鍛冶滓の金属学的分析成果の検討 愛知県における金属器生産(8)
蔭山 誠一
鈴木 正貴
当センターにおいてこれまでに調査・報告された鍛冶関連資料について、金属学的分析を行った鉄滓の検討を行った。その結果、一部の鍛冶滓を除いて金属学的分類による鍛錬鍛冶滓がほとんどであり、砂鉄から精製された鉄素材を加工していた可能性が高いことを明らかにした。また、鉄滓における鉄分とガラス質成分の量比の検討から、鍛錬鍛冶工程の細分が可能であり、鉄消費地域における鉄器加工のあり方を具体化できる可能性を示した。