2011)、20 ~30 本以上の大量の鉄鏃を保有する古墳が数多く認められること(菊池2016、大谷2004、藤村2017)などの特徴が先行研究でも指摘されている。また、古墳時代のものとしては東海地域唯一の鍛冶具を出土した中原4 号墳のほか(鈴木2016 など)、鍛冶生産に関わる特殊遺物(祭祀具)としての性格が推定されている鉄鐸を保有する古墳も当地域に集中する状況から、小規模な鉄器製作や鉄鏃の地域生産が行われていた可能性も考慮しておく必要がある一方で(藤村2017)、当地域の鉄鏃組成やその変遷を検討する分析は井鍋誉之氏の検討(井鍋2003)以降低調であり、近年になって目覚ましい調査成果が相次いで報告されている当地域の後・終末期古墳出土資料を反映した編年を再構築する意義は大きい。
上記のような問題意識のもと、本稿では駿河東部地域における7 世紀代の代表的な有力首長墳の一つであり、また計30 点という比較的多量の鉄鏃を保有する東平1 号墳の資料の特徴を整理し、当地域における鉄鏃組成の時間的推移のなかで本資料が有する意義を考えたい。
タイトル 東平1号墳における埋葬過程の復元
英語タイトル
著者
佐藤 祐樹 , SATO Yuki
ページ範囲 113 - 115
NAID
都道府県 静岡県
時代 古墳 飛鳥白鳳
文化財種別 史跡 考古資料 有形文化財
史跡・遺跡種別 古墳
遺物(材質分類)
学問種別 考古学
テーマ 宗教
他の電子リソース
引用表記
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抄録(内容要約)  東平1 号墳では、横穴式石室の床石の敷き直しなどから最低でも3 回の埋葬が推定されている。無袖式の横穴式石室でありながら、その空間利用については、前半部分と後半部分での使い分けが行なわれており、副葬品の移動も想定される。そのため、本節では、調査所見から導き出せる埋葬過程について整理することとする。
所収遺跡
遺跡名 東平第1号墳
遺跡名かな ひがしだいらだい1ごうふん
本内順位
遺跡所在地 富士市伝法2329-1外
所在地ふりがな ふじしでんぼう
市町村コード 222101
遺跡番号 595
北緯(日本測地系)度分秒
東経(日本測地系)度分秒
北緯(世界測地系)度分秒 351019.48
東経(世界測地系)度分秒 1384036.95
経緯度(世界測地系)10進数(自動生成) 35.172077 138.67693
※当該位置周辺を表示し、同一名称の遺跡データが存在する場合は遺跡をポイント表示します。
調査期間
19891115-19891120
19891121-19891229
調査面積(㎡)
803.786
調査原因 記録保存調査
遺跡概要
種別
古墳
時代
古墳
飛鳥白鳳
奈良
主な遺構
古墳
竪穴建物跡
主な遺物
丁字形利器
大刀
鉄鏃
弓金具
馬具
刀子
須恵器
土師器
特記事項
要約  東平第1号墳の含まれる伝法古墳群は、南に駿河湾を臨む富士山南麓の緩斜面にひろがる古墳時代中期末頃から8世紀にかけての古墳群である。伝法古墳群は、5世紀後半から末頃の伊勢塚古墳(円墳)の築造に始まり、6世紀後半の鉄器生産や馬匹生産、食料生産など産業全体に関わる技術者集団の統括者が埋葬されたと考えられる中原第4号墳、7世紀に雁木玉や鉄鐸などを副葬する国久保古墳、8世紀の腰帯具などを含む西平第1号墳などを含む。
 東平第1号墳は横穴式石室を埋葬主体とする7世紀中頃の築造と考えられ、銀象嵌の施された大刀を含めて3振の大刀や壺鐙や轡などの馬具など数多くの副葬品が出土した。なかで注目されるのが、国内に数例しか例のない丁字形利器の出土である。分析により丁字形利器は柄穴鉄斧を装着した武器を祖形に誕生した武器型儀器であり、高句麗の領域にその源流が求められることが明らかとなった。
 東平1号墳は駿河国富士郡衙である東平遺跡の範囲にも含まれており、その被葬者は、朝鮮半島からの渡来系集団との関連が指摘され技術者集団の統括者である中原4号墳の被葬者や国久保古墳の被葬者が担ってきた役割を引き継ぎ、富士郡衙成立に向けて軍事権をも持ち合わせながら、重要度の増大する地域支配の一端を担う地域首長であったと位置づけられる。

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