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デジタル技術による文化財情報の記録と利活用 > 6 号 > 広島県教育委員会における「LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル」策定の取組について

広島県教育委員会における「LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル」策定の取組について

沖 憲明 ( 広島県立埋蔵文化財センター )

An Efort to Prepare a Survey Work Manual Using LiDAR Sensor and 3D Technology by the Hiroshima Prefecture Board of Education

Oki Noriaki ( Hiroshima Prefectural Center for Archaeological Operations )
沖 憲明 2024 「広島県教育委員会における「LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル」策定の取組について」 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』 遺跡地図・3D・GIS・モバイルスキャン・デジタルアーカイブ・文化財防災 https://sitereports.nabunken.go.jp/online-library/report/1
本稿は、広島県教育委員会の内規「LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル」の全文及び作成経過報告である。古墳の墳丘地形測量に無料アプリケーション・ソフトウェアやスマートフォン等の汎用機器を使用するもので、省力化と調査精度向上が期待できる反面、発掘期間短縮やコスト縮減の効果については今後慎重な検討を要する。
また、本マニュアルを文化庁・地方ブロックの作業標準等に紐付く県教委の内規としたことで、文化財行政に求められる発掘調査の品質監理について組織内で再認識するとともに、広域行政を所管する県として市町等に対する指導の根拠として活用されることも期待される。本稿が、各自治体における業務監理の仕組の整備に役立つことを願うものである。

はじめに

  本稿では、広島県教育委員会文化財課(以下「県教委」という。)が作成した「LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル」(以下「マニュアル」という。)について報告する。本マニュアルは工事中に発見された遺跡の記録保存対応を検討する過程で、発掘調査における調査員(専門職員)業務の省力化と、埋蔵文化財保護行政に求められる記録保存の精度保持や作業の標準化等を目指して作成し、県教委の内規として位置付けたものである。マニュアルそのものは本稿末尾に付録として掲載し、本文では作成開始から県教委内規となるまでの経過を中心に報告したい。デジタル技術は発掘調査の高精度化や情報発信に有効である反面、相応の精度保持と長期保存のために必要な体制(人員、作業時間、機器)整備の必要性も指摘されており(註1)、文化財保護部局として業務を自己監理する仕組みを整備することが重要である。本稿が、全国の自治体の担当者諸氏が自らの業務をどのように定義していくべきかを考える一助となれば幸いである。

1.マニュアル作成に至る経緯

 令和5年1月上旬、当県内の災害対策事業(砂防堰堤整備工事)の現場で、地元市教育委員会の工事立会により箱式石棺1基が発見され、その後の詳細地形観察により低墳丘の古墳と判断された。取扱いについて事業者、当該市教育委員会及び県教委の3者で協議した結果、設計変更による現状保存は困難という結論に至ったことから、県教委は事業者に対し、記録保存調査の経費確保や発掘期間確保のための工事工程の精査を要請するとともに、災害対策という事業の緊急性にも配慮した発掘調査体制の検討・調整に着手した。

  当該事業は県が事業主体者であることから、平成9年文化庁次長通知(註2)等に従うと、一義的には県教委が対応すべき案件である。県教委は、発掘調査の実施機関として財団発掘調査機関(以下「財団」という。)を設立しているが、例年1月から3月は当年度受託事業の成果物取りまとめ・経費精算事務や次年度発掘計画の調整時期であり、工事着手リミットの時期によっては通常の発掘調査体制が組めない可能性が考えられた。緊急措置として県教委が発掘調査を実施することになった場合、県教委の業務繁忙期にも最小限の人数で通常発掘体制と同等に近い速度で発掘調査を進行できる省力化を実現するとともに、民間発掘調査機関の支援導入の予算措置や業務発注等の事務期間を確保できない場合も見越して、業務や機材等の外部発注を極力要しない手法を検討することとした。さらに、財団に記録類整理・報告書作成を引き継いだり、市教育委員会担当者に作業の補助を依頼したりできるよう、作業手順や記録類の規格等について共有できる資料を作成する必要もあると判断した。これらの検討は、県教委で埋蔵文化財に関する技術的事項を分掌する埋蔵文化財センター駐在職員の筆者が担当した。1月中旬には文献等を元に基本的な作業の流れを把握するとともに、作業に必要なアプリケーション・ソフトウェアを特定し、職員用パソコンにインストール可能かどうかを本庁文化財課を介して情報処理担当部局に協議した。1月末にインストール可能の回答を得たことから、マニュアルの作成を本格的に開始した。

