松原市における小規模デジタルアーカイブの活用事例
A Case Study on the use of Small-Scale Digital Archives in Matsubara City
奈良文化財研究所
- 奈良県
1.はじめに
松原市は1955年(昭和30)に2町3村が合併して誕生した市で、2025年(令和7)2月1日に市制施行70周年を迎えた。大阪府のほぼ中央に位置しており、北は大阪市と八尾市、西と南は堺市、そして東は羽曳野市と藤井寺市に接している。市域の面積は16.66平方キロメートルで、人口は116,249人(2024年12月末現在) [1]である。
教育委員会事務局教育総務部文化財課では2022年3月30日に松原市ホームページ内で「まつばら文化財デジタルアーカイブ」を公開している。公開までの経緯や国ポータルサイト「ジャパンサーチ」との連携までの経過については本報告で紹介している(大矢2023)。本稿では2023年度に実施したデジタルアーカイブを活用した取組みについて紹介する。なお、本稿は奈良文化財研究所の2024年度文化財担当者専門研修「文化財デジタルアーカイブ課程」[2]の発表内容を基にしたものである。
2.まつばら文化財デジタルアーカイブについて
(1)デジタルアーカイブの方向性
デジタルアーカイブの定義について定まったものはないが、ジャパンサーチでは「デジタル情報資源を収集・保存・提供する仕組みの総体」(デジタルアーカイブジャパン推進委員会実務者検討委員会 2023)と定義している。本市では、プラットフォームの選択よりも組織的に収集と保存を継続できる仕組みを構築することの方が重要と考える。そのため、デジタルアーカイブの作成から活用までのプロセスを数年で一巡することにより、組織の規模に見合う仕組みの構築と地域の実態に即した利活用の姿を探るべく、試験的に事業を実施している。
(2)デジタルアーカイブの現状
「まつばら文化財デジタルアーカイブ」[3]は松原市ホームページ内で公開しており、郷土かるた『まつばらいろはかるた』に関連する文化財が主なコンテンツである。利用頻度の高い資料のみをデジタル化して公開する優品主義ともいえる段階で、現在は90点の画像を公開している。原則、クリエィティブ・コモンズ・ライセンス(以下、「CCライセンス」と略す)を採用しており、ダウンロードした画像や翻刻・読み下しは自由に二次利用が可能である。しかし、通常の静的ページに全コンテンツが羅列されるのみで検索機能やサムネイルの拡大表示機能などは実装していない(図1)。そこで、文化庁が運用するデジタルアーカイブの「文化遺産オンライン」[4]と連携することにより不足する機能を補っている[5]。また、国立国会図書館が運用するポータルサイト「ジャパンサーチ」[6]と文化遺産オンラインはデータが自動連係しており、ジャパンサーチの機能を使いサイト内部に松原市の文化財のみを閲覧できるページを作成している(図2)。文化遺産オンラインとの連携には手動でデータを流し込む手間はあるが、各サイトは実装機能もユーザー層も異なるため3つのサイトで公開することは十分なメリットがある。
図1_松原市ホームページでのコンテンツ表示画面 図2_ジャパンサーチ内の連携機関紹介ページ |
市のホームページでは、文化財の画像コンテンツとは別に一般的にオープンデータと呼ばれるデータセットについても公開している。内容はデジタル庁の自治体標準オープンデータセット[7]にある文化財一覧と郷土かるたに関するデータセット2件で、同じデータは「松原市オープンデータカタログサイト(BODIK ODCS)」[8]でも公開している。なお、かるたの読み句や題材となった文化財の位置情報については第三者の利活用を妨げないようCCライセンスで公開している。
3.デジタルアーカイブの活用事例
(1)現地に残る文化財とアーカイブ資料をつなぐ
デジタルアーカイブのコンテンツには、所在地・出土地点・展示場所といった様々な位置情報が付与されている。しかし、コンテンツの閲覧者が実物や現地を「見たい」と感じ、位置情報の示す場所を訪れるためには動機づけが必要となる。そこで、立藩400年の節目を迎える丹南藩の陣屋に関する3つの文化財を巡った人に記念として御城印を配布するイベントを2023年9月~12月に実施した[9]。イベント参加者が御城印を入手するまでの手順は以下の通りである。
①インターネット上のジャパンサーチ、文化遺産オンライン、まつばら文化財デジタルアーカイブのいずれか1つのサイトにアクセスして「丹南村地籍図」のページを開き、スクリーンショットを撮る(図3)。
②松原市丹南にある来迎寺(融通念佛宗)で、山門の前にある「舊丹南藩主高木主水正陣屋址碑」の写真を撮る(図4)。
③ふるさとぴあプラザ1Fにある松原市郷土資料館の常設展示室で、丹南遺跡(陣屋跡推定地)出土品の写真を撮る(図5)[10]。

左から 図3_文化遺産オンラインのスクリーンショット
図4_舊丹南藩主高木主水正陣屋址碑の写真
図5_松原市郷土資料館に展示された丹南遺跡出土品の写真
