とちぎの「茶の湯」を考える−粟宮宮内遺跡出土小壺底部片の検討−
篠原 浩恵
( SHINOHARA Hiroe )
粟宮宮内遺跡出土の施釉陶器小壺底部小片を点茶法(抹茶)に用いる「茶入」と推定する。本資料出土の背景には、江戸時代後期の「茶の湯」の町人層への普及という文化史的側面があると考え、「町人の茶」の道具とみる。加えて、同遺跡内から出土する天目碗を「武家の茶」と捉え、「武家の茶」・「町人の茶」との相関関係の可否を考察する。
併せて、遺跡の地理的要因から「茶の湯」の場を振り返り、茶道具が出土する環境に「水」が関わる可能性を提示する。
併せて、遺跡の地理的要因から「茶の湯」の場を振り返り、茶道具が出土する環境に「水」が関わる可能性を提示する。