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沢東A遺跡 第28次

URL https://sitereports.nabunken.go.jp/131722
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DOI http://doi.org/10.24484/sitereports.131722
引用表記 富士市教育委員会 2023 『富士市埋蔵文化財調査報告77:沢東A遺跡 第28次』富士市教育委員会
富士市教育委員会 2023 『沢東A遺跡 第28次』富士市埋蔵文化財調査報告77
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書名 沢東A遺跡 第28次
発行(管理)機関 富士市 - 静岡県
有償頒布・配布ページ https://www.city.fuji.shizuoka.jp/kyouiku/c0403/fmervo000000aysq.html
※ 有償頒布・配布していない場合もあります
書名かな さわひがしAいせき だい28じ
副書名 宅地造成に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書
巻次
シリーズ名 富士市埋蔵文化財調査報告
シリーズ番号 77
編著者名
編集機関
富士市教育委員会
発行機関
富士市教育委員会
発行年月日 20230317
作成機関ID 22210
郵便番号 4170061
電話番号 0545307850
住所 静岡県富士市伝法66番地の2
報告書種別
埋蔵文化財(遺跡等)-発掘調査・分布調査・資料調査等
資料タイプ Research Paper
発掘調査報告 掲載されている(発掘調査報告書総目録の掲載対象)
所蔵大学(NCID)
JP番号
他の電子リソース
備考
所収論文
タイトル 総括
英語タイトル
著者
藤村 翔 , FUJIMURA Sho
ページ範囲 53 - 56 , 1 弥生時代後期から古墳時代前期の集落と生産域、2 沢東A遺跡の古式群集墳と古墳時代後期前半の地域社会、3 古代末から中世の遺物と沢東A遺跡 
NAID
都道府県 静岡県
時代 弥生 古墳 飛鳥白鳳 奈良 平安 中世(細分不明)
文化財種別 史跡 考古資料 有形文化財
史跡・遺跡種別 集落 古墳 祭祀
遺物(材質分類) 石製品 土器 土製品(瓦含む)
学問種別 考古学
テーマ 文化系統 制度・政治 その他
他の電子リソース
引用表記
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wikipedia 出典テンプレート : {{Citation|first=翔|last=藤村|contribution=総括|title=沢東A遺跡 第28次|date=2023-03-17|url=https://sitereports.nabunken.go.jp/131722|location=静岡県富士市伝法66番地の2|doi=10.24484/sitereports.131722|series=富士市埋蔵文化財調査報告|volume=77}} 閉じる
抄録(内容要約)  富士市久沢に所在する沢東A 遺跡は、富士山南麓を流れる潤井川と凡夫川が合流する地点の東岸、大淵扇状地西側の緩やかな丘陵上の標高20 ~ 40m に位置する集落遺跡である。これまでの調査では古墳時代中期後半から後期、飛鳥時代にかけて営まれた多数の竪穴建物や祭祀遺構が検出されており、旧富士川河口部(潤井川下流域)東岸における拠点的な集落であったと考えられている。
 第28 次調査地点の調査では、古墳7 基、溝状遺構47 条、炉1 基、土坑28 基、ピット14基、不明遺構12 基を検出し、主として弥生時代後期から古墳時代、平安時代から中世の遺物が出土した。弥生時代後期から古墳時代前期は、当遺跡では希薄とみられていた時期であるが、今回の調査では当該期に帰属する多数の土器片が、畝間溝や区画溝の可能性のある溝などに伴い出土した。今回の調査区一帯は、集落に近接する生産域(耕作地)であった可能性が高い。
