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デジタル技術による文化財情報の記録と利活用 > 6 号 > GIGAスクール時代における子どもたちと文化財情報~活用と発信~

GIGAスクール時代における子どもたちと文化財情報~活用と発信~

宮澤 優子 ( 高森町立高森北小学校 )

Children and cultural property information during the GIGA school era ~ Utilization and dissemination ~

Miyazawa Yuko ( Takamori Kita Elementary School )
宮澤 優子 2024 「GIGAスクール時代における子どもたちと文化財情報~活用と発信~」 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用』 遺跡地図・3D・GIS・モバイルスキャン・デジタルアーカイブ・文化財防災 https://sitereports.nabunken.go.jp/online-library/report/10
 これまで総合学習や社会科などの地域学習において学校図書館が提供してきた郷土資料は紙ベースに限定されていたが、自治体レベルで電子書籍化したものや各機関のデータベースなどの活用などにより、デジタルデータでの資料・情報提供がデジタルでの提供を容易にし、教材化のハードルを下げている。また、小学校における情報活用能力のスキルの積み上げの過程において、もはやデジタルを扱わないという選択肢はない。本稿は「全国遺跡報告総覧」でのデータベース演習や、実際の調査といった子どもたちの活用を、その「活用と発信」という視点で紹介するものである。
目次

1.概要

 高森町は令和5年度にGIGAスクールの本格稼働3年目を迎えた。この間、高森北小学校の学校図書館は「読書センター」「学習センター」「情報センター」の3つの機能とデジタルコンテンツの融合を試みてきた。

 読書センターとしては電子書籍や電子ジャーナルを普段の読書の対象資料とするためのワークショップや実際の活用、オンラインでの書籍検索の手段の案内や検索ワークショップ、公共図書館へオンラインでのリクエストについてのレクチャーや実際の運用に関するスキーム作りを。学習センターとしては学習資料としてのデジタルコンテンツの提供や高森町子ども読書支援センターとしてのデジタルコンテンツ作成、多様なデジタル情報とのパイプ役を。情報センターとしては各種ツールの活用のための指導とともに、デジタルシティズンシップ教育によるデジタル社会での情報活用能力の育成とそのよりよい活用の在り方を問う活動を。各機能において子どもたちや先生方の学びが、デジタル社会と結びついてより上質なものとなるような手立てを打ってきた。

 本稿では、GIGAスクールによって可能になったデジタル情報を使ったインプットと、オンラインだからこそできたアウトプットの事例を紹介し、学校図書館による教育活動への多様な支援の一例を提示できれば幸いである。

2.高森町みらい懇談会と子どもたちのプロジェクト

(1)高森町と高森北小学校の概要

 高森町は長野県の南部に位置する人口13000人ほどの町で、隣接する飯田市の高森町側にリニア新幹線の駅が開業予定である。令和2年4月にスタートした第7次振興総合計画(まちづくりプラン)により「なりたいあなたに会えるまち〜日本一の幸せタウン高森〜」を将来像と掲げ、それを受けた高森町教育大綱に「なりたい自分への挑戦」を基本理念として教育を進めている。町内には小学校2校、中学校1校があり、高森北小学校は各学年1クラスの単級小規模校で、児童数100名ほどの小さな学校である。本校では高森北小学校の令和4年度の6年生の活動について報告する。

(2)高森町みらい懇談会とは?

 高森町の2つの小学校では、6年生が総合的な学習の時間で、地域の魅力の発信や地域課題解決のための提案や活動、町の支援を受けたアイデア実現などを1年かけて実施する「みらい懇談会」という取り組みがある。

 これまでの学年も、町の魅力をPRするためのパンフレットを作成し修学旅行先の東京で町ゆく人々に配布するなど、各学年が工夫を凝らして町のための様々な取り組みを行ってきた。令和4年度の6年生は1年間の活動の方向性を決めるにあたりクラスで何度も話し合いを重ね、高森北小学校がある山吹地区の魅力を知ること・発信することに取り組み「山吹地域の良さをたくさんの人に伝えよう」をテーマに1年間活動をすることになった。