④施設の受付で巡った文化財の撮影画像を提示して御城印(図6)を受け取る。
また、参加者が撮影画像に指定したハッシュタグを付けSNSに投稿することで特別版の御城印(図7)がもらえるようにした。これは、参加者相互の可視化と企画の情報拡散を目的としたものである。
図6_通常版の丹南陣屋御城印 図7_特別版の丹南陣屋御城印 |
(2)点在するコンテンツを記事としてまとめる
インターネット上で、文化財の目録や台帳のような簡易の文字情報だけでなく解説・翻刻・画像・3Dモデルなどのより豊富で詳細な情報をオープンにしていくことは重要である。しかし、インターネット・紙媒体・現地といったあらゆる場所に点在する文化財のコンテンツを端的にまとめて根拠情報への入口を用意することも同じく重要と考える。
インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」[12]は記事を編集する際に根拠となる情報を明記する必要があり、インターネット上で公開されている情報にはリンクを貼ることができる。そこで、デジタルアーカイブで公開している画像(CC BY、PDM)と端的にまとめられた文章を組み合わせた文化財の概説を自分たちで作り発信することを目的に「ウィキペディアタウンin松原市」を開催した[13]。
参加のハードルを下げるために「まち歩き」は行わず、「読書の森(松原市民図書館)」を会場として記事の編集作業のみを行った。今回はウィキペディアタウンの持つ地域コミュニティ活性化ツールとしての可能性を伝えたかったため、ウィキペディアンの漱石の猫氏(edit Tango 所属)に講師を依頼した[14]。3時間半でウィキペディアの意義や操作・編集方法の説明、図書館利用方法の説明、資料探し、記事の編集、講評をこなすタイトなスケジュールのため、事前に合同で編集するテーマと記事の枠組みを講師に用意してもらっていたが、それぞれ明確なテーマや目的があったため各自で記事を編集する形に変更した。開催後、編集した記事名などの開催情報をウィキペディア内のプロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウンに記録を残した[15]。また、より多くの人に安心して使ってもらえる信用できる記事・検証できる記事とするため、後日、出典を中心に記事の修正を主催者が行った。
地域の信頼できる情報を自分たちの手で編集・発信するという取組みへの参加人を増やしていくため、松原市でどのようなウィキペディアタウンを開催するのが良いか今後も模索する必要がある。
(3)現地に残る文化財を写真や地図として記録する
多くの刊行物には文化財の位置情報が文章や地図で示されているが、紙媒体特有の制限により示された情報のみを手がかりに現地へたどり着くことが困難な場合も少なくない。その場にある全ての地物が記録された史跡の保存管理計画にあるような精度の地図が作成されている文化財は限られている。そこで、参加者が現地を歩いて自分の目で見たモノを地図などに記録するワークショップ「まちの記憶をデジタルアーカイブ@松原市」を開催した[16]。誰でもインターネットで正確な情報を入手し現地にたどり着けるようにすることを目的としたが、発見・記録・発信という行為を通じて参加者と文化財につながりが生まれる(愛着をもつ)効果も期待しての実施である。
ワークショップは柴籬神社とふるさとぴあプラザを会場として4時間実施した。講師は活動実績が豊富な坂ノ下勝幸氏(諸国・浪漫、Code for OSAKA 所属)とウィキペディアンのArisen氏に依頼し、文化財課職員は現地の案内と文献資料の準備を担当した。当日は3つのツールを使用したが、まず、位置情報の記録には「オープン・ストリート・マップ(Open Street Map、以下「OSM」)」[17]を使用した。フリー地図と呼ばれることもあるが、位置情報だけでなく属性情報も記録できるため正確には地図表示が可能なデータベースである(図8)。ライセンスはODbL(Open Database License)で、自由な二次利用が可能であり情報の再利用も容易である。次に、撮影した写真の記録にはCCライセンスで画像などのファイルを保管・公開できる「ウィキメディア・コモンズ(Wikimedia Commons)」[18]を使用した。最後に、文章の記録を残すツールとして先述のウィキペディアを使用した[19]。

図8_OSMの表示画面((C)OpenStreetMap contributors)
当日の流れであるが、まず講師が趣旨と各ツール操作方法の説明を行い、次に全員で柴籬神社の境内を歩いて石造物など地物の位置記録(略図作成)と写真撮影を行った。そして、2チームに分かれて作業を行った後、最後に全員で成果を確認した。各チームの作業であるが、OSM編集チームは現地での記録を基に地物を追加し(図9)、ウィキペディア編集チームは撮影した写真のアップロード(図10)と文化財課職員から提供された資料を出典とした記事の編集を行った。

図9_OSMの地物編集画面((C)OpenStreetMap contributors)

