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近代美術と地図 ~川上冬崖と岩橋教章~
Artistic Effects or Expressions in the Maps by the Meiji Govemment, Especially on the Achievements by Kawakami Tōgai and Iwahashi Noriaki,the Japanese Modern Artists of Western Painting in late 19th Century

塚原 晃 ( Tsukahara Akira )
明治14年(1881)の「兵庫神戸実測図」は、当時の大縮尺都市図として傑出した品質をもつ地図だが、その製作には内務省地理局に勤務していた岩橋教章が大きく関わっていた。岩橋は、明治初期の代表的な洋画家の一人として知られるが、ウィーン万国博覧会に際して渡欧して、最新の印刷技術を日本にもたらした。一方同時期の陸軍省参謀局(参謀本部)では、軍事行動のための広域地形図の作成が急がれていたが、その中核にいたのが、同じく初期洋画家として知られる川上冬崖であった。冬崖らは石版印刷による絵画的地図製作にこだわっていたが、陸軍上層部との思惑がうまく噛み合っていなかったようである。そのような中で、冬崖は謎の死を迎え、陸軍は内務省地理局の地図事業を吸収、岩橋教章の息子・章山などの内務省系の技師も動員して、近代地図製作史の新たな基礎を形成することになる。
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総覧登録日 : 2021-11-15
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