2.マニュアルの枠組

  本マニュアルは、古墳の表土掘削前測量の、LiDAR・3Dを活用した作業手順等に限定するとともに、単なる担当者の手持資料ではなく県教委の規程として位置付けることを意識して作成に着手した。その理由は次の通りである。

(1)マニュアルを作成する行程の特定

  災害対策事業に円滑・迅速に対応するため、本マニュアルは調査員業務の省力化・迅速化の効果が高いと見込まれる作業行程に限定・集中して作成することとした。発掘作業における調査員の主要業務は、発掘調査の進行・精度監理(作業員や調査支援機関に対する指示・検査等)と記録作業(測量・実測・写真撮影等)である。古墳の発掘作業において調査員業務の省力化効果が高い作業は何か、という観点で検討すると、進行・精度監理については、面積が狭い割に構造が複雑で作業行程数が相対的に多い古墳の発掘調査で省力化は困難である。記録作業においても、今回の調査対象である低墳丘・箱式石棺を埋葬主体部とする古墳では、墳丘土層断面や主体部の実測・写真撮影は概して小規模である。

 しかし、墳丘の地形測量については、通常の平板測量の場合、アリダードを覗きながら描図を行う調査員、攪乱や地形変換点等を判断しながらスタッフ等を適切な測点に立て測点を決める調査員の2名に加え、オートレベルを覗いて測点のレベルを読み上げたり巻尺等を持って距離計測を担当する作業員等を合わせると、円滑な作業実施には3~4名が必要となり、発掘中の記録作業の中では最も人出がかかる作業と考えられる。とくに調査前墳丘地形測量は、発掘調査の最初期に必須の作業であり、この作業に的を絞って省力化の方法を検討することとした。

(2)使用機器と手順の決定

  全体の手順や必要機材については、奈良文化財研究所が刊行した『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用5』(註3)掲載の石井淳平氏報告(註4)、野口淳氏ら報告(註5)などいくつかの文献により概略を理解することができた。スマートフォンの操作方法については、モバイルスキャン協会が公開しているモバイル端末スキャンマニュアル(註6)を参照した。入手すべき3D測量アプリケーションについても同協会が公開しているiPhoneスキャンアプリ一覧(註7)から、前掲報告等に頻出する無料アプリ「Scanivarse」を選択した。スキャンデータを等高線図に変換する無料ソフトについても、前掲石井氏・野口氏ら報文や、野口氏御本人からいただいた教示の内容も踏まえて「CloudCompare」及び「QGIS」を選択した。

(3)県規程とする必要性・位置付けについて

 近年、埋蔵文化財保護業務においては、人口減少社会に対応する作業省力化や記録の高精度化等を推進するため、デジタル技術の導入推進が求められている(註8)。また、県教委は、文化財保護行政の執行機関として、一定の水準を保った作業行程に沿った発掘調査を自ら実施するとともに、広域行政を所管する立場から、体制不備市町の発掘調査の支援・代行や県内の発掘調査精度の平準化を目的とした指導等の基本となる方針や標準の策定を求められている(註9)。