図10_ウィキメディア・コモンズにアップロードされている柴籬神社の写真
このワークショップだが、参加者が開催時間内で神社に関する文献を読み解き端的に記事としてまとめることや隅々まで地図に記録することは、少しハードルが高いと感じた。そのため、今後は参加者が納得できる形で終われるように主催者側がルート設定や文献収集などの事前準備をよりしっかりと行う必要がある [20]。
また、別の日には石造物の銘文を記録・発信することに特化した「ひかり拓本」アプリのワークショップを開催した[21]。拓本をオープンデータとして流通させることにより熟練者やAIの助力で将来判読できる可能性もあるため、自分が銘文を読めない場合でも気軽にアプリで記録しデータを公開してもらうことを目的としたものである。ワークショップは3時間行ったが、使い方の理解と練習でほぼ時間を使い切る結果となった。もし、参加者が出来の良い拓本データを集めてウィキメディア・コモンズにアップロードするのであれば、終日または複数日の開催が望ましいと考える。
(4)ワークショップ資料をオープン化する
上記(1)~(3)のワークショップで講師が作成した資料については、主催者側で全国遺跡報告総覧に登録した。これは、発掘調告報告書と異なる分野の資料を公開することにより新たなユーザーが流入することを期待したものである。講師が機関リポジトリを利用できない場合、DOI付与によるアクセス保障や検索性の向上といったメリットもある。また、全国文化財イベントナビにワークショップの開催情報を登録している場合、終了後に関連資料として登録資料へのリンクを貼ることでイベント情報と共にアーカイブすることができる。
全国遺跡報告総覧のサイトで公開したワークショップ資料をその後も講師に利用してもらうことができれば、引き続きサイト閲覧者を獲得することができる。「ウィキペディア編集マニュアル」はワークショップ終了後も講師が利用し、「図書館総合展」のサイトに資料へのリンクが貼られたことでダウンロードが100件を超える月があった[22](図11)。主な興味・関心が歴史や文化財とは限らない人たちを全国遺跡報告総覧という専門サイトへ誘導したことは成果と言える。なお、松原市では地方指定文化財の調書や歴史講座のレジュメやスライドといった発掘調査報告書以外のコンテンツも積極的に登録しており、遺跡や考古学以外に興味・関心がある層のアクセスが増加している(図12)。

図11_ウィキペディア編集マニュアルのダウンロード数推移(2023年10月~2024年12月)

図12_全国遺跡報告総覧で公開している資料ダウンロード件数の推移(2023年4月~2024年12月)
4.今後、アーカイブ機関としてデジタルアーカイブ活動をどう進めていくのか
(1)デジタルアーカイブの達成度を確認する
運用するデジタルアーカイブを改善するためには有効性の検証が欠かせないが、そのためのツールとしてデジタルアーカイブジャパン推進委員会・実務者検討委員会が「デジタルアーカイブアセスメントツールVer.3.0」[23]を公開している。本市の主な課題は本ツールにある「人材の育成」と「デジタルコンテンツの品質」である。まず、人材育成の点では担当者とそれ以外の者とのデジタル化とオープン化についての解像度の差をより小さくすることである。次に、品質の点では業務量を極力増やさずに実物資料から3Dデータというより情報量の豊かなデジタルコンテンツを取得し公開するかという課題がある。
(2)情報への入口を一つでも多くネットワーク上に作る
インターネットでの情報検索は検索エンジンの利用が主流であるため、検索上位に正確な文化財の情報が表示されることが望ましい。検索上位となることが多いウィキペディアの記事作成は有効であり、文化遺産オンラインなどで公開した画像が検索結果に表示されることも視覚に訴える効果がある。また、若い世代ほどSNSや動画サービスを利用する割合が高い傾向にあるため[24]、そちらへの情報発信も不可欠である。なお、本市では小中学生のICT端末でブロックされない松原市民図書館のサイト「まつばら電子図書館」[25]でも一部の刊行物を公開している[26]。検索サービスの結果としては表示されることはないが、アクセス保障の観点から必要と考える。
ポータルサイトなど他機関のプラットフォームと連携することでも入口は増すことはできる。ジャパンサーチではSNSの投稿を継続することでサイトへの入口が埋もれることを防ぎ、多様なコンテンツや活用方法について投稿することで幅広いユーザーの取り込みを試みている。ジャパンサーチのサイトでは表示コンテンツの下に関連コンテンツが表示されるため、自機関のコンテンツが閲覧される機会も生まれてくる。ジャパンサーチを介して約150の連携機関とインターネット上で相互につながることは大きなメリットである。今後は、他機関が公開しているコンテンツも含み電子展覧会のページを作成することができるギャラリー機能を利用し、より目立つ入口を作る必要がある[27]。
(3)既にデジタル化された情報をオープンにする
