清洲城下町遺跡出土の動物遺体
新美 倫子
鈴木 正貴
清洲下町遺跡は愛知県清須市に所在する戦国時代から織豊期の拠点的城郭・城下町遺跡である。2010・2011 年の調査地点は、1478 年〜16 世紀前葉には武家屋敷、16 世紀中葉〜1610 年には鍛冶屋や鋳物師などの職人の活動域として利用されたと考えられる。この調査で出土した動物遺体は、土坑等の遺構覆土を対象に1mm 目篩による水洗選別が行われて検出されたものが主体であり、発掘調査時に採集された資料もある。
これら動物遺体のうち、発掘時に採集された貝類についてはすでに報告されており、本論ではそれ以外の資料の内容を報告する。資料の量は少ないものの、遺跡でさまざまな海水魚・淡水魚が利用されており、他地域から流通によって持ち込まれた種も利用されていることなどが明らかになった。また、出土例の少ない中世後半期のニワトリの形質を知ることもできた。
これら動物遺体のうち、発掘時に採集された貝類についてはすでに報告されており、本論ではそれ以外の資料の内容を報告する。資料の量は少ないものの、遺跡でさまざまな海水魚・淡水魚が利用されており、他地域から流通によって持ち込まれた種も利用されていることなどが明らかになった。また、出土例の少ない中世後半期のニワトリの形質を知ることもできた。