第3回 文化財方法論研究会 -文化財の記録を少し先へ-
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【趣旨】文化財の記録を少し先へ
本研究会は、2度にわたるワークショップ・研究発表会を三次元計測を主題としておこなってまいりました。新たな研究の基礎となる身近な研究手法について、多様な発想や実践を通じた成果を発表頂き、また多くの参加者と交流することができました。不十分ながら導入が現実的に可能な方法の共有をすすめる事ができたと感謝しております。今後もこのような催しや会誌を含め、文化財の研究や保護、活用に資する新たな試みのための実験の場として利用していければ、と考えています。
今回は、更に発展させて、本来の目的である、立場を異にする多くの人が利用可能な方法を中心とした様々な技術や方法の共有を主な目的としました。応募いただいた発表課題は主に文化財の情報に関係するものとなりました。発表を機会に、文化財の記録の収集と活用の少し先を考えてみたいと思います。今後も、文化財の調査や整理作業における便利な道具から新たな研究手法まで、多様な方法について取り上げていきたいと思います。
【ワークショップの概要】ワークショップの構成 研究会とハンズオン
今回のワークショップは、以下の構成です。
情報の蓄積と共有のための研究会の部と、実際に作業して技術を共有するハンズオンの部を設けました。
・研究会(発表と質疑応答形式による文化財の調査研究方法の情報蓄積と共有)
・ハンズオン(担当講師が手順を詳細に解説しながら、各自が手を動かして体験)
【研究会の概要】情報の取得から利活用まで、実際に利用できる情報の蓄積と共有を
文化財を保護し、研究し、活用するために役立つ技術がどんどん身近になってきています。これを使わない手はありません。しかし、その存在や利用の実際を個別に調べ、試していくことは大変です。また、既に様々な実践がおこなわれている中で、もしかすると生み出されたその方法が他の課題に直面している人の解決策になるかもしれません。このような情報を共有し、議論を通じて洗練させていくことで、私達が日々対峙している文化財をめぐる問題を解決していくことができるかもしれません。つまらないこと、簡単なこと、当たり前のこと、が人によっては斬新かもしれない、試みてきたこと、定着したこと、それを共有し、方法の「道具箱」の中を充実させることで、よりよい文化財の保護や研究を進めることができるのではないか、と思っています。
2日目の「みんなでQ&Aコーナー」では、皆さまが文化財情報の収集と活用を進める上で疑問に思っていること、解決したいと悩んでいる課題などについて、実際に会場で一緒に考え、解決していきたいと考えています。すでに疑問や課題を抱えている方は、ぜひ申し込みフォームのアンケート欄にご記入ください。もちろん、当日の質問も大歓迎です。
*研究会・情報交換会は、お子さまをお連れの方もご参加いただけます。研究会では「子連れ優先座席」を用意いたしますのでご利用ください。ただし、騒ぎ声など会の進行を妨げる場合等には、親子ともに一時的に退席いただき、落ち着かれてからお戻りいただく場合もありますので、あらかじめご了承ください。
【ハンズオンの概要】必要としている人に方法を
(※今回は2会場で同時開催します。申し込む場合、同時開催のハンズオンに登録しないようにご注意ください!)
最近、三次元計測など技術の話をよく聞くけれど、実際には良くわからない、やってみたいけれど、機会がない、そういう方も多いかと思います。自分で体感することで、技術への理解が進むことも多いでしょう。是非ハンズオンにご参加いただき、体験してください。たとえば実際にSfM-MVSを体験していただくため、平城宮跡の復元遺構や考古資料を題材に、お持ちいただいたデジタルカメラとコンピューターで解析し、三次元モデルを作成することができます。他にも魅力的な内容のハンズオンを御用意しております。
【プログラム】
11月23日(金・祝日)
13:00 受付開始(奈良文化財研究所 本庁舎1階)
13:30-16:00 ハンズオンの部(※今回は2会場で同時開催します。申し込む場合、同時開催のハンズオンに登録しないようにご注意ください!)