デジタルアーカイブで公開している発掘調査の遺構写真は、過去にデジタル化しストックしていたものを利用している。本市では、フィルムの退色に備えてサイズの大きいフィルムからデジタル化を進めているが、台帳については公開していない。発掘報告書などに掲載された写真も一部あるが、モノクロであることやサイズが小さいなどの問題がある。実物を観察できない遺構の情報記録について全容不明かつアクセス困難であることは、研究だけでなくまち歩きや史跡めぐりなどへの活用にも支障をきたす。今後、報告書用に加工する前の元データを利用・加工できる姿で公開・流通させる仕組みについて検討を要する。
他機関がデジタル化した情報のオープンアクセス推進も進める必要がある。国立国会図書館では収集した資料をデジタル化し「国立国会図書館デジタルコレクション」[28]で公開している。著作権保護期間中の資料は著作者が許可することにより、ログインなしで誰でも閲覧できるようになる。サイトでは個人向けデジタル化資料送信サービス[29]の登録利用者(本登録)のみに閲覧できる入手困難資料が200万点ほどあるが、18歳未満の者と国外に居住する者は登録できないため、公開区分の変更手続きは意義があると考える。
(4)著作物のデータをオープンにすることを習慣づける
利用許諾にかかる労力を削減し自由な利活用を促進するため、業務過程で発生する著作物をオープンにできるよう権利処理の仕組みを整え、ワークフローに組み込むことが重要である。自治体職員の職務著作は内規での対応であるが[30]、業務委託成果物や外部依頼原稿は契約による手続きが必要である。オンライン公開や自由な二次利用を前提としない過去の契約書は権利処理の条項が不足しており、昨年度の本研究報告に掲載されたに矢内一正よる契約マニュアル(矢内 2023)などを参考にした見直しは必須である。また、長期に渡る利活用を想定している場合は文書の保存期間についても注意を払う必要がある[31]。
現在、本市では発掘調査報告書をCC BY 4.0で公開することを試みている。まず、報告書の例言で著作者および著作権者を記している。次にCCライセンスであることを記し、どの箇所が第三者の著作物で利用許諾が必要となるかについても明記している。最後に、奥付ページで改めて文章とライセンスマークで記し、数値的なデータや簡易な表・グラフに加えて拓本は著作権が発生しないことも付け加えている[32]。
これまでの発掘調査報告書は著作者のみを記し著作権の帰属は未記載であることが一般的であった。二次利用促進のためにはCCライセンスの利用が望ましいが、新たなオーファンワークスを生み出さないために刊行時の権利処置だけでも行う必要がある。
5.おわりに
松原市がデジタルアーカイブで公開しているコンテンツは、過去の市史編さんや発掘調査でアナログ情報として記録されたものがベースでとなっている。これまでは情報の一部を紙媒体で刊行してきたが、「文化財の資料と情報を一元的に管理し、専門知識を持った職員が選択したものだけを編集・加工して配布する」という一方通行の在り方は成立し難い。基礎自治体のアーカイブしたアナログ情報が次世代の手(デバイス)に渡り生存するためには、インターネット上に広がり続ける「機関や分野に制限されず相互に連携しあうエコシステム(デジタルアーカイブ環境)」(阿児 2024)に移り住み、自由に利活用され続ける必要がある。
今後は、①これまで蓄積してきた全アナログ情報のデジタル化・オープン化、②新たな調査で収集するデジタルデータの提供、③提供したコンテンツの利活用を促進する取組み(図13)、を限られた人的リソースで持続化できるよう業務フローなどの最適化を検討していく必要がある。
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図13_デジタルアーカイブの活用における各活動主体のアクション ((C)デジタルアーカイブジャパン推進委員会実務者検討委員会) |
【補注】
[1] “町別年齢別人口 令和6年(2024)年度” 松原市ホームページ https://www.city.matsubara.lg.jp/docs/1444090.html
[2] “文化財担当者研修 Training programs”奈良文化財研究所ウェブサイト https://www.nabunken.go.jp/fukyu/kensyu.html
[3] “まつばら文化財デジタルアーカイブ” 松原市ホームページ https://www.city.matsubara.lg.jp/docs/culturalheritage_digitalarchive.html
[5] 登録した複数画像がサムネイルリストとして表示され、各画像はIIIF画像ビューワMiradorを利用した高精細画像の閲覧が可能である。そのため、本市のデジタルアーカイブを紹介する際はまず文化遺産オンラインに誘導している。当初は写真画像のみを登録していたが、古文書の翻刻や出土遺物の実測図・オルソ画像などを追加しリッチ化を図っている。jpegフォーマットしか登録できないため翻刻はテキスト検索非対応であるが、判読可能な資料を提示することでユーザーの滞在時間を伸ばすねらいがある。
