宮崎県出土の黒曜石・ガラス質安山岩製石器の産地推定
赤崎 広志
宮崎県内の遺跡では、縄文時代を中心に黒曜石やガラス質安山岩を石材とした石器の出土例が多い。黒曜石やガラス質安山岩は、基質がガラス質であり、鋭利な破断面を持つことからナイフ形石器、細石器、石鏃、石匙などの切削・刺突具として利用された。これらは産出地点ごとのマグマの成分や火成活動の種類、時期の違いなどによって、色調、発泡、内部構造、包有物などに微妙な差異が観察できる。これらの差異は肉眼で判別可能な場合も多く、これまで「○○産黒曜石」として分類されてきた。
宮崎県埋蔵文化財センターでは、これらの石材について双眼実体顕微鏡による表面観察と透過光による内部構造、包有物の構成などを指標として分類を行ってきた。
2020年春から整理作業を実施した遺跡において、従来の手法で石材同定を実施したところ、現在所有する比較試料では同定困難なケースが出てきた。その対策として新たに現地踏査して採集した同定用比較試料とその双眼実体顕微鏡写真、および蛍光X線分析結果のデータベースを制作した。また、実際に、このデータを活用して遺跡整理作業での石材産地の推定を試みたので結果を報告する。
宮崎県埋蔵文化財センターでは、これらの石材について双眼実体顕微鏡による表面観察と透過光による内部構造、包有物の構成などを指標として分類を行ってきた。
2020年春から整理作業を実施した遺跡において、従来の手法で石材同定を実施したところ、現在所有する比較試料では同定困難なケースが出てきた。その対策として新たに現地踏査して採集した同定用比較試料とその双眼実体顕微鏡写真、および蛍光X線分析結果のデータベースを制作した。また、実際に、このデータを活用して遺跡整理作業での石材産地の推定を試みたので結果を報告する。