(3)高森町歴史民俗資料館「時の駅」との連携 

 彼らが真っ先にぶつかったのは、山吹地区の「魅力」をそもそも自分たちがよくわかっていないという問題であった。町全体としての名産品や特徴については知識があるが、こと山吹地区に限定したものとなるとなかなか思い浮かばない。地区内には様々な史跡や伝統芸能などがあることに気が付いてほしいと願う担任の要望もあり、高森町歴史民俗資料館「時の駅」と担任をつなぎ、資料館の館長を外部講師として「山吹の歴史・文化のいいところを知る学習」を行った。館長自ら地区内遺跡からの出土品である土器を教室に運び込んでくださり『座光寺氏の史跡・山吹の史跡文化財を巡る』(高森町歴史民俗資料館「時の駅」編)を資料として提供していただくとともにその内容に従って地区内の様々な史跡や文化財について説明くださった。時代としては縄文時代から現代にいたるまで、様々なものを紹介いただき、子どもたちはそれぞれに興味を示した。

 なにもない、と思っていた自分たちの学区にこれほど多くの史跡文化財があることを知り、さらにそれぞれの特徴や発掘にまつわる様々なエピソードをたっぷりと聞いた子どもたちは、これまで自分たちが知らなかったことを無念に思うと同時に、これだけのものがあるのにおそらくまだまだ知らずに暮らしている住民も多いだろうと予想し、自分たちがこの情報を発信することの意義を見出した。

(4)発信に向けての情報収集

 外部講師による授業の後、さらに知りたいことを詳しく知るための手段として学校図書館及び高森町立図書館、南信州図書館ネットワークから関連する郷土資料を大量に提供(教室内へ学級文庫として設置)した。担任の専門が社会科であったこともあり、子どもたちと共に学びを深めようとご自身でも図書館に足を運ばれ情報を入手してくださった。

 また子どもたちはインターネット上の様々なコンテンツにもアクセスして情報を収集した。インターネットでの検索では欲しい情報をうまく探せず、ここで図書館の資料や全文が読める「全国遺跡発掘総覧」などのデータベースの価値を感じた。また「高森ほんともWeb-Library」(高森町が運営していた電子書籍図書館。平成5年3月末にて閉鎖、長野県が運営する電子書籍図書館「デジとしょ信州」の利用に切り替え)にアップされている町の郷土資料の電子書籍の活用が非常に有効であることにも気がついた。これは高森町立図書館と高森町子ども読書支援センターが町内で発行された郷土資料を電子書籍化し、1タイトルにつき50アカウント同時アクセス可能な状態で電子書籍図書館に所蔵したものである。中学校の総合学習における地域学習で使われてきた郷土資料を優先的に電子化したきたので、子どもたちが欲する情報がたくさん見つかり、紙の郷土資料は順番待ちでもこちらはすぐに情報が手に入るので、改めてその有用性を知ることとなった。

(5)発信に向けた動き

 外部講師によるレクチャーである程度地域の情報を入手した子どもたちは山吹地区を魅力ある地域と実感でき、さらに詳しく調べたことで思い入れのある場所がいくつかできた。このあと発信するものに関しては、自分たちが魅力を感じ伝えたい!と思う場所に絞り、そこを詳しく伝えるのが良いだろうという結論に至った。そして「どう伝えるか?」についての議論が始まった。

 パンフレットを作る、チラシを作るといった案が最初に出てきたが、もっと広く多くの人たちに知ってもらいたいという希望を持った子どもたちは、どうしたらそれが実現できるか?を考え始め、その一つにWikipediaへの新規立項があがった。Wikipediaは、インターネット情報の信頼性に関して図書館の時間に学習した時に扱っており、検証可能性の担保のために出典を明記することを知っていた子供たちは、自分たちの手元にある様々な郷土資料を出典にすれば、立項が可能であると考えたのだ。

 その後さらに様々な案が出てくるなかで、高森北小学校の150周年記念行事と絡めて何かしたい!という希望が強くなり「山吹ショー」と銘打ってミュージカル仕立ての発表を町の公民館のホールを借り切って実施する運びとなった。

(6)「山吹ショー」

 「山吹ショー」の上演には、広く伝えたい内容はもちろんのこと、舞台背景や衣装など様々なものが必要で、それらは町の皆さんのボランティア協力=サポーターがあって実現した。町もその活動を応援すべく、サポーターの募集を公式HPで告知してくださり、子どもたちの活動を支えてくださった。

 とはいえ、発表する内容について子どもたちはよく調べ、よく聞き、情報を収集した。中でも「増野新切遺跡」については資料館館長のレクチャーの時から関心を持った児童が多く、様々な角度からその姿を捉えようとしていた。

