古代の鉄細柄工具について(2)-鉄細柄片刃状工具、鉄細柄鑿錐状工具と出土事例-
Iron thin grip tools in 6-10th century Japan. Part 2: Single side blade form and chisel/drill form.
内山 敏行
( Uchiyama Toshiyuki )
鉄の細い柄を持つ鉄細柄片刃状工具および鉄細柄鑿錐状工具に、加工用の割付線を描く機能を推定し、木材加工用の「白罫引」(しらけひき)や、金属加工用の「けがき針」の用途を前稿で考えた。前稿に続いて、出土事例を紹介・検討する。鍛冶関連祭祀遺構で出土した古墳後期の事例、鉄の細い柄部に繊維を巻いた古墳終末期の事例、竹筒製の鞘に収めた奈良時代後半〜平安時代初め頃の事例などを確認した。