009 Ⅲ実験 [8]文化財関係用語シソーラスの構築と実践活用例:文化財多言語事業への展開を見据えて
Supporting the Translation of Cultural Heritage Information with the CDASRJ Thesaurus
高田 祐一
( Takata Yuichi )
文化財を多言語化する際には、一定の専門用語対訳が必要である。対象とする読者や文脈によって、専門用語の使用は検討されるべきであるが、刊行物や展示解説において、用語対訳にバラつきがでることは、利用者に混乱が生じる可能性がある。翻訳者においても、すべての解説等を同一の翻訳者が永久的に翻訳することはない。仮に翻訳者がかわっても一定の基準や用語対訳集に基づいて翻訳することで品質を標準化することができる。用語対訳の基礎情報として、語彙情報を整備していくことが有効である。本稿は、文化財関係用語シソーラスについて、必要性、構築方法、実践例、今後の可能性について報告する。