 以上の点から、本マニュアルについては、単に今回の発掘案件に対応するための担当者手控えにとどめず、今後の新技術導入に伴う発掘調査品質の確保や、市町等に対する指導にも有効に利用できるよう、既存の積算基準等諸規程との関係を整理していくこととした。国(文化庁)は、有識者で構成される諮問委員会において行政目的調査の行程と精度を定めた作業標準(註10)(以下「文化庁作業標準」という。)を定め、各都道府県や地域ブロックにおいて作業基準の策定を促すとともに、作業標準を適切かつ確実に実行するための作業マニュアルとして『発掘調査のてびき』(註11)(以下「『てびき』」という。)を作成している。本マニュアルは、当該機器を用いる場合の機材操作手順や注意点等を具体的に示そうとするものであるため、『てびき』に地形測量方法の一つとして掲げられている3Dレーザー測量(註12)の実行手順等細目規程(県教委自らが実施する際の手順書)として位置付けるべきと判断した。当県では発掘作業基準の規程はなく、文化庁作業標準ならびに全文協中国四国地方文化・文化財主管課長会議で策定された作業標準(註13)(以下「中四国ブロック作業標準」という。)を準用して積算等を行っているが、文化庁作業標準と中四国ブロック作業標準の間には用語の不統一等があるため、運用手引書(註14)を作成して内容の関係を整理している。県が作業基準を策定するまでの間、本マニュアルは当該運用手引書の下位に紐付くものと位置付けた。

  また、当県の埋蔵文化財発掘調査積算基準(以下「県積算基準」という。)は財団に発掘調査を委託する際の設計金額算出を行うために作られているため、調査員の作業歩掛や機器等の保有・使用に要する経費の単価についても規定されている。本来、マニュアルの策定にあわせ、県積算基準の関係作業歩掛や単価についても改定が必要であるが、今回は県教委が直営で当該作業を行うという前提を明示することにより、既定基準の改定を不要とし、マニュアルの新設のみで足りると判断した。

3.マニュアルの構成と作成経過

  マニュアルの構成は、目的・適用対象・全体構成・参考文献の説明(鑑文)、測量~図化作業の手順・使用機材・成果品の説明(表1)、各行程段階ごとに作業が適切に行われていることを自己点検するためのチェックリスト(表2)からなる「本編」と、3Dデータの画像処理・図化に使用するソフトウェア「CloudCompare」及び「QGIS」の操作手順書からなる「別紙」とした。

本編鑑文 鑑文においては、「目的」「適用対象」のくだりで当県の埋蔵文化財発掘調査の品質監理規程の中での位置づけを明記し、「作業手順等」の部分で本マニュアルの全体構成を示した。「備考」では、本マニュアルの内容について、より詳細な手順等の検討・確認等が必要となった場合に備え、マニュアル作成時に参照した資料を掲載した。

表1(作業手順等説明) 作業行程表の作成に際しては、文化庁作業標準や中四国ブロック作業標準、『てびき』に紐づくものであることを明確にするため、できる限り共通の構成や用語を用いることを心掛けた。「使用機材」の項には、準備物をできるだけ具体的に記述することを心がけるとともに、実施事例の蓄積が進んで作業標準歩掛の設定が可能になるまでの目安として、マニュアル作成時に当該操作を試行した際の所要時間(当該作業を始めて行ったときの所要時間と、2~3回反復して行って手順をある程度習熟したときの所要時間の中間)を「標準作業時間」として記載した。各行程における機器・ソフトウェア操作方法については参考とした文献やインターネット上で公開されている紹介動画のアドレス等をできる限り記載し、説明の欠を補えるように心がけた。デジタル技術の導入では、データの長期保存・活用を可能とする機材等の措置が重要であることから、作業手順の最終行程である「記録類収蔵・保管」の項に文化庁設置有識者委員会が示した「デジタル技術導入に必要な環境」の内容(註15)を再掲し注意喚起を図るとともに、具体的な対応を検討する際の手助けとなるよう、奈良文化財研究所による研究報告を参考資料として掲載した。

表2(チェックリスト) 業務の品質保持のためには、作業手順を定めるとともに、定めた手順が確実に実行され適切な成果物が作成されているかどうかの点検・検査が重要である。作業手順書の内容が確実に実行されていることを自己点検・確認するためのチェックリストはマニュアルと一体不可分のものと考え、表2を作成した。点検項目には、国土交通省が作成している3次元計測技術を用いた出来形管理チェックシート(註16)や、県の公共工事担当部局が作成している作業管理チェックシートの内容と、LiDAR・3D測量以外の方法にも共通する測量作業一般・埋蔵文化財調査固有の事項として『てびき』の関連部分(註17)を元に点検項目を作成した。

