鞠智城と古代社会
URL |
https://sitereports.nabunken.go.jp/141916
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DOI 2D code |
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DOI |
http://doi.org/10.24484/sitereports.141916
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引用表記 |
歴史公園鞠智城・温故創生館 2025 『鞠智城跡「特別研究」論文集2024:鞠智城と古代社会』熊本県教育委員会
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歴史公園鞠智城・温故創生館 2025 『鞠智城と古代社会』鞠智城跡「特別研究」論文集2024
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wikipedia 出典テンプレート :
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File |
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Title |
鞠智城と古代社会 |
Participation-organizations |
歴史公園鞠智城・温故創生館
- 熊本県
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Store Page |
http://www.kumamoto-bunho.jp/index.html ※ 有償頒布・配布していない場合もあります |
Alternative |
きくちじょうとこだいしゃかい |
Subtitle |
令和6年度鞠智城跡「特別研究」論文集 |
Volume |
13 |
Series |
鞠智城跡「特別研究」論文集 |
Series Number |
2024 |
Author |
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Editorial Organization |
歴史公園鞠智城・温故創生館
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Publisher |
熊本県教育委員会
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Publish Date |
20250328 |
Publisher ID |
43000 |
ZIP CODE |
8628609 |
TEL |
0963831111 |
Aaddress |
熊本市中央区水前寺6丁目18番1号 |
報告書種別 |
annual
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NII Type |
Research Paper |
Research Report |
掲載されていない(発掘調査報告書総目録の掲載対象外) |
NCID |
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JP Number |
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Other Resource |
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Remark |
ISSN 2759-6206
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所収論文 |
Japanease Title |
城柵との比較からみた鞠智城の管理・経営体制 |
English Title |
|
Author |
岡﨑 怜央
, Okazaki Reo
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Pages |
1 - 18
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NAID |
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Prefecture |
Iwate Prefecture
Miyagi Prefecture
Fukuoka Prefecture
Kumamoto Prefecture
Kagoshima Prefecture
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Age |
飛鳥白鳳
奈良
平安
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文化財種別 |
史跡
書籍典籍
歴史資料
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史跡・遺跡種別 |
城館
交通
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遺物(材質分類) |
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学問種別 |
文献史学
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テーマ |
制度・政治
流通・経済史
軍事
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Related Url |
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引用表記 |
wikipedia 出典テンプレート :
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Abstract |
