A.H.グルーム 1 一在日50年に及ぶ一人のイギリス人の足跡一
A.H.Groom (1), The Course of life which an Englishman has lived for the past 50 years in Japan
田井 玲子
( Tai Reiko )
1868年の開港以来、数多くの外国人が神戸を拠点に活躍した。当館研究紀要第5号で紹介したイギリス人バガレーのように、一定期間日本で仕事をして相応の財産を築いた後帰国する外国人が多かったが、日本女性と結婚して家庭を築き、神戸に眠る人々もいる。イギリス人グルーム(Arthur Hesketh Groom)もそのひとりである。 彼の業績のなかでは、明治28年(1895)六甲山上に別荘を建て六甲山開発のいとぐちをつくったことや、日本最初のゴルフクラブ・神戸ゴルフ倶楽部の創設 (1903年) がよく知られているが、外国人の自治組織・居留地会議の委員をつとめ、在留外国人の代表的なスポーツクラブ、神戸レガッタ・アンド・アスレチック倶楽部の創設 (1870年) 、春日野外国人墓地の設置 (1899年) など公共的な活動にも尽力した。 開港まもない神戸に来航して、大正7年(1918)に亡くなるまで在日50年に及ぶ彼の足跡は、神戸の近代のあゆみを物語る。
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2021-11-12
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