続・東海地方の古代瓦塔研究ノオト
永井 邦仁
8 世紀の東海地域における瓦塔について、独特の軸部表現技法をもとに設定した猿投窯型を中心に、今度は屋蓋部にも注目してその全体プロポーションを概観した。それは8 世紀後半段階に全体の大型化に加えて屋蓋部の大型化という2つの指向性をもっていたが、やがて屋蓋部を強調する点のみになり、9 世紀初頭には極端に高さの詰まった小型の瓦塔へ変貌したと推察した。