[7] https://www.digital.go.jp/resources/open_data/municipal-standard-data-set-test
[8] https://odcs.bodik.jp/272175/
[9] “丹南藩立藩400年を記念して、丹南陣屋の御城印を配布しました!!(2023年9月1日~12月28日)” 松原市ホームページ https://www.city.matsubara.lg.jp/docs/page19342.html
[10] イベント開催に伴い、常設展示室にある展示品のうち文化財課が所管する資料(出土遺物)については写真撮影と撮影画像の二次利用を可能とした。
[11] “令和5年度特別展「丹南藩誕生400年」” 全国文化財イベントナビ https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/search-event/item/1009?event_all=%E6%9D%BE%E5%8E%9F%E5%B8%82&event_time%5B%5D=3&pref_code%5B%5D=27
[12] https://ja.wikipedia.org/
[13] “ウィキペディアタウンin松原市を開催しました(2023年10月1日)” 松原市ホームページ https://www.city.matsubara.lg.jp/docs/page19283.html
[14] edit Tango(エディットたんご)は京丹後市で活動するボランティアグループで、地域の限られた場所(オフライン)にある情報を地域住民の協力を得ながら収集しオンライン上に公開している(伊達 2022、2023)。活動内容は運営サイト「たんご百科事典(https://edit-tango.webnode.jp/)」のほかウィキペディア内のプロジェクトページ(https://w.wiki/5kTJ)でも公開されている。
[15] このプロジェクトページ(https://w.wiki/JDB)には今後の開催情報や協力ウィキペディアンの一覧といった共有すべきウィキペディアタウンの情報が掲載されており、過去の開催情報は“アーカイブ(https://w.wiki/5gLt)”に集約されている。また、“メソッドの共有(https://w.wiki/CwzH)”には全国遺跡報告総覧に登録した当日配布資料へのリンクを貼っている。
[16] “「まちの記憶をデジタルアーカイブ@松原市」を開催しました(2023年11月18日)” 松原市ホームページ https://www.city.matsubara.lg.jp/docs/page19413.html
[17] OSM本体のプロジェクトサイト(https://www.openstreetmap.org)とは別にOpenStreetMap Foundation Japan(OSMFJ)が運営するサイト「OpenStreetMap Japan(https://openstreetmap.jp)」が存在し、OSMを使ったイベントの開催情報や利用ガイドが掲載されている。
[18] https://commons.wikimedia.org/wiki/Main_Page
[19] まち歩きにより地物の情報を収集しOSMの地図を更新するイベントは「マッピングパーティー」と呼ばれているが、道中で撮影した写真や入手した文献をウィキペディアなどのウィキメディア・プロジェクトに記録して多角的に情報を発信するワークショップは「オープンデータソン」と呼ばれる(坂ノ下 2023)。
[20] 今回は文献の目を通すべき箇所を提示しレクチャーしたが、それをどうまとめるかという案までは準備していなかった。主催者側が事前に追加すべき情報を選択しゴールを設定しておくと、参加者がより満足できる体験を提供できたと思われる。また、事前に境内や街路をGPS付のスマートフォンや360度カメラで撮影し、誰でも写真の投稿と共有(CC BY-SA 4.0)が可能なストリートビュー「マッピラリー(Mapillary)(https://www.mapillary.com/)」にアップしておくことで、当日のOSMでの作業がスムーズであったと考える。
[21] “ 「まちの記憶をデジタルアーカイブ@松原市#2」を開催しました(2024年1月28日)” 松原市ホームページ https://www.city.matsubara.lg.jp/docs/1268930.html
[22] “1Lib1Refをやってみよう-ウィキペディア編集相談会-” 図書館総合展 https://www.libraryfair.jp/forum/2024/1165
[24] “リサーチノート スマホでの調べものは「Google」での検索が圧倒的。女性20~30代では「Instagram」が2位に” LINEリサーチ https://lineresearch-platform.blog.jp/archives/43514081.html
