西日本における竈破却の一二相
宮崎 敬士
( MIYAZAKI Takashi )
低平な沖積地に点在する古墳時代後期集落 における造り付け竈の破却には、石材設置と高坏伏置という二相が存在する。それらの西日本における分布を示した。空間的な分布は、九州では中央構造線以北、四 国及び本州では中央構造線以北かつ中国山地以南の範 囲に限られ、さらに各相に固有の分布傾向が存在する。時間的な分布は、5 世紀に九州 の筑紫地域にはじまり、5 世紀後半までには四国及び 本州への展開を終え、さらに各相に固有の終焉時期が 存在する。