 古墳時代後期前半の遺構としては、当遺跡では初となる、7 基以上の小規模な円墳や土坑墓からなる古墳群が発見された。周溝のあるものはいずれも円墳で互いに近接して立地し、全体的に小規模ながらも大小の古墳で構成される点に特色がある。各古墳の周溝出土遺物の年代観から、古墳時代後期前半(TK47 ~ MT15 型式併行期)を中心に築かれた円墳群とみられ、古式群集墳の新例として評価できる。駿河東部・伊豆地域の古式群集墳の分布からは、各小地域内において新興の中小規模首長墳と古式群集墳による階層秩序が看取できる。5世紀末から6世紀前半頃の駿河東部・伊豆北部地域では、古式群集墳の被葬者集団が、軍事面や地域経営の実務面で新興首長層を補佐する体制が成立していたとみてよい。
 平安時代末から中世も当遺跡では実態が不明瞭な時期であるが、今回の調査では底部糸切未調整の土師器坏やかわらけ、常滑産陶器や龍泉窯系青磁碗といった遺物を検出することができた。これらの遺物は、交通の要衝でもある富士川河口部に展開した中世集落の実態に迫る資料として評価できる可能性がある。
所収遺跡
遺跡名 沢東A遺跡 第28次調査地点
遺跡名かな さわひがしAいせき
本内順位 1
遺跡所在地 静岡県富士市久沢98-1
所在地ふりがな しずおかけんふじしくざわ98-1
市町村コード 22210
遺跡番号 33
北緯(日本測地系)度分秒
東経(日本測地系)度分秒
北緯(世界測地系)度分秒 351050.27
東経(世界測地系)度分秒 1383857.01
経緯度(世界測地系)10進数(自動生成) 35.18063 138.649169
※当該位置周辺を表示し、同一名称の遺跡データが存在する場合は遺跡をポイント表示します。
調査期間
20210420-20210423
20210927-20211126
調査面積(㎡)
225.388
745.642
調査原因 確認調査・本発掘調査
遺跡概要
種別
集落
時代
弥生
古墳
平安
中世(細分不明)
主な遺構
古墳
溝状遺構
土坑
ピット
主な遺物
弥生土器
土師器
須恵器
陶磁器
刀子
特記事項 弥生時代~古墳時代前期:畝間溝
古墳時代後期:古式群集墳、須恵器ハソウ・坏身、刀子
中世:龍泉窯系青磁碗
要約  富士市久沢に所在する沢東A 遺跡は、富士山南麓を流れる潤井川と凡夫川が合流する地点の東岸、大淵扇状地西側の緩やかな丘陵上の標高20 ~ 40m に位置する集落遺跡である。これまでの調査では古墳時代中期後半から後期、飛鳥時代にかけて営まれた多数の竪穴建物や祭祀遺構が検出されており、旧富士川河口部(潤井川下流域)東岸における拠点的な集落であったと考えられている。
 第28 次調査地点の調査では、古墳7 基、溝状遺構47 条、炉1 基、土坑28 基、ピット14基、不明遺構12 基を検出し、主として弥生時代後期から古墳時代、平安時代から中世の遺物が出土した。弥生時代後期から古墳時代前期は、当遺跡では希薄とみられていた時期であるが、今回の調査では当該期に帰属する多数の土器片が、畝間溝や区画溝の可能性のある溝などに伴い出土した。今回の調査区一帯は、集落に近接する生産域(耕作地)であった可能性が高い。
 古墳時代後期前半の遺構としては、当遺跡では初となる、7 基以上の小規模な円墳や土坑墓からなる古墳群が発見された。周溝のあるものはいずれも円墳で互いに近接して立地し、全体的に小規模ながらも大小の古墳で構成される点に特色がある。各古墳の周溝出土遺物の年代観から、古墳時代後期前半(TK47 ~ MT15 型式併行期)を中心に築かれた円墳群とみられ、古式群集墳の新例として評価できる。駿河東部・伊豆地域の古式群集墳の分布からは、各小地域内において新興の中小規模首長墳と古式群集墳による階層秩序が看取できる。5世紀末から6世紀前半頃の駿河東部・伊豆北部地域では、古式群集墳の被葬者集団が、軍事面や地域経営の実務面で新興首長層を補佐する体制が成立していたとみてよい。
 平安時代末から中世も当遺跡では実態が不明瞭な時期であるが、今回の調査では底部糸切未調整の土師器坏やかわらけ、常滑産陶器や龍泉窯系青磁碗といった遺物を検出することができた。これらの遺物は、交通の要衝でもある富士川河口部に展開した中世集落の実態に迫る資料として評価できる可能性がある。

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