本稿は近年の城柵研究の進展を受け、鞠智城と東北の城柵について、両者の軍事・支援機能に加え、管理・経営体制の面からも比較分析を加えることで、築城時と九世紀、それぞれの鞠智城の機能とその社会的位置づけを論じたものである。 第一章では、築城時における鞠智城の軍事・支援機能に比較分析を加え、前者については由理柵と覚鱉城における軍事機能から、後者については多賀城から胆沢城に対する軍粮・兵員輸送の事例から検討を加えた。その結果として、鞠智城が古代官道である「車路」沿いにあることで、敵の侵入を遮断する機能を有し、かつ百キロメートル以内において支援機能を有するため、大宰府に対する支援機能を発揮し得たと結論付けた。 第二章では、築城時における鞠智城の管理・経営体制について比較分析を行った。そこでは最初に、城柵が有事にも自律的に蝦夷支配を展開できるよう、柵戸と夷俘を経営基盤として人的・物的資源をある程度自給自足する経営体制を有していたことを確認した。これに対し、鞠智城は大宰府の管理・指揮下にて機能することが想定されており、城柵のような自律性は有していなかったと結論付けた。 第三章では、九世紀における鞠智城の管理・経営体制について比較分析を行った。なかでも九世紀の大宰府管内における軍備縮小と、新羅に対する警戒感の高まりに注目し、鞠智城ではこうした情勢の下、経営維持のために周辺集落が経営基盤に組みこまれたと推測した。この結果、鞠智城は城柵と同様、人的・物的資源をある程度自給自足し、有事には周辺住民と城柵とが一体となって防衛にあたる、自律的な組織として再編成されたことを明らかにした。またこの再編成によって鞠智城は、軍備縮小により軍粮や兵員の輸送が困難となる大宰府管内において、肥後国における対新羅用の軍事拠点として、高い戦略的価値を有するようになったと結論付けた。 |
Japanease Title |
地域支配における古代山城の役割 |
English Title |
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Author |
柿沼 亮介
, Kakinuma Ryousuke
|
Pages |
19 - 49
|
NAID |
|
Prefecture |
Osaka Prefecture
Okayama Prefecture
Hiroshima Prefecture
Yamaguchi Prefecture
Kagawa Prefecture
Ehime Prefecture
Fukuoka Prefecture
Saga Prefecture
Nagasaki Prefecture
Kumamoto Prefecture
Oita Prefecture
Miyazaki Prefecture
Kagoshima Prefecture
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Age |
飛鳥白鳳
奈良
平安
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文化財種別 |
史跡
書籍典籍
歴史資料
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史跡・遺跡種別 |
城館
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遺物(材質分類) |
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学問種別 |
文献史学
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テーマ |
制度・政治
軍事
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Related Url |
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引用表記 |
wikipedia 出典テンプレート :
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Abstract |
本稿では古代山城について、その築造・修築・廃絶などの過程をおいながら、時期ごとの国際情勢や国内支配の様相と関連して山城がどのように整備され、またそれが地域支配においていかなる意味を有したかについて検討した。その上で、大宝律令の下での「城」制度に関する見通しを述べた。 『日本書紀』における古代山城の築城記事からは、長門国の城・大野城・基肄城と、高安城・屋嶋城・金田城という二段階で山城が整備されたことが窺える。古代国家は第一段階として、筑紫と関門海峡をまずは死守すべき防衛ラインとして位置づけて山城の運用を開始した。続く第二段階として築かれた高安城は最終防衛ラインであり、かつ飛鳥・藤原の宮都と大阪平野を結ぶ畿内の中央部に位置することから、政権の基盤たる畿内を支配する上での役割をも担っていた。屋嶋城は瀬戸内海への侵攻に備えたものであるが、同時期の瀬戸内地域では交通路や地域支配の拠点から近いところに「一般の軍事拠点」としての山城も整備され、それらは一体として運用された。しかしあくまで各地で一般的にみられる現象のため、これら「一般の軍事拠点」は史書に記録されていない。一方で屋嶋城は、想定侵攻経路の監視に特化した特殊な山城であることから、史書にも名がみえる。金田城は敵襲の監視とそれを筑紫に伝達する役割を担い、堅固な石塁には「見せる城」としての意味があったが、島嶼の領域的防衛は想定されておらず、軍事的緊張の緩和にともなっていち早く廃絶した。 多くの古代山城は八世紀初頭まで存続したが、唐と新羅の対立によって六七〇年代には日本列島侵攻の可能性は低下していた。それでも存続した理由としては、高句麗の残存勢力や耽羅からの外交使節の来日がなくなる中で、「中華」としての自国の体裁を維持すべく、古代国家が南西諸島や隼人などへの支配を強化したことが関係している。そのため各地の山城は大宰総領の下で維持され、特に南部九州における「辺境」支配の後背地として重視された大野城・基肄城・鞠智城は「繕治」された。 大宝律令の下で山城の管理は大宰総領から国司に移管されたが、引き続き大宰府がおかれた西海道を除く地域では山城は衰退していった。大宝律令の編纂時点では「城」制度の構築が目指されていたが、養老律令の段階で山城の維持は放棄された。一方で西海道の山城では、その軍事的側面は国司が管轄したが、城内に設置された倉庫の管理は大宰府によって担われた。倉庫に収められた物資が西海道諸国の共用物となったことにより、九世紀に日本列島と朝鮮半島との間の海域の人々の活動が活発化すると、たとえそれが肥後国の管内で起こったことではなかったとしても鞠智城まで影響が及び、怪異記事という形で史書に記録されることになった。 |
