日本列島における丁字形利器について
佐藤 祐樹
( SATO Yuki )
東平1 号墳を特徴付ける遺物のひとつに丁字形利器がある。しかし、その特異な形態の一方で、用途や系譜、年代など不明な点が多い。東平1 号墳において丁字形利器が出土した当時は、隣市である沼津市宮原2 号墳においても出土例が認められていたがその後、資料の増加はあまりなく、現在、列島内で4 例が認められるのみである。本稿では、丁字形利器の類例を報告し、用途や系譜などを考察する基礎としたい。