【第1会場】
ハンズオンNo.1
タイトル:文化財の三次元計測(初級編)
内容:三次元計測は、簡便な機材で可能になりつつあります。今回は代表的な三次元計測ソフトウェアであるAgisoft Photoscanとデジタルカメラ、コンピューターを使って文化財の三次元モデルを作成し、基礎的な三次元情報の取得について手を動かしながら解説をおこないます。
担当講師:金田明大
【第2会場】
ハンズオンNo.2
タイトル:文化財の三次元計測(中級編)
内容:遺構の三次元モデルに位置情報を加え、作図する。
担当講師:山口欧志
11月24日(土)
9:00 受付開始(奈良文化財研究所 本庁舎1階)
9:30-11:45 ハンズオンの部(※今回は2会場で同時開催します。申し込む場合、同時開催のハンズオンに登録しないようにご注意ください!)
第1ピリオド(9:30-10:30)
【第1会場】
ハンズオンNo.3
タイトル:遺物モデルのスケーリングとマージ
担当講師:中村亜希子
※Photoscan Proを使用予定です。
【第2会場】
ハンズオンNo.4
タイトル:SfMのための遺構写真
担当講師:三井猛
第2ピリオド(10:45-11:45)
【第1会場】ハンズオンNo.005
タイトル:3D データから考古資料の形態情報を取り出す
担当講師:野口淳
【第2会場】
ハンズオンNo.6
タイトル:SketchFabによるデータの公開とAR/VRの実践
担当講師:永見秀徳
13:00-18:00 研究発表の部
13:00-13:10 開会あいさつ 金田明大
13:10-13:40 発表① 永惠裕和「Googlemapとスマホ、QGISを用いた平地城館の検討」
13:40-14:10 発表② 堀木真美子「発掘調査データの整理と公開システム」
14:10-14:40 発表③ 高田祐一・永島幹大「考古学ビックデータの可視化技術とアクセス性向上の実践例-機械学習による画像認識と統計的自然言語処理技術を用いて」
14:40-15:00 休憩
15:00-15:30 発表④ 山口欧志「文化財情報の収集と可視化」
15:30-16:00 発表⑤ 野口淳「石器の三次元計測と三次元形態研究2」
16:00-16:30 発表⑥ 仲林篤史「市の史跡整備に伴う三次元データの活用事例」
16:30-17:00 発表⑦ 高田祐一「廉価型水中ソナーとSfM-MVSによる大坂城石垣石材の海中残石分布調査」
17:30-18:00 みんなでQ&Aコーナー
18:00-18:45 ショートタイムプレゼンテーション(各5分)
L①野口淳「土器の形態・軸・容積を測ってみよう:実測図と三次元計測の比較」
L②福田雄「ArtecEvaで文化財のスキャン」
L③永見秀徳「相互扶助組織としての九州文化財計測支援集団」
L④永見秀徳「現地説明会のカッコイイ前説」
L⑤梅田由子「線刻壁画の3次元計測―3DレーザースキャナとSfMの成果の 比較―」
L⑥金田明大・山口欧志「点群はどれだけ必要?ー海外の例を参考に」
L⑦石松直「被災古墳における復旧作業としてのSfM‐MVS」
L⑧石松智子「民具の三次元計測」
L⑨野口淳・金田明大・清野陽一「考古学とみんなでつくるオープンな取り組み」
18:45- 情報交換会
11月25日(日)
9:00 受付開始(奈良文化財研究所 本庁舎1階)
09:30-11:50 研究発表の部
09:30-10:00 発表⑧ 金田明大「土器口縁径の計測の効率化に向けた試行」
10:00-10:30 発表⑨ 中村亜希子「瓦当紋様の三次元計測データを用いた研究法」
10:30-10:40 休憩
10:40-11:10 発表⑩ 永見秀徳「土器の種子圧痕同定におけるSfM/MVSの有用性」
11:10-11:40 発表⑪ 三井猛「トータルステーションとSfM/ MVSによる仏教岩窟遺構の3次元計測と記録」
11:40-11:50 三井猛 閉会挨拶
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関連行事
13:00-満足する(諦める)まで 特別ワークショップ:文化財の沼
「文化財用SfM-MVSのための写真の撮り方」
「廉価版GNSS測量と廉価版レーザースキャナー」
