総括
永井 三郎
沼田城の石垣は、本丸東面石垣と西櫓台石垣の2か所が残されているが、どちらも打ち欠く加工によって整形を行い、石垣の表面を整える意思が強く表れている。また、石材の表面積を大きく見せるように積むなど石垣の見栄えを重視した構造をしている。横長大型の石材を弧状に積む点も特徴である。これらの石垣の構築された年代は明らかではないが、本丸東面石垣よりも西櫓台石垣の方が垂直に近い勾配をしており古い要素を持っている。石垣の石材は文献史料から、現在の奈良町奈良坂及び下久屋町観音坂で採取したものと考えられる。
永井三郎 2024「総括」 『沼田城跡 石垣調査報告書』
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/127056
