七〜八世紀における新羅の「築城」記事にみる防衛体制の推移 ―日本古代山城の変化と国際的背景の関係についての試論―
植田 喜兵成智
新羅の「築城」記事を分析することで、7世紀から8世紀にかけての新羅の軍事的動静について明らかにする。この分析を通じて、当時の東アジアの国際情勢と新羅の軍事的動向がどのように関連しているのかを整理する。また、新羅の「築城」記事と軍事的動静を検討することは、同時期に築造あるいは改築された、鞠智城をはじめとした、日本の古代惨状を理解するうえにも有益である。