Japanease Title |
倭政権の国境域防衛機構 ―軍事的施策と宗教的施策― |
English Title |
|
Author |
小嶋 篤
, Kojima Atushi
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Pages |
51 - 80
|
NAID |
|
Prefecture |
Fukuoka Prefecture
Kumamoto Prefecture
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Age |
古墳
飛鳥白鳳
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文化財種別 |
史跡
書籍典籍
歴史資料
考古資料
埋蔵文化財
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史跡・遺跡種別 |
官衙
城館
交通
古墳
祭祀
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遺物(材質分類) |
土器
金属器
|
学問種別 |
考古学
文献史学
|
テーマ |
制度・政治
宗教
軍事
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Related Url |
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引用表記 |
wikipedia 出典テンプレート :
{{Citation|first=篤|last=小嶋|contribution=倭政権の国境域防衛機構 ―軍事的施策と宗教的施策― |title=鞠智城と古代社会|date=2025-03-28|url=https://sitereports.nabunken.go.jp/141916|location=熊本市中央区水前寺6丁目18番1号|doi=10.24484/sitereports.141916|series=鞠智城跡「特別研究」論文集|volume=2024}}
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Abstract |
本研究では、倭政権の軍事的施策と宗教的施策を検討し、国境域防衛機構の全体像描写を試みた。軍事的施策の一つとして施行された古代山城の築城は、古墳時代後期より整備されてきた戦時侵攻体制(軍事動員・物資備蓄)上に存在しており、交通路や拠点的ミヤケの分布とも一定の相関関係をもつ。外敵襲来時の「戦場」となる筑紫洲北部では、『日本書紀』では古代山城築城記事に先んじて、防人・烽配備とともに水城築造が記載されるため、筑紫洲を縦走する南北路の閉塞が重要視されていることが分かる。次いで築城記事がある大野城と、その対面にある小水城群・牛頸丘陵は、水城を挟んで鶴翼状配置を採り、水城前面での外敵迎撃が基本戦略であったと把握できる。この主要迎撃地点で臨戦態勢を採っていたのが筑紫大宰である。筑紫大宰が動員する公的軍隊は、任地の筑紫国造軍が主力であり、同国造軍は鞠智城とも接続する南北路を利用して外征軍動員を重ねてきた実績がある。つまり、水城前面での外敵迎撃は戦術的優位だけでなく、軍事動員・兵站確保という戦略的優位も確保していたと評価できる。 一方で、外敵襲来が警戒される玄界灘航路の要衝・宗像地域は、古代山城分布の空白地である。宗像地域は古墳時代(四世紀)より倭政権が信仰してきた宗像神の坐す地であり、同地には充神民が居住してきた。古代山城築城期と重なる飛鳥時代後半(七世紀後半)には神郡が宗像神に奉じられ、倭政権の宗教的施策として重要視されていたことが分かる。神郡郡司・宗像神社神主を同族のみで独占する宗像君(宗形朝臣氏)と、その服属集団である宗像部は玄界灘航路沿いの港湾に分布し、古墳時代中期以後、筑紫君とならぶ大規模動員力を古代山城築城期にも保持していた。つまり、宗像神が坐す神郡は、軍事と宗教の両面で守護された土地であったと評価できる。 総括すると、「戦場」となる筑紫州での古代山城配置には、地質環境や交通路といった即物的な軍事要因だけでなく、①各国造軍を率いる氏族の歴史的実績や、②倭政権の国家的宗教体系も反映していると結論できる。 |
Japanease Title |
古代山城成立地における考古学的地域史研究 ―おつぼ山神籠石をケーススタディーとして― |
English Title |
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Author |
徳富 孔一
, Tokudomi Kouiti
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Pages |
81 - 106
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NAID |
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Prefecture |
Fukuoka Prefecture
Saga Prefecture
Nagasaki Prefecture
Kumamoto Prefecture
Oita Prefecture
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Age |
弥生
古墳
飛鳥白鳳
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文化財種別 |
史跡
考古資料
埋蔵文化財
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史跡・遺跡種別 |
集落
城館
交通
その他の生産遺跡
墓
古墳
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遺物(材質分類) |
土器
金属器
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学問種別 |
