紀年銘箱書と阿蘭陀焼 資料紹介01~松浦コレクションから~
武部 真木
堀木 真美子
「阿蘭陀焼」とは、長崎出島へオランダ船(連合オランダ東インド会社)が運んできたやきものをいう総称名詞である。日本で古美術品として扱われているプリントウェアは1800 年~ 1860 年頃の鎖国期に伝来したもので、出土資料には18 世紀末~ 1870 年頃に製作されたものが多い。これらは欧州で普及品として量産された製品であったが、伝来した日本では茶器として高く評価されたこともあり、今日まで所蔵されてきた資料も数多く存在する。
紀年銘箱書をもつ資料(個人蔵)に接する機会に恵まれたことで、考古学資料との比較を目的とした資料調査・分析を行うことができた。今回の資料群にはイギリス(アダムス/ W. ブラウンフィールド)とオランダ(ペトゥルス・レグゥー)の製作窯の製品が含まれ、箱単位で一見組物とみられる同一文様のプリントであっても、素地の形状や刻印などでは差異が抽出された。
紀年銘箱書をもつ資料(個人蔵)に接する機会に恵まれたことで、考古学資料との比較を目的とした資料調査・分析を行うことができた。今回の資料群にはイギリス(アダムス/ W. ブラウンフィールド)とオランダ(ペトゥルス・レグゥー)の製作窯の製品が含まれ、箱単位で一見組物とみられる同一文様のプリントであっても、素地の形状や刻印などでは差異が抽出された。