奥東京湾最奥部の貝塚研究Ⅰ−縄文時代前期におけるヤマトシジミの採集活動について−
能登 健
( NOTO Ken )
塚本 師也
( TSUKAMOTO Moroya )
藤井 敏二
( FUJII Toshiji )
高見 哲士
( TAKAMI Tetushi )
縄文前期の奥東京湾最奥部の貝塚におけるヤマトシジミの採集活動の具体像を理解するために、篠山貝塚、清六Ⅲ遺跡、城山遺跡出土のヤマトシジミを分析した。ヤマトシジミは、殻長を1 mm単位として計測し、その大きさの出現率を棒グラフに示した。その結果、「篠山型」と「清六・城山型」に分類し、両者の基本的な差異は採集場所である汽水性干潟の生育環境によるものとした。
また、千葉県木更津市盤州干潟での生息状況観察と、茨城県茨城町涸沼でのシジミ漁師などからの聞き込み調査を加えて、具体的な採集活動を集落域に近接した定点的な「汽水性干潟」として、採集方法を「摘み採り」を主としてごく一部に「掬い取り」があったとした。
そして、奥東京湾の汀線後方の広大な地帯に様々な汽水性干潟が存在したことを示唆した。
また、千葉県木更津市盤州干潟での生息状況観察と、茨城県茨城町涸沼でのシジミ漁師などからの聞き込み調査を加えて、具体的な採集活動を集落域に近接した定点的な「汽水性干潟」として、採集方法を「摘み採り」を主としてごく一部に「掬い取り」があったとした。
そして、奥東京湾の汀線後方の広大な地帯に様々な汽水性干潟が存在したことを示唆した。