熊本県頭地下手遺跡出土の石錘について
島津 義昭
( SHIMAZU Yoshiaki )
頭地下手遺跡では縄文後期前半の石錘が 1,351 点出土し、九州島で最多数の出土数である。種類は礫石錘の他、切目石錘(6 点)、有溝石錘(2 点)である。石錘の重量の統計処理から 210g を境としてa 類、b 類の2類に分かれる。このうち a 類に漁網錘が含まれる可能性が高い。b類は編物用の錘具と考える。川辺川を漁場とし、ウグイ、タカハヤ、アユ、カワムツ、オイカワ、ウナギ等を対象とする刺網漁が復元できる。