 本番は地域の皆さんに大勢ご来場いただき、町長はじめ子どもたちの発表に涙する大人たちの姿もあった。その時の感動を学校へ絵手紙を届けてく出さるという形でお伝えくださった方もいて、子どもたちは「伝えたい」ものが「伝わった」ことを実感した。

3.Wikipediaに「増野新切遺跡」の事を載せよう

(1)思い残したWikipedia

 「山吹ショー」が大成功に終わり、いよいよ学年末のまとめに向け活動していると、担任から学校図書館に「Wikipediaに増野新切遺跡のことを書くにはどうしたらいいのか?」という相談がもちこまれた。聞くと、子どもたちがアウトプットの方法を取捨選択する中で一度はあきらめた新規立項だが、自分たちで町の情報を調べる中でインターネット上の情報が少なく調べにくいという思いはより強くなり、もし増野新切遺跡のことがインターネット情報として検索にかかってきたら、もっと広く多くの人に知ってもらえるのに、という思いがあるという。特にWikipediaには、高森町子ども読書支援センターが主催したウィキペディアタウンで立項したもの以外の高森町関連の史跡文化財項目が1項目しかなく(当時)そもそも自分たちの学校の項目もない。もしここに山吹ショーで発表したものを立項できたなら、あの会場に来られなかった人たちにも届けられるのではないか?たくさんの「大人」に向けて発信したが、まだ何かできるのではないか?という思いが残っているとのこと。

 ただ残り少ない3学期に実現可能か?といわれれば、一年かけて集団で調査をしそれを立項するなら可能だと説明した年度当初と状況が大きく違うので、新規立項が難しいのは事実である。それでも、という思いでいくつかの作戦を練った。

(2)作戦会議

 「増野新切遺跡」の新規立項が難しくても、Wikipediaにその名前をあげ、出典をつけることは可能である。例えば「高森町」の項目の中に「増野新切遺跡」を追記し出典を加えるのだ。2021年「全国遺跡発掘総覧」にWikipedia出典テンプレート(コピーしてそのまま使えるWikipedia記法にのっとった書誌情報)が実装され、それを実際に使ってみるワークショップに参加した時、まさにそういう加筆事例を目の当たりにした。出典テンプレートの活用事例として、ある参加者が高森町の項目の中にワークショップ中の短時間で「下平遺跡」を加筆した。ほんの数行の加筆でも、確かにそこにその文化財情報が出典情報とともに存在するようになるということであれば、これは実現可能で子どもたちが望むものに近いのではないか?

 この方法を担任に提案し、ロードマップを簡単に作成した。追記に必要な情報と情報量を見極め、全員参加の方法を探り、授業2コマの中におさまる見通しがついて、実施に踏み切った。

(3)共同調査

 大前提として、クラス全員参加で実施ということで、全員が「増野新切遺跡」について調査しWikipediaの追記に必要な情報を得る活動を行った。数行の追記であるので必要な情報は限られており、情報源を絞ったほうがコンパクトな活動ができる。とはいえ子どもたちが主体的に調査をし、増野新切遺跡の存在をそれぞれの切り口でつかめる程度には潤沢な情報が欲しい。そこで、GIGAスクール構想における個人端末で、郷土資料を一人一冊配布するのと同じ状況が作れる全国遺跡報告総覧の発掘調査報告書を活用することにした。

 まずWikipediaの「高森町」の中にある「下平遺跡」の部分を読み、「増野新切遺跡」追記に必要な情報とは何か?を全員でブレインストーミング、それから実際の調査活動に入った。

 すでに各種データベースの存在とその活用方法は学校図書館の情報センターとしてレクチャー済みで、全国遺跡発掘総覧も「山吹ショー」にむけた調査でも、それ以前の学習でも使ってきている。キーワードの組み合わせで報告書の検索結果が変わることも承知、目次や索引はお手の物、メモの取り方もスマート、分らない単語はすぐに調べるし、ウラをとることもする、などこれまで積み上げてきた情報活用能力をいかんなく発揮した子どもたちは、あっという間に調査を終えた。

 調査内容はGEG(Google Educator Group)のイベントで共有された授業振り返りシート(Googleスプレッドシートで作成)を転用した「集団調査シート」を活用した。最初のブレインストーミングでピックアップした追記に必要な情報をリストアップし、そこに児童が全国遺跡発掘総覧で調査した結果をそれぞれ入力するとクラス全員で共有できるというものだ。調査した発掘調査報告書によって記述内容に違いがあったり、ある報告書には記載がなかったものが、別の報告書には記載があるといったものもあり、複数の資料にあたることや共同調査の価値を改めて感じられる活動になった。