[25] https://web.d-library.jp/matsubara/g0101/top/
[26] 通常資料の閲覧は利用者登録が必要であるが、地域独自資料のジャンルで公開されているものは誰でも閲覧可能である。また、印刷とダウンロードが不可能であることから、このサイトで販売図書を公開している。全国遺跡報告総覧にはPDFをアップせず「他の電子リソース」にリンクを貼って閲覧可能としている。『松原市内所在の文化財総合調査3-善正寺-』(https://sitereports.nabunken.go.jp/138773)など。
[27] “ジャパンサーチ利用ガイド03「ギャラリー」” ジャパンサーチ https://jpsearch.go.jp/userguide/03
[29] “個人向けデジタル化資料送信サービス” 国立国会図書館ウェブサイト https://www.ndl.go.jp/jp/use/digital_transmission/individuals_index.html
[30] 国や自治体がインターネットを通じて著作物を複製・提供することは、国有財産法や地方自治法による財産の処分に該当しないと整理されており、補助金などを利用した場合でも提供可能であるとされる(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 2016、国土交通省国土地理院 2019)。
[31] 契約に関する文書は最短の保存期間が5年であるため、業務委託などの契約書に著作権譲渡や利用許諾の条項を盛り込む場合は、契約期間満了後の利用年数を見込んだ設定が必要である。
[32] 書きぶりについては、総務省の年次資料である『情報通信白書』の別添「令和6年版情報通信白書の二次利用について」(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/r06riyou.pdf)を参考とした。また、拓本の著作性については道谷卓の論考(道谷 2022)によった。
【参考文献】
阿児 雄之 2024「博物館デジタルアーカイブとジャパンサーチでつくるエコシステム」 『博物館DXと次世代考古学』 雄山閣
大矢 祐司 2023 「基礎自治体による小規模デジタルアーカイブ作成事例-まつばらいろはかるた関連文化財の公開を目指して-」 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用5』奈良文化財研究所研究報告第37冊 http://doi.org/10.24484/sitereports.130529
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 2016 『二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)』 https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f7fde41d-ffca-4b2a-9b25-94b8a701a037/7c57e1a9/20220523_resources_data_guideline_01.pdf
国土交通省国土地理院 2019『地理空間情報の二次利用促進に関するガイドライン (測量成果等編)』 https://www.gsi.go.jp/common/000256014.pdf
坂ノ下 勝幸 2019 「マッピングパーティを楽しもう!(特集オープンストリートマップ!?)」 『地図中心』2019-5(通巻560号) 日本地図センター
坂ノ下 勝幸 2023 『オープンデータソン概要説明 : 「まちの記憶をデジタルアーカイブ@松原市」当日スライド』 http://doi.org/10.24484/sitereports.132712
伊達 深雪 企画編集 2022『edit Tango activity record 2018.9-2022.12』edit Tango
伊達 深雪 2024『ウィキペディアでまちおこし : みんなでつくろう地域の百科事典』紀伊国屋出版
デジタルアーカイブジャパン推進委員会実務者検討委員会 2023『「デジタルアーカイブ活動」のためのガイドライン』 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/pdf/guideline_2023.pdf
道谷 卓 2022 「拓本に著作権はあるか」『文化財と著作権』奈良文化財研究所研究報告第34冊 http://doi.org/10.24484/sitereports.115734
矢内 一正 2024 「シン・誰でもできる著作権契約マニュアル」 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用6』https://sitereports.nabunken.go.jp/online-library/report/18





