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谷原遺跡

URL https://sitereports.nabunken.go.jp/61949
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DOI http://doi.org/10.24484/sitereports.61949
引用表記 山元町教育委員会 2016 『山元町文化財調査報告書13:谷原遺跡』山元町教育委員会
山元町教育委員会 2016 『谷原遺跡』山元町文化財調査報告書13
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wikipedia 出典テンプレート : {{Cite book|和書|first=隆博|last=山田|first2=祐|last2=藤田|title=谷原遺跡|origdate=2016-03-31|date=2016-03-31|url=https://sitereports.nabunken.go.jp/61949|ncid=BB22082429|doi=10.24484/sitereports.61949|series=山元町文化財調査報告書|volume=13}} 閉じる
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書名 谷原遺跡
発行(管理)機関 山元町 - 宮城県
書名かな たにはらいせき
副書名 常磐自動車道(県境~山元間)建設工事に係る発掘調査報告書 ; 6
巻次 2
シリーズ名 山元町文化財調査報告書
シリーズ番号 13
編著者名
編集機関
山元町教育委員会
発行機関
山元町教育委員会
発行年月日 20160331
作成機関ID 04362
郵便番号
電話番号
住所
報告書種別
埋蔵文化財(遺跡等)-発掘調査・分布調査・資料調査等
資料タイプ Research Paper
発掘調査報告 掲載されている(発掘調査報告書総目録の掲載対象)
所蔵大学(NCID)
JP番号
他の電子リソース
備考
ダウンロードファイル_1:本文編1(第1分冊)
ダウンロードファイル_2:本文編2(第2分冊)
ダウンロードファイル_3:自然科学分析・総括編(第2分冊)
所収論文
所収遺跡
遺跡名 谷原遺跡
遺跡名かな たにはらいせき
本内順位
遺跡所在地 宮城県亘理郡山元町山寺字谷原
所在地ふりがな みやぎけんわたりぐんやまもとちょうやまでらあざたにはら
市町村コード 04362
遺跡番号 14067
北緯(日本測地系)度分秒
東経(日本測地系)度分秒
北緯(世界測地系)度分秒 375805
東経(世界測地系)度分秒 1405206
経緯度(世界測地系)10進数(自動生成) 37.968055 140.868333
※当該位置周辺を表示し、同一名称の遺跡データが存在する場合は遺跡をポイント表示します。
調査期間
20100519-20101227
20120323-20120831
調査面積(㎡)
5740
調査原因 常磐自動車道(県境~山元間)建設工事
遺跡概要
種別
集落
時代
縄文
主な遺構
掘立柱建物跡
土坑
主な遺物
縄文土器
石器
土製品
特記事項 *種別:集落(環状集落)
*検出した遺構
掘立柱建物跡56棟
土坑85基(土器埋設遺構4基・落とし穴状遺構9基・その他土坑72基)
遺物包含層
*土製品(耳飾り・土錘・土偶)
種別
城館
時代
鎌倉
南北朝
室町
戦国
主な遺構
掘立柱建物跡
柱穴列跡
溝跡
井戸跡
土坑
性格不明遺構
その他ピット
主な遺物
中世陶器
施釉陶器
かわらけ
青磁
金属製品
特記事項 *種別:屋敷跡
*検出した遺構
掘立柱建物跡150棟
柱穴列跡34条
溝跡8条
井戸跡8基
土坑1基
ピット多数
種別
集落
時代
奈良
平安
主な遺構
竪穴住居跡
掘立柱建物跡
土坑
主な遺物
土師器
須恵器
特記事項 *検出した遺構
竪穴住居跡4軒
土坑16基
遺物包含層
*円面硯・風字硯出土
*墨書土器出土
種別
集落
散布地
時代
古墳
主な遺構
竪穴住居跡
主な遺物
土師器
須恵器
特記事項 *古墳時代終末期
*検出した遺構
竪穴住居跡1軒