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詳細はこちら(イベント運営サービスPeatix) URL:https://scpm003.peatix.com/view
をご確認ください。
本研究会は、2度にわたるワークショップ・研究発表会を三次元計測を主題としておこなってまいりました。新たな研究の基礎となる身近な研究手法について、多様な発想や実践を通じた成果を発表頂き、また多くの参加者と交流することができました。不十分ながら導入が現実的に可能な方法の共有をすすめる事ができたと感謝しております。今後もこのような催しや会誌を含め、文化財の研究や保護、活用に資する新たな試みのための実験の場として利用していければ、と考えています。
今回は、更に発展させて、本来の目的である、立場を異にする多くの人が利用可能な方法を中心とした様々な技術や方法の共有を主な目的としました。応募いただいた発表課題は主に文化財の情報に関係するものとなりました。発表を機会に、文化財の記録の収集と活用の少し先を考えてみたいと思います。今後も、文化財の調査や整理作業における便利な道具から新たな研究手法まで、多様な方法について取り上げていきたいと思います。
【ワークショップの概要】ワークショップの構成 研究会とハンズオン
今回のワークショップは、以下の構成です。
情報の蓄積と共有のための研究会の部と、実際に作業して技術を共有するハンズオンの部を設けました。
・研究会(発表と質疑応答形式による文化財の調査研究方法の情報蓄積と共有)
・ハンズオン(担当講師が手順を詳細に解説しながら、各自が手を動かして体験)
【研究会の概要】情報の取得から利活用まで、実際に利用できる情報の蓄積と共有を
文化財を保護し、研究し、活用するために役立つ技術がどんどん身近になってきています。これを使わない手はありません。しかし、その存在や利用の実際を個別に調べ、試していくことは大変です。また、既に様々な実践がおこなわれている中で、もしかすると生み出されたその方法が他の課題に直面している人の解決策になるかもしれません。このような情報を共有し、議論を通じて洗練させていくことで、私達が日々対峙している文化財をめぐる問題を解決していくことができるかもしれません。つまらないこと、簡単なこと、当たり前のこと、が人によっては斬新かもしれない、試みてきたこと、定着したこと、それを共有し、方法の「道具箱」の中を充実させることで、よりよい文化財の保護や研究を進めることができるのではないか、と思っています。
2日目の「みんなでQ&Aコーナー」では、皆さまが文化財情報の収集と活用を進める上で疑問に思っていること、解決したいと悩んでいる課題などについて、実際に会場で一緒に考え、解決していきたいと考えています。すでに疑問や課題を抱えている方は、ぜひ申し込みフォームのアンケート欄にご記入ください。もちろん、当日の質問も大歓迎です。
*研究会・情報交換会は、お子さまをお連れの方もご参加いただけます。研究会では「子連れ優先座席」を用意いたしますのでご利用ください。ただし、騒ぎ声など会の進行を妨げる場合等には、親子ともに一時的に退席いただき、落ち着かれてからお戻りいただく場合もありますので、あらかじめご了承ください。
【ハンズオンの概要】必要としている人に方法を
(※今回は2会場で同時開催します。申し込む場合、同時開催のハンズオンに登録しないようにご注意ください!)
最近、三次元計測など技術の話をよく聞くけれど、実際には良くわからない、やってみたいけれど、機会がない、そういう方も多いかと思います。自分で体感することで、技術への理解が進むことも多いでしょう。是非ハンズオンにご参加いただき、体験してください。たとえば実際にSfM-MVSを体験していただくため、平城宮跡の復元遺構や考古資料を題材に、お持ちいただいたデジタルカメラとコンピューターで解析し、三次元モデルを作成することができます。他にも魅力的な内容のハンズオンを御用意しております。
【プログラム】
11月23日(金・祝日)
13:00 受付開始(奈良文化財研究所 本庁舎1階)
13:30-16:00 ハンズオンの部(※今回は2会場で同時開催します。申し込む場合、同時開催のハンズオンに登録しないようにご注意ください!)
