平板測量と個別石材の実測
福家 恭
( Fuke Takashi )
広瀬 侑紀
( Hirose Yuki )
当地は八人石丁場から谷状地形を下った先にひろがる湾状の海岸である。自然災害等の影響もあり、海岸の一面が石材に覆われてしまっているが、中には矢穴列のある巨大な種石や矢こぎにより平坦面をつくる石材など、大きくその位置が変動していない石材もいくつか窺える。陸上部分から波打ち際においては、角石として加工された石材や刻印の残るものも含まれており、それら主要な石材や基準となる石材について平板測量を行った。距離測定は調査途中からレーザー距離計を導入した。海中に見られる角石や矢穴のある加工石材は、個別に実測した石材の位置関係を明確にするため、基準となる2点を平板に記録し、石材の長軸の方向と分布状況の把握に努めた。