槻沢遺跡における竪穴住居建て替えに関する覚書 竪穴住居建て替えに伴う炉の作り替えパターン
後藤 信祐
( GOTO Shinsuke )
竪穴住居跡は本県では縄文時代から平安時代まで見られる一般的な遺構である。一般的が故に発掘調査報告書では平面形や規模、柱穴・貯蔵穴・炉やカマド・壁溝の有無が記述されている程度のものも少なくない。筆者は、槻沢遺跡の発掘を担当し多くの竪穴住居を調査したが、複式炉付設という大きな共通性が認められる一方、炉の作り方、柱穴の配置や掘り形など細部において個々の住居に個性があることを再認識した。ここでは、縄文時代中期後半に顕著に見られる住居建て替え・炉の作り替えについて分類を行い、今後の槻沢遺跡の集落復元の一助としたい。