【第1会場】
ハンズオンNo.1
タイトル:文化財の三次元計測(初級編)
内容:三次元計測は、簡便な機材で可能になりつつあります。今回は代表的な三次元計測ソフトウェアであるAgisoft Photoscanとデジタルカメラ、コンピューターを使って文化財の三次元モデルを作成し、基礎的な三次元情報の取得について手を動かしながら解説をおこないます。
担当講師:金田明大
【第2会場】
ハンズオンNo.2
タイトル:文化財の三次元計測(中級編)
内容:遺構の三次元モデルに位置情報を加え、作図する。
担当講師:山口欧志
11月24日(土)
9:00 受付開始(奈良文化財研究所 本庁舎1階)
9:30-11:45 ハンズオンの部(※今回は2会場で同時開催します。申し込む場合、同時開催のハンズオンに登録しないようにご注意ください!)
第1ピリオド(9:30-10:30)
【第1会場】
ハンズオンNo.3
タイトル:遺物モデルのスケーリングとマージ
担当講師:中村亜希子
※Photoscan Proを使用予定です。
【第2会場】
ハンズオンNo.4
タイトル:SfMのための遺構写真
担当講師:三井猛
第2ピリオド(10:45-11:45)
【第1会場】ハンズオンNo.005
タイトル:3D データから考古資料の形態情報を取り出す
担当講師:野口淳
【第2会場】
ハンズオンNo.6
タイトル:SketchFabによるデータの公開とAR/VRの実践
担当講師:永見秀徳
13:00-18:00 研究発表の部
13:00-13:10 開会あいさつ 金田明大
13:10-13:40 発表① 永惠裕和「Googlemapとスマホ、QGISを用いた平地城館の検討」
13:40-14:10 発表② 堀木真美子「発掘調査データの整理と公開システム」
14:10-14:40 発表③ 高田祐一・永島幹大「考古学ビックデータの可視化技術とアクセス性向上の実践例-機械学習による画像認識と統計的自然言語処理技術を用いて」
14:40-15:00 休憩
15:00-15:30 発表④ 山口欧志「文化財情報の収集と可視化」
15:30-16:00 発表⑤ 野口淳「石器の三次元計測と三次元形態研究2」
16:00-16:30 発表⑥ 仲林篤史「市の史跡整備に伴う三次元データの活用事例」
16:30-17:00 発表⑦ 高田祐一「廉価型水中ソナーとSfM-MVSによる大坂城石垣石材の海中残石分布調査」
17:30-18:00 みんなでQ&Aコーナー
18:00-18:45 ショートタイムプレゼンテーション(各5分)
L①野口淳「土器の形態・軸・容積を測ってみよう:実測図と三次元計測の比較」
L②福田雄「ArtecEvaで文化財のスキャン」
L③永見秀徳「相互扶助組織としての九州文化財計測支援集団」
L④永見秀徳「現地説明会のカッコイイ前説」
L⑤梅田由子「線刻壁画の3次元計測―3DレーザースキャナとSfMの成果の 比較―」
L⑥金田明大・山口欧志「点群はどれだけ必要?ー海外の例を参考に」
L⑦石松直「被災古墳における復旧作業としてのSfM‐MVS」
L⑧石松智子「民具の三次元計測」
L⑨野口淳・金田明大・清野陽一「考古学とみんなでつくるオープンな取り組み」
18:45- 情報交換会
11月25日(日)
9:00 受付開始(奈良文化財研究所 本庁舎1階)
09:30-11:50 研究発表の部
09:30-10:00 発表⑧ 金田明大「土器口縁径の計測の効率化に向けた試行」
10:00-10:30 発表⑨ 中村亜希子「瓦当紋様の三次元計測データを用いた研究法」
10:30-10:40 休憩
10:40-11:10 発表⑩ 永見秀徳「土器の種子圧痕同定におけるSfM/MVSの有用性」
11:10-11:40 発表⑪ 三井猛「トータルステーションとSfM/ MVSによる仏教岩窟遺構の3次元計測と記録」
11:40-11:50 三井猛 閉会挨拶
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関連行事
13:00-満足する(諦める)まで 特別ワークショップ:文化財の沼
「文化財用SfM-MVSのための写真の撮り方」
「廉価版GNSS測量と廉価版レーザースキャナー」
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詳細はこちら(イベント運営サービスPeatix) URL:https://scpm003.peatix.com/view
をご確認ください。
主催文化財方法論研究会
連絡先
文化財方法論研究会 第3回文化財方法論研究会運営事務局e-mail: tuboken3(at)buntubo.net (※(at)を@に変えてください。)
<主催>文化財方法論研究会
<後援>独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所