昭和初期の神戸観光写真をめぐってⅠ
A study of photographs of scenic or historic places in Kobe in the first half of the 20th century
田井 玲子
( Tai Reiko )
「阪神間モダニズム」を代表する写真家・中山岩太が神戸市観光課の依頼で、数多くの観光写真を撮影したことはすでに知られているが、その時期や、個々の作品がどのような形で使われたのかなど、まだ明らかでない点も多く、戦争へと突き進んでいく時代に、神戸市がどのように観光事業を推進していったのかなど、中山の仕事を通して、異なった角度から調べてみたいと考えた。阪神・淡路大震災の際に中山写真スタジオから運び出され、芦屋市立美術博物館に保管されている資料と照合しながら、観光課が発行した絵葉書・写真帳・ガイドブックなどの観光写真のなかから、中山の作品を特定。定期的に発行された『神戸市事務報告及財産表』『神戸市公報』などの記録類、『アサヒカメラ』『プレスアルト』などの雑誌類、市史や社史などともつき合わせながら、観光課が事業を推進していった背景や当時の世相なども明らかにする。
田井玲子 2002「昭和初期の神戸観光写真をめぐってⅠ」 『神戸市立博物館研究紀要』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/19897