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朝日遺跡から出土した石鏃の刺さったシカ腰椎について

宮腰 健司 山崎 健 大河内 隆之 原田 幹
本文で取り上げる石鏃の刺さったシカ腰椎は、朝日遺跡の昭和60 年度調査において出土した遺物であるが、未報告になっていたものである。これまでのX線撮影では、石鏃の形態や陥入状況が不明であったが、奈良文化財研究所のX線CT 撮影によって、それらが明らかになったので報告する。この腰椎は、朝日遺跡の谷Aの左岸(南岸)の貝層内より出土しており、時期は弥生時代中期前半に比定される。部位はニホンジカの第6腰椎にあたり、立位姿勢であれば右斜め前から水平に矢が打ち込まれたと推測され、骨増殖も認められた。石鏃はチャート製の小型の五角形を呈する有茎鏃で、3箇所に衝撃剥離痕がみられる。これらのことから、具体的な狩猟の様子や石鏃の刺突時の状況が判り、骨増殖が認められることにより、本資料の石鏃が弥生時代に行われていたとされる儀礼的な狩猟で使用されたものではなく、狩猟に用いられたものであると推測された。
NAID :
都道府県 : 愛知県
時代 弥生
文化財種別 考古資料
史跡・遺跡種別 集落
遺物(材質分類) 石器 骨・歯・角製品
学問種別 考古学
他の電子リソース :
総覧登録日 : 2021-11-26
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この論文は下の刊行物の 9 - 18 ページ に掲載されています。

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