土坑1基
遺物包含層
種別
散布地
時代
弥生
主な遺構
主な遺物
弥生土器
石包丁
特記事項 弥生中期前葉・中葉
要約 谷原遺跡は、宮城県亘理郡山元町山寺字谷原に所在し、山元町役場の北北西約1.0kmに位置する。遺跡は、阿武隈山地から東に延びる丘陵東側の谷原川と山寺川に挟まれた標高17~20mの中低段丘上段に立地する。遺跡の範囲は、東西220m、南北140mほどの広がりをもち、遺跡の時期は縄文時代~中世にわたる。 
 今回の調査で本調査を実施したE~L区で検出した遺構は、竪穴住居跡5軒、掘立柱建物跡206棟、柱穴列跡34条、溝跡10条、土坑216基、井戸跡8基、竪穴状遺構1基・溝状遺構3基・焼成遺構3基、柱穴・ピット4939個(掘立柱建物跡を構成する柱穴も含む)、遺物包含層である。遺物は、縄文土器(深鉢・浅鉢・注口土器・袖珍土器)、弥生土器(壺・鉢・高坏・甕)、石器(石鏃・尖頭器・石錐・石匙・不定形石器・石核・打製石斧・磨製石斧・石剣・磨石・凹石・石皿・石錘・石包丁)、土製品(土偶・耳飾り・腕輪・土錘)、土師器(非ロクロ成形:坏・高坏・鉢・甕、ロクロ成形:坏・高台付坏・双耳坏・鉢・甕、赤焼土器:坏・高台付坏)、須恵器(坏・高台付坏・盤・蓋・鉢・壺・瓶類・甕・円面硯・風字硯)、かわらけ皿、中世陶器(甕・鉢・壺)・灰釉陶器、青磁(碗・折縁鉢)、不明青銅製品、銅銭、製鉄関連遺物などが出土した。
 縄文時代の遺構には、縄文時代中期末以前の落とし穴状遺構9基(SK19・20・23・26・29・44・76・83・89)、縄文時代中期末葉~後期前葉の掘立柱建物跡56棟(SB7~62)・土器埋設遺構4基(SK17・21・22・24)・その他の土坑72基(SK18・25・27・28・30~43・45~75・77~82・84~88・90~101)・遺物包含層(基本層Ⅶ層)がある。縄文時代中期末葉~後期前葉の掘立柱建物跡は、南北約40m、東西約35mの範囲に環状に分布し、環状集落を構成する。建物群の北側に墓坑の可能性のある土器埋設遺構、南西に貯蔵穴群、南東に空間と捨て場(遺物包含層)、建物群の内側に広場と用途不明の土坑群が配置され、集落内で空間を使い分けていたことが窺える。県内で、本遺跡のように環状集落の全容を調査した事例は現在のところ類例がなく、当時の集落構造を探る上で重要な成果といえる。
 古墳時代~平安時代の遺構には、竪穴住居跡5軒(SI1~5)、土坑17基(SK111~115・212・218~228)、溝状遺構1条(SX7)、遺物包含層(基本層Ⅴ層)がある。出土遺物の特徴からSI1が7世紀中~8世紀初頭(7世紀後半中心)、SI3が7世紀末~8世紀前葉、SI2が8世紀後半~9世紀前葉、SI4・5が9世紀後半以降の年代が想定される。この他、円面硯・風字硯といった本遺跡の性格を考える上でも重要な遺物が出土した。
 中世の遺構には、掘立柱建物跡150棟(SB63~212)、柱穴列跡34条(SA1~34)、溝跡8条(SD4~11)、井戸跡8基(SE1~8)、竪穴状遺構1基(SX4)、土坑20基(SK103・125・126・128・129・131・134・161・173・175・181・183・186~188・194・208・210・216・230)、柱穴・ピット多数、遺物包含層(基本層Ⅲ層)がある。これらの遺構は、中世の屋敷を構成する遺構群と考えられ、13世紀後半~14世紀前半から中世末期まで存続していたとみられる。屋敷を構成する建物には、四面庇建物や角柱を使用した建物などがあり、建物の占有面積が100㎡を超える大型の建物も存在する。今回確認した中世の屋敷跡は、集落の継続性・主屋となる建物の規模などの面で、亘理郡内の中世集落とは明らかに異なる性格を有した集落であったと推測され、この地の拠点的集落であった可能性は高い。
 この他、今回の調査では、時期を確定できなかった遺構が多数残されているが、これらは古墳時代~中世にかけてのいずれかに属する遺構であると考えられる。また、遺物包含層からは、弥生時代中期中葉の弥生土器や石包丁が出土した。遺構は検出されていないが、周辺にはこの時期の遺構が分布する可能性がある。

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