古代・中世における野間の歴史的景観
蔭山 誠一
永井 邦仁
愛知県知多郡美浜町に所在する権六遺跡の発掘調査成果をもとに、同町にある下高田遺跡・下高田丸山遺跡の遺構と出土遺物を調査し、古代から中世にかけての周辺地域の遺跡の再検討、および明治17 年作成の地籍図の土地利用からの地形変遷の分析を行った。その結果、製塩遺跡があり、木簡にみられる調塩も行われた古代の景観と、大御堂寺などの寺院創建があり、丘陵部において窯業生産が営まれる中世の景観、野間船や内海船などの海運が盛んな中世後期から江戸時代にかけての景観とそこで営まれた交易の変遷を示した。