 その調査の中で「山吹ショー」上演時までには調べ切れていなかった「増野新切Ⅱ遺跡」の存在も知ることになった。

(4)世界発信

 さて、いよいよWikipediaへの追記である。ところが残念ながら高森町はGIGAスクール端末を利用する際のGoogleアカウントにGmailを開放していない。メールアドレスがないとWikipedia編集用のアカウントが取得できないので、追記する文章とその出典情報をまとめるとこをまでを全員で実施し、筆者が代表で追記する方法をとった。(この方法については、この活動を始めるにあたりWikipediaやウィキペディアタウンについて説明した時点で子どもたちに了解を取った)

 共同調査で拾い出した情報と「下平遺跡」の記述を参考に200字程度に作文、この作文も著作権に留意しながらGoogle ドキュメントで共同編集した。もちろん「増野新切Ⅱ遺跡」についても書き加えられた。

 活動2コマ目の終盤、最終チェックを全員で行い、いよいよ世界に向けてアップロード、その瞬間を全員で見守った。世界発信の瞬間、図書館に6年生全員の拍手が響いた。

(5)世界だけでなく、身近な家族との共有

 さて、授業としての活動時間はタイムアップとなったが、この活動の様子は高森北小学校の「としょかんだより」で各ご家庭へもお知らせした。まずは全員で追記した項目を見ていただくために「高森町」の項目のQRコードを、そして調査に使った「全国遺跡報告総覧」を知っていただくためにそちらのQRコードも添付した。「アクセスしてみました!」「近所なのに知らなかった!」など、学校に届いた反響はすべて担任から子どもたちへ伝えられた。


「としょかんだより 号外」


4.デジタルコンテンツとオンライン上での活動の可能性

(1)GIGAスクール構想による学校現場の変化

 「みらい議会」にかかわる活動の様々なシーンで、GIGAスクール構想によって子どもたちに配布された端末が活用された。調査はもちろん、写真や動画・学習の振り返りなどポートフォリオとしてのクラウド活用、PR活動のための様々な創作物の作成など、活用シーンも多様である。数年前までと大きく違う点であり、扱える情報量やスピードの変化が学習の成果物の変化にもつながっている。「山吹ショー」そのものは、町の公民館ホールで多くの町民の方にご来場いただき対面でのイベントとなった。ここにもその場でしか感じられない熱量や感動がある。デジタルだけでも、アナログだけでもなく、それらをどちらも活かしながら学習活動をすすめている。

(2)オンラインの特性

 情報収集の場面で何度も利用したインターネット情報であるが、子どもたちは「増野新切Ⅱ遺跡」の存在を知らないまま「山吹ショー」を終えたことで「オンライン上にないものはないとされがち」ということを体感した。検索エンジンでは思ったように自分たちの欲しい情報が出てこないということと、簡単に全文が読めるデータベースの在りようの対比は、彼らにオンラインの特性を印象付けた。

 その経験は、自分たちがオンラインでの発信者になるという今回の活動に至った一つの要因である。オンラインの特性を知るということは、その活用において非常に重要であり、しかしこれはやはり使ってみないと見えない部分も多い。学校の現場でさらにICT活用が進み、子どもたちのICT活用がさらに日常化し、その認知が進むことで次のステージが見えてくるのかもしれない。

(3)著作権教育、デジタルシティズンシップ教育が活きた瞬間

 国語科の指導項目でもある「出典」(引用の指導と関連)に関しては、学校図書館の情報センターとしての指導や各教科での日常的な指導で明記できるようになってきた子どもたちだが、著作権についての知識はまだまだ乏しく、意識も低い。「下平遺跡」の出典情報をWikipediaで見た子どもたちが「すごく細かい!」「NCID(NII書誌ID、NACSIS-CATの書誌レコードID)って何?」と反応し、Wikipediaの信頼性に関しての思いをそれぞれが口にし始めたあたりから、出典の重要性や、記述に関する著作権に意識が向き始めた。 これまでWikipediaの内容が日々変化することを授業でも扱いその様子を実際に目にしてきた子どもたちは、自分たちが書いたものは新しい発掘調査の情報などが出てくるまではこのままかもしれない、それならなおさら確かな情報と出典を提供し、著作権に配慮して多くの方に利用してもらえるものを提供しなければならない、と考えるようになった。

