碧海台地東縁の古代集落
永井 邦仁
西三河地域の中でも碧海台地東縁を対象として、古代集落遺跡の立地がどのように推移するか検討した。7 世紀代には開拓集落が台地縁辺で増加傾向にあるが、8 世紀前半は特に、より高燥な台地奥部への進出がみられる。その後、8 世紀後葉を画期として水辺近くへの移動が本格化する。この一連の集落移動には村落首長層が伴っており、律令国家的権威を背景にしながらも在地首長層の主体的な意志がはたらいたものと考えた。