縄文時代における底部圧痕について 予察と栃木県下の概要
篠原 浩恵
( SHINOHARA Hiroe )
栃木県下における底部圧痕については、研究は端緒についたばかりであり、その様相は全くの未知といえる。その様相を僅かなりとも、明らかにすべく稿を起こしたが、その準備として、まずは、先学の力を借りつつ、底部圧痕自体の概要を把握し、観察点の整理を行った。その結果、集落や精神面等を含めた縄文社会の流れに、紛うことなく追従する底部圧痕の推移があることを予察し得た。但し、未だ予察の段階であり、これを検証するためにも、様相を明示していくためにも、考古学的な史学性を根拠とした基本的な観察を積み重ねるとともに、民俗学や民具学等との比較検討が不可欠となることを再確認した。