考古学
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テーマ |
制度・政治
流通・経済史
軍事
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Related Url |
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引用表記 |
wikipedia 出典テンプレート :
{{Citation|first=孔一|last=徳富|contribution=古代山城成立地における考古学的地域史研究 ―おつぼ山神籠石をケーススタディーとして―|title=鞠智城と古代社会|date=2025-03-28|url=https://sitereports.nabunken.go.jp/141916|location=熊本市中央区水前寺6丁目18番1号|doi=10.24484/sitereports.141916|series=鞠智城跡「特別研究」論文集|volume=2024}}
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Abstract |
佐賀県武雄市橘町に所在するおつぼ山神籠石は、杵島山山塊西麓部に位置し、有明海の入江状地もしくは接続河口部を直視することは可能だが、有明海の海原を直視することは出来ない。従って、おつぼ山神籠石には、対有明海防備ではない役割・性格が考えられる。そこで、本稿では、おつぼ山神籠石が成立する六角川中流域及び武雄盆地における弥生時代早期から古墳時代終末期(飛鳥時代)までの考古学的地域史研究をミクロ的に行い、その上で、マクロ的に六角川中流域の地域的特性を考察する。 まずミクロ的な地域史研究では、武雄川流域北岸と六角川中流域が、基本的に弥生時代早期以来、遺跡形成を継続させる地域であるが、武雄川流域北岸が古墳時代前期前葉以降に空隙を生むのに対し、六角川中流域は遺跡形成が鈍くなりながらも継続させ、古墳時代中期後葉以降に首長墓系譜を確立する地域となることが分かる。そして、弥生時代後期に中広形銅矛が埋納された玉江遺跡は、そこより六角川上流に遺跡展開を見ないことから、フロンティアな遺跡であり、弥生時代終末期以降に遺跡形成が進み、古墳時代には竪穴建物と掘立柱建物が並ぶ景観となる。また、陸路で接する藤津郡域の杵島山山塊西南部では古墳が確認されないことや、杵島山山塊北部では別の首長墓系譜が成立していることからも、六角川中流域はフロンティアな性格を有した小世界を築いていたと言える。 次にマクロ的な考察では、六角川中流域は、弥生時代において環濠集落や金属器といった玄界灘沿岸文化と台付甕や肥前型器台といった環有明海的文化の十字路であり、それが古墳時代前期前葉以降の斉一的な古墳文化(布留式土器様式・前方後円墳)によって一端解消されたにせよ、古墳時代中期後葉から筑紫君の関与の下で再びフロンティアな場所として機能したことが分かる。 それらのことから、六角川中流域に成立する有明海準直視型古代山城のおつぼ山神籠石は、辺境警備の役割・性格を有し、大宰府防衛における南面の防備として、筑紫君の版図ないし版図外に睨みを利かせていたことが考えられる。 |
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Site |
Site Name |
鞠智城跡 |
Site Name Transcription |
きくちじょうあと |
Order in book |
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Address |
熊本県山鹿市菊鹿町米原ほか |
Address Transcription |
くまもとけんやまがしきくかまちよなばる |
City Code |
43208 |
Site Number |
100 |
North Latitude (JGD) |
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East Longitude (JGD) |
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North Latitude (WGS) |
330010 |
East Longitude (WGS) |
1304700 |
経緯度(世界測地系)10進数(自動生成) |
33.002777 130.783333
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※当該位置周辺を表示し、同一名称の遺跡データが存在する場合は遺跡をポイント表示します。
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Research Period |
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Research Space |
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Research Causes |
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OverView |
Site Type |
城館
|
Main Age |
飛鳥白鳳
奈良
平安
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Main Features |
掘立柱建物跡
礎石建物跡
貯水池跡
土塁跡
城門跡
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Main Foundings |
土師器
須恵器
瓦
墨書土器
木製品
木簡
仏像
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Remark |
古代山城 「秦人忍□五斗」木簡 銅造菩薩立像 |
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Abstract |
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