京都西町奉行所同心の勤向きについてー平川伴蔵「日記」の紹介をかねてー
The Work of the constable of Nishimachi Magistrate's Office in Kyoto ( Kyoto Nishimachi Bugyosho Doshin )ーIntroduction of diary of Hirakawa Banzoー
小野田 一幸
( Onoda Kazuyuki )
本稿は、研究史において、必ずしも明らかにされていない京都町奉行書の同心の勤向きについて、17世紀中期から18世紀初期に西町奉行所の同心を勤めた平川伴蔵が寛政10年 (1798) 1月から12月にかけて書き留めた「日記」を素材に、その実態を探ったものである。寛政10年当時、伴蔵が勤めた同心目付は3名によって担われていたが、その職務としては、同心目付を勤めるに際し書かれた「起請文前書」に見える補者や火事場の出勤にはじまり、日々の町廻りや臨時廻り、殺害人や各種事件などの検使、牢舎に関わる事柄、用心の警護など、主に治安維持 (現在の警察業務) に従事する多忙な姿が明らかになった。
小野田一幸 2011「京都西町奉行所同心の勤向きについてー平川伴蔵「日記」の紹介をかねてー」 『神戸市立博物館研究紀要』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/19941