別紙(ソフト操作マニュアル) 画像の処理・図化に用いる「CloudCompare」及び「QGIS」の操作手順については、当該ソフトウェアに盛り込まれている機能が多くカーソル操作などが複雑であることに加えて、バージョンアップが不定期かつ比較的頻繁に行われることが予想されたため、ソフト操作の習熟度に応じた「拾い読み」やバージョンアップ等に即応した修正・改訂作業を容易にする観点から別資料として作成することとした。当該ソフトは盛り込まれている機能が多いため、作業途中でスクリーンショットで画面を逐一保存しながら操作内容をメモして草稿を作成し、1日おいて記憶が薄れた頃に草稿を見ながら同じ操作を行って草稿の過不足を修正する作業を繰り返して、完成稿に近づけていった。

4.効果と課題

  1月に発見された古墳については、開発事業者により工事の工程調整が行われた結果、発掘調査は令和5年4月以降に財団により通常の発掘体制で実施されることとなった。従って、マニュアルについては直ちに完成させる必要はなくなったが、第2章で述べた通り、埋蔵文化財調査における新技術導入は社会的要請であり、作業指針策定の必要性は変わらないという考えから、令和5年3月上旬まで作成作業を継続し原案を完成させ、その後一部修正のうえ令和5年10月に県教委の内規として施行された。

  本マニュアルについては、発掘現場において実践していない点において不十分な内容と考えられるが、策定による効果の展望と課題について、筆者が思うところを最後に述べておきたい。

(1)LiDAR・3D測量導入の効果展望と課題

  あくまで筆者による実験の限りであるが、本マニュアルに沿って作業を行った場合、計測作業から図化・校正まで1人で行うことが可能であり、従来の平板測量に比べ省力化の効果が認められた。一方、発掘調査期間の縮減については芳しい効果は認められなかった。

 県積算基準の標準歩掛では、従来の平板測量による古墳1基(直径10m程度の円墳、周辺地形を含む測量面積400㎡)の測量所要時間は4時間程度(延べ8時間÷調査員2人)である。一方、本マニュアルに沿って同等面積の3D測量を実験した場合、ターゲットマーカー設置作業開始からQGISによる図化まで2時間40分程度を要した。この所要時間には、スキャニングに不備があった場合の再スキャンや校正作業、遺跡現地と現場事務所(パソコン操作やプリントアウト等を行う場所)間を移動する時間等は含まれていない。

  3Dスキャンデータから作成される等高線は、地形の起伏をきわめて忠実に反映したものとなるため、立木の根株や小動物の巣穴などによる、地表面のわずかな盛り上がりや窪みも描画に表れてしまう。QGISで生成された等高線図については、一度作成した粗図を基に現地で校正作業を行い、墳丘裾、墳頂平坦面、周溝の肩などを記載するとともに、等高線についても「活きている」部分を抽出し、不要な測点等を省略することが必要となる。作業手順は、現場での計測→現地事務所等でパソコンに取り込み図化・出力→現場で校正作業と、遺跡現地と現場事務所等の間を2往復する必要があり、室内でのパソコン・プリンタ操作時間や現場~事務所間の移動時間も見込んでおく必要がある。

  また、スキャニング時のスマホのかざしかたにより、データがうまく取得されずに3D画像に空白の部分ができたり、「Scaniverse」上では全体の画像がきれいに生成できているように見えても「QGIS」で等高線が途切れたりする場合があり、等高線の途切れる範囲が広ければ再計測が必要となった。平板測量の場合は、アリダードを覗く調査員と測点にスタッフを立てる調査員が測点の位置を相談・点検し、計測・描画と校正・照査を同時並行で行えるが、LiDAR使用の場合は計測、描画、校正、照査の行程が完全に独立することから、計測漏れなど各行程における手戻りが作業時間の増加に直結する。作業の着手から終了までの所要時間を通算で比較すると、次の行程に移行するまでの作業時間を短縮する「迅速化」の効果は少ないと思われる。