 共同調査でひと通りスプレッドシートを埋めたあと、また別のキーワードを入れて違う情報がないか探してみたり、発掘調査報告書から拾ったキーワードをもとにあえて検索エンジンで別のコンテンツの情報を探してみたり、発行時期に注目して「増野新切Ⅱ遺跡」の情報だけを抽出してみたり、様々な情報検索を試し始めた。このオンライン活動により、著作権や情報の信頼性に関する知識と実体験が結びつき、コンピテンシーの育成につながったようにも感じた。

5.学校司書として

(1)多様なデジタルコンテンツを組み合わせた調査の教材化

 つい最近まで、学校図書館の学習センターとして学習活動に提供してきた資料はもっぱら紙の資料、すなわち本や雑誌、パンフレットや新聞等に限られてきた。GIGAスクール構想によりデジタルデータが使える環境が整い、提供できる資料を紙に限定しなくてよくなった分、どんな情報があり、それはどこから提供されていて、どの程度の信頼性があるのか?など、学校司書として改めて「デジタル資料の評価」に向き合うこととなった。

 音声や動画など、紙では提供ができなかったインパクトのある情報、最新の研究調査報告、直前までの観測データ、そういったインパクトのある情報が使えるメリットを生かし学習活動につなげるために、学校司書の業務は激増している。

 また、3D計測した町内の石像と、電子書籍図書館やデータベースに存在している地域資料、GoogleMap 等の地図情報を組みあわせた調査など、調査の手法や使えるツールも一気に広がっている。これらに関する知識とスキルを持ち、常に更新し、教育活動に資するためには、これまでの学校図書館の活動より広いネットワークがリアル・バーチャル共に必要になってくる。教育関係以外の様々な団体から有益な情報が集まることも多いので、情報収集のアンテナの張り方を変化させなければならない。

 (2)これからの学校図書館とデジタルコンテンツ

 始まったばかりとは言え、すでに3年目も半ばを過ぎ、本校でのGIGAスクール活用は、質的にはまだまだ目指すところはあるにせよ、かなり定着した感がある。これまで学校現場になかったツールが活用されるようになり、子どもたちの世界が広がることによって、インプットの方法もアウトプットの方法も大きく変化している。今まで持ち得ていなかった手段を持ち選択肢が広がる中で、子どもたちは様々なことに気づき新たな知見を得ているのは確実だ。デジタルによって広がった世界は無限であり、その分新しく必要となるスキルもあれば、それに伴う責任もある。デジタル・シティズンシップ教育や、著作権・肖像権などの主権者教育が非常に重要になってくるわけで、現時点で学校はそれらに十分対応できているとは言い難いが、大きなメリットをメリットとして享受できるような環境を提供し、子どもたちがデジタル社会の中でそれらを十分に活用し、よき使い手として社会へ還元する行動につなぐためには、学校も変化が必要である。学校図書館は情報センターや学習センターとして、そしてもちろん読書センターとしても、デジタル活用に対して積極的かつ丁寧に対応し、子どもたちの未来への様々な可能性を広げる場所であり続けたい。

【脚注】

高森町公式HP

高森北小学校高学年による「山吹ショー」の開催について」

https://www.town.nagano-takamori.lg.jp/soshiki/12/7/6929.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

「高森南北小学校6学年みらい懇談会『活動報告会』の開催について」

https://www.town.nagano-takamori.lg.jp/soshiki/12/7/6929.html

https://www.town.nagano-takamori.lg.jp/kosodate_ouen/docs-kosodate/13182.html

「note」『クラブハウス【ウィキペディアタウン】ウィキペディア ✕ 文化財トピック「全国遺跡報告総覧に書誌情報のWikipediaテンプレート出力が実装されました。』(code for 山城 2021年4月28日 16:07)

https://note.com/ujigis/n/n0e9c40fb9619


NAID :
都道府県 : 長野県
時代 :
文化財種別 :
史跡・遺跡種別 :
遺物(材質分類) :
学問種別 :
テーマ : 活用手法 その他
キーワード : 学校図書館 GIGAスクール 地域文化財資料 オープンデータ ウィキペディア デジタルアーカイブ 市民参加
データ権利者 : 宮澤優子
総覧登録日 : 2024-03-22
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