石材・石積・石垣からみた古代山城の築造工程と選地論
平尾 和久
大野城跡は平成15年の豪雨災害により、380か所を超える地点の被害を受け(重藤 2006)、復旧や修理・復元工事に伴う事前の発掘調査が行われた。それらの成果は各報告書で公開されている(入佐・小沢編 2010 他)。 その後、鬼ノ城、基肄城跡や屋嶋城跡等でも石垣や城門の解体修理・復元工事が行われ ており、石垣そのものや石積みに関する新知見が出てきている。本稿では、いくつかの事例を概観したのち、石材加工等いくつかの項目について検討していく。