  コストの縮減についても、本マニュアルは県教委職員が直営で作業を行うものとして、機器等は最大限既存のものを使用することとしたが、全てを開発原因者の経費負担で賄う財団の通常発掘体制で導入する場合には、発掘現場におけるスマートフォン、パソコン、プリンターの購入又は借上、パソコン等機器を設置する現場事務所の防犯設備整備など、従来の発掘調査積算基準では計上されていなかった経費の措置が新たに必要となる。省力化による人件費等の縮減も見込めるが、導入前後のコストの慎重な比較が必要である。

  以上を総括すると、本マニュアルに沿った3D測量導入は調査員の労働量軽減にはなるが、発掘期間短縮の効果は薄く、コスト縮減効果も慎重な検討が必要と思われる。計測、描画、校正、照査の行程が完全に独立することから迅速化の効果が少ないという点は、他の作業へのデジタル技術導入にもあてはまることが多く、軽減された労働量については、調査精度向上(従来より詳細な観察・記録を行う時間の確保)に振り充てるべきものと考えたい。

(2)県規程策定の効果展望と課題

  当県は財団が記録保存調査に対応する体制を通常としており、県教委が本マニュアルを用いて直営発掘調査を行う機会はごく少ないと予想される。それでも、県の内規としての位置付けを目指したのは、既存の規程との関係を改めて整理し示すことで、それら発掘調査の品質監理規程の存在と内容について県教委の組織内で改めて意識し(註18)、県の文化財保護部局として果たすべき役割についても再確認することを企図したものである。今後の展開として、市町や財団における当該作業の実施あるいは外注時における仕様書・作業計画書の見本、他の作業マニュアル作成の「お手本」として周知・活用する役割が期待される。

【註・引用文献】

1) 埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究委員会「埋蔵文化財保護行政におけるデジタル技術の導入について 1(報告)」文化庁 平成29年3月31日。

2) 平成9年8月7日付け各都道府県教育委員会教育長宛て文化庁次長通知「公共工事の実施と埋蔵文化財の保護に係る連絡調整体制の整備について」。

3)高田祐一(編)2023『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』5 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所。

4)石井淳平2023「一人でできるフィールドワーク~iPad LiDARを利用した地形測量~」 ※註3文献所収。

5)野口淳・中島将太・髙木翼郎2023「モバイルスキャンによる迅速な遺構計測と埋蔵文化財調査への効果」 ※註3文献所収。

6)https://mobilescan.jp/sdm_downloads/ 2023年10月17日閲覧。

7)https://mobilescan.jp/ 2023年10月17日閲覧。

8)文化審議会文化財分科会「これからの埋蔵文化財保護行政の在り方について(第一次報告書)」令和4年7月22日。

9)a.埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究委員会「行政目的で行う埋蔵文化財の調査についての標準(報告)」文化庁 平成16年10月29日。

  b.平成10年9月29日 各都道府県教育委員会教育長宛て文化庁次長通知「埋蔵文化財の保護と発掘調査の円滑化について」2(3) 都道府県の役割及び体制の整備・充実。

  c.埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究委員会「適正な埋蔵文化財行政を担う体制等の構築について(報告)」文化庁 平成26年10月1日。

10)埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究委員会「埋蔵文化財の本発掘調査に関する積算基準について(報告)」文化庁 平成12年9月28日 及び註9a文書。

11)a.文化庁文化財部記念物課(監修)・独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所(編)2010『発掘調査のてびき』集落遺跡発掘編。

  b.同 2010『発掘調査のてびき』整理・報告編。

  c.同 2013『発掘調査のてびき』各種遺跡調査編。

12)註11a文献p.84「第Ⅲ章第5節 2 D 三次元(3D)レーザー測量」。

13)平成15年9月3日 全文協中国四国ブロック文化・文化財行政主幹課長会議「開発事業に伴う埋蔵文化財の本発掘調査に関する積算基準」。

14)令和4年3月7日 広島県教育委員会事務局管理部文化財課「広島県埋蔵文化財発掘調査積算基準の運用について(暫定版)」。

15)註1文献p.10。

16)国土交通省「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」令和4年3月版、同「3次元計測技術を用いた出来形管理の監督・検査要領(案)」令和4年3月、国土交通省関東地方整備局「3次元計測技術を用いた出来形管理の活用手引き(案)」令和4年12月。

17)註11a文献p.81-84「第Ⅲ章第5節 発掘前の地形測量」、註11c文献p.27-34「第Ⅱ章第3節2 発掘調査の準備と計画、3 墳丘・周溝・外表施設」。

18)本マニュアルによる作業の成果物は従来の手描き図面と変わらない内容であり、そのまま紙出力すれば長期保存は可能なため、積算基準や作業標準といった上位規程の改定やデジタルデータの保存体制準備が不要であった一方、アナログ媒体を成果物として残さない作業については成果物の品目・規格、保存・再生機器も含めた使用機材、成果物のデータ保存作業なども異なるため、上位規程の改定作業が必要となる。

  また、当県の積算基準は、発掘調査実施機関の示す見積額に対する価格牽制機能確保の観点から、文化財課と公共工事積算担当部局により構成される「広島県埋蔵文化財発掘調査経費積算検討会議」において決定されている。積算基準の改定は、当該検討会議構成員である公共工事積算担当部局も妥当性を認める内容であることが求められる。


(付録)「LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル」について

 次に、マニュアル全文を掲載する。本マニュアルは広島県教育委員会の内規として作成したものであり、本マニュアルの利用から生ずる損失や損害について広島県教育委員会は一切の責任を負わない。本マニュアルの利用は、利用者自身の責任で行っていただきたい。

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 LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル

令和5年10月10日 広島県教育委員会事務局管理部文化財課

1 目的

 本マニュアルは、「広島県埋蔵文化財発掘調査積算基準の運用について(暫定版)」(令和4年3月7日 文化財課策定。以下「積算基準運用手引書」という。)に基づいて広島県教育委員会事務局文化財課の埋蔵文化財専門職員が行う測量・実測作業において、LiDAR(※光あるいはレーザー照射により対象物までの距離を測る技術)・3Dを活用する場合の作業手順等を規定するものである。

2 適用対象

 積算基準運用手引書 別表3「古墳(横穴式石室)の発掘作業工程(全般)と記録類作成の標準」中、「事前作業」行程の「表土掘削前測量」作業において、LiDAR・3Dを活用する場合に適用する。

3 作業手順等

 (1) 作業手順、使用機材、成果品の内容については、表1による。

 (2) 作業の確実な実施を自己点検するため、作業行程の段階ごとに、表2のチェックリストにより点検・確認を行う。

 (3) 取得した3Dデータの座標合わせ・幾何補正・図化等に使用するソフトウェアの操作手順については、別紙による。

4 備考

 埋蔵文化財調査への適合性と汎用性を確保する観点から、次の文献を作業行程の基本に据え、機器・ソフトの操作法については適宜その他の文献を参考にした。

    作業に際して疑義が生じた場合には、当該文献を参照するとともに、機器の進歩等に伴うマニュアルの改善・改訂を図ることとする。

  ・ モバイルスキャン協会2022「モバイル端末スキャンマニュアル」(以下「協会マニュアル」と略称。モバイルスキャン協会HP(https://mobilescan.jp/)収録。

    マニュアル作成に埋蔵文化財専門家(奈良文化財研究所文化財担当者専門研修「文化財デジタルアーカイブ課程」講師の一人)が参加。)

  ・ 石井淳平2023「一人でできるフィールドワーク~iPad LiDARを利用した地形計測~」高田祐一(編)『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』5 (独法)国立文化財機構 奈良文化財研究所(奈良文化財研究所文化財担当者専門研修「文化財デジタルアーカイブ課程」講義内容の文字化)

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マニュアル   LiDAR・3Dを活用した測量・実測作業マニュアル 別紙 